公立学校教員の過去問
平成29年度(H30年度採用)
高等学校に関する問題 問29

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問題

公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成29年度(H30年度採用) 高等学校に関する問題 問29 (訂正依頼・報告はこちら)

総合的な学習の時間に関する記述として、高等学校学習指導要領に照らして適切なものは、次の1~5のうちのどれか。
  • 特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施により、総合的な学習の時間における学習活動と同様の成果が期待できる場合においては、特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施をもって相当する総合的な学習の時間における学習活動に替えることができる。
  • 問題の解決や探究活動の過程においては、他者と協同して問題を解決しようとする学習活動や、言語により分析し、まとめたり表現したりするなどの学習活動が行われるようにすること。
  • 育てようとする資質や能力及び態度については、例えば、学習方法に関すること、知識・技能の要素的な習得や網羅的な学習に関すること、自分自身に関すること、他者や社会とのかかわりに関することなどの視点を含めること。
  • 総合的な学習の時間については、全ての生徒に履修させることを原則とするが、特に必要がある場合には、選択履修科目の一つとして扱うことができるとともに、標準単位数の限度を超えて、単位数を増加して配当することができる。
  • 自然体験や就業体験活動、委員会活動や部活動などの生徒会活動、ものづくり、生産活動などの体験活動、観察・実験・実習、調査・研究、発表や討論などの学習活動を積極的に取り入れること。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は 2 です。

高等学校学習指導要領 第4章 総合的な学習の時間と照らし合わせると、

1:誤り
解説によると、「総合的な学習の時間と特別活動との関連については,学習指導要領第1章総則第4款の8- 22 に「総合的な学習の時間における学習活動により,特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同 様の成果が期待できる場合においては,総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特 別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる」との記述がある。これは総合的な学習の時間についての記述であり,横断的・総合的な学習や探究的な学習が実施されていることが前提となっている。総合的な学習の時間において体験活動を実施した結果,学校行事として同様の成果が期待できる場合にのみ,特別活動の学校行事を実施したと判断してもよいことを示しているものである。特別活動の学校行事を総合的な学習の時間として安易に流用して実施することを許容しているものではない。 」とあるため誤りです。

2:正しい
第3 指導計画の作成と内容の取扱い の2の(2)に示されています。

3:誤り
解説の第4章 指導計画の作成と内容の取扱い
第1節 指導計画の作成に当たっての配慮事項の(4)には
「 育てようとする資質や能力及び態度については,例えば,学習方法に関すること,自分自身 に関すること,他者や社会とのかかわりに関することなどの視点を踏まえること。」とあり、一致しないため誤りです。

4:誤り
「 総合的な学習の時間の授業時数の配当については,卒業までを見通して3~6単位(105~210単 位時数)を確保するとともに,学校や生徒の実態に応じて,適切に配当することとしている。」とあるため、誤りです。


5:誤り
第3の2の(3)には「自然体験や就業体験活動,ボランティア活動などの社会体験,ものづくり,生産活動などの体験活動,観察・実験・実習,調査・研究,発表や討論などの学習活動を積極的に取り入 れること。」とあり、生徒会活動は含まれないため誤りです。

また、H30告示の高等学校学習指導要領では総合的な学習の時間ではなく「総合的な探求の時間」とされています。

参考になった数2

02

1.誤り
小・中学校の 総則第3の5に「総合的な学習の時間における学習活動により、特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては、総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる」と記述がされています。これは、特別活動で体験活動を行ったことをもって総合的な学習の時間の代替を認めるものではありません。総合的な学習の時間と、特別活動はその目的を異にしています。総合的な学習の時間は、横断的・総合的な学習や探究的な学習を通して、自ら課題を見付け、解決する力等を身に付けさせること、特別活動は集団活動やその一環としての体験的な活動を通じて社会性や人間関係をはぐくむことを目的としています。あくまでも総合的な学習の実施により,特別活動の学校行事を実施した場合と同様の学習成果がみられることが必要となります。

