問題
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心理学の研究に携わった人物に関する記述として適切なものは、次の1~5のうちのどれか。
1 .
ピアジェは、発達段階を、感覚-運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期の四つの段階に分類した。具体的操作期になると、ごっこ遊びに見られるように、父親や母親など家族の役割を演じるような行動が見られるようになり、形式的操作期になると、容器に入った液体を異なる形の容器に入れても液体の量が変わらない、棒を長さの順番に並べて比較するといった、論理操作ができるようになるとした。
2 .
フロイトは、精神構造はエス、自我、超自我の3領域からなっているとした。エスは本能的な欲求で、食欲や睡眠欲などがこれに当てはまる。自我は本能的な欲求を理性的にコントロールする部分であり、超自我は道徳的・良心的であろうとする部分である。子供が親から叱られたり褒められたりすることで行動の善し悪しを学び、自分で判断することができるようになる意識は自我であり、エスと超自我を調整する役割にあるとした。
3 .
アドラーは、人は、人生の目標を設定しその目標を追求し、自分の可能性を引き出し、自身の生活スタイルを創り出すことで劣等感を克服しようとする存在であると考えた。人は他者への共感や他者との協同、自らが所属する社会への貢献といった共同体感覚が欠如すると強すぎる劣等感をもつに至るが、劣等感をもった人が自ら問題を解決しようと行動するよう働き掛ける「勇気づけ」が劣等感への対処として効果的であると考えた。
4 .
マズローは、人間の欲求を、生理的欲求、安全の欲求、愛情と所属の欲求、承認と尊重の欲求、自己実現の欲求と階層的に捉え、低階層の欲求が満たされるとより高次の階層の欲求を求めると考えた。さらに、これらの階層を欠乏欲求と成長欲求の二つに大別した。愛情と所属の欲求は、他者と親密になり他者から承認されたいといった欲求であり、自尊心に必要な欲求が含まれるため、成長欲求であるとした。
5 .
ワトソンは、行動主義を提唱し、観察可能な行動を科学的に予測し統制することが心理学の目的であるとし、客観的に観察できない心の状態による解釈を容認しなかった。行動の単位を刺激と反応の結合からなると考え、環境条件を整え条件づけを駆使すれば、意図的に理想の人間を育てることができると主張したが、外部からの批判に遭ったため、理論の構築は全て動物実験によるものとなった。
( 公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成29年度(H30年度採用) 共通問題 問16 )