2.正しい
「その際,例えば,比較する,分類する,関連付けるなどの考えるための技法が自在に活用されるようにすること」と続いています。

3.誤り
総合的な探求の時間の目標は、「(1) 探究の過程において,課題の発見と解決に必要な知識及び技能を身に付け, 課題に関わる概念を形成し,探究の意義や価値を理解するようにする」こと、「 (2) 実社会や実生活と自己との関わりから問いを見いだし,自分で課題を立て, 情報を集め,整理・分析して,まとめ・表現することができるようにする」こと、「(3) 探究に主体的・協働的に取り組むとともに,互いのよさを生かしながら,新たな価値を創造し,よりよい社会を実現しようとする態度を養う」ことの3点です。「目標を実現するにふさわしい探究課題については,地域や学校の実態,生徒の特性等に応じて,例えば,国際理解,情報,環境,福祉・健康など の現代的な諸課題に対応する横断的・総合的な課題,地域や学校の特色に 応じた課題,生徒の興味・関心に基づく課題,職業や自己の進路に関する課題などを踏まえて設定すること」と「各学校において定める目標及び内容」にしめされています。問題文の内容は、中学校学習指導要領のものです。

4.誤り
「総合的な学習の時間の授業時数については,卒業までに105~210単位時間を標準とし,各学校において,学校や生徒の実態に応じて,適切に配当するものとする」と文部科学省は示しているので、誤りです。

5.誤り
正しくは「自然体験や就業体験活動,ボランティア活動などの社会体験,ものづくり,生産活動などの体験活動,観察・実験・実習,調査・研究,発表や討論などの学習活動を積極的に取り入れること」です。生徒会活動は特別活動です。

参考になった数3

03

正答は2です。

この問題では、「総合的な学習の時間」と明記されているため、平成21年7月告示「高等学校学習指導要領解説 総合的な学習の時間編」を用いて解説を行います。平成30年7月に告示された最新版の学習指導要領では、「総合的な探求の時間」と名称が変更されたことにご留意ください。

1:平成27年7月告示「高等学校学習指導要領解説 総合的な学習の時間編」には、「学習指導要領第1章総則第4款の8に『総合的な学習の時間における学習活動により、特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合においては、総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる』」と示されています。
しかしながらその次の文で、「これは総合的な学習の時間についての記述であり、横断的・総合的な学習や探求的な学習が実施されていることが前提となっている。総合的な学習の時間において体験活動を実施した結果、学校行事として同様の成果が期待できる場合にのみ、特別活動の学校行事を実施したと判断してもよいことを示しているものである。特別活動の学校行事を総合的な学習の時間として安易に流用して実施することを許容しているものではない」と述べられていることから、1は誤りであると判断できます。

2:平成27年7月告示「高等学校学習指導要領解説 総合的な学習の時間編」にそのように示されているため、2は正解です。

3:問題文に記載されている育てようとする資質や能力及び態度は、「中学校学習指導要領解説 総合的な学習の時間編」に示されているものです。
高等学校のものではないため、3は誤りです。
ちなみに、高等学校学習指導指導要領 総合的な学習の時間の目標は、「横断的・総合的な学習や探求的な学習を通して、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決売る資質や能力を育成するとともに、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探求活動に主体的、創造的、協同的に取り組む態度を育て、自己の在り方生き方を考えることができるようにする」と示されています。

4:平成27年7月告示「高等学校学習指導要領解説 総合的な学習の時間編」には、「総合的な学習の時間の授業時数の配当については、卒業までを見通して3~6単位(105~210単位時数)を確保するとともに、学校や生徒の実態に応じて、適切に配当することとしている」と示されています。
学習指導要領で示されている内容と問題文の内容が一致しないため、4は誤りです。

5:平成27年7月告示「高等学校学習指導要領解説 総合的な学習の時間編」には「自然体験や就業体験活動、ボランティア活動などの社会体験、ものづくり、生産活動などの体験活動、観察・実験・実習、調査・研究、発表や討論などの学習活動を積極的に取り入れること」と示されています。
問題文で挙げられている「委員会活動や部活動などの生徒会活動」は、特別活動に含まれるため5は誤りです。

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