公立学校教員の過去問
平成30年度(H31年度採用)
共通問題 問6
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成30年度(H31年度採用) 共通問題 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
公立学校の教員の服務に関する記述として、法令に照らして適切なものは、次の1~5のうちのどれか。
- 教育公務員は、教育に関する専門職であることから、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事務に従事するに当たり、任命権者の許可は必要ない。
- 教育公務員が法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表することについて、地方公共団体の長は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。
- 教育公務員は、所属する地方公共団体の区域外において地域政党の役員となることはできるが、当該地方公共団体の公の選挙において投票するよう勧誘運動をすることはできない。
- 教育公務員は、その職の信用を傷付けるような行為をしてはならず、それらの行為に該当する事項に関する具体的な処分量定は国の基準で定めるものとされている。
- 教育公務員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:教育公務員特例法第17条には、「教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる」と規定されています。
任命権者の許可が必要なので、1は誤りです。
2:地方公務員法第34条には、「法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者の許可を受けなければならない」と規定されています。
教育公務員が職務上の秘密を公表するときは、任命権者の許可が必要とされているため、2は誤りです。
3:公務員の政治的行為の制限については、地方公務員法第36条に定められています。
地方公務員法第36条には、「職員は、政治的行為をしてはならない。ただし、当該職員の属する地方公共団体の区域外において、政治的行為をすることができる」と規定されていますが、教育公務員はそれには当てはまりません。教育公務員特例法第18条には、「公立学校の教育公務員の政治的行為の制限については、当分の間、地方公務員法第36条の規定にかかわらず、国家公務員の例による」と規定されているからです。
教育公務員特例法に記載されている「国家公務員の例」は、国家公務員法第102条のことを指しています。国家公務員法第102条には、「職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。職員は、公選による公職の候補者となることができない。職員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問、その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない」と規定されています。
教育公務員は国家公務員と同様に、区域内外に関わらず政治的行為に関わることは禁止されているため、3は誤りです。
4:地方公務員法第33条には、「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」と規定されています。そのため、前半部分は正しい表現です。しかしながら、同法第29条には、処分量定は「条例で定める」ものと規定されています。
国の基準で決めるものではないため、4は誤りです。
5:地方公務員法第37条にそのように規定されているため、5は正解です。
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02
正解は、5です。
1.誤りです。
教育公務員特例法第17条には「教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる。」とあります。
したがって、「本務の遂行に支障がないと任命権者において認める場合」に可能となるので、許可は必要ないという部分が誤りです。
2.誤りです。
教育公務員は地方公務員であり、地方公務員法第34条2項には、「法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者の許可を受けなければならない」とあります。
続く3項には「前項の許可は、法律に特別の定がある場合を除く外、拒むことができない。」ともあります。
したがって、拒むことができないのは、地方公共団体の長ではなく、【任命権者】が正しいです。
【参考】公立学校の校長及び教員の任命権者は、教育委員会の委員長です。(地方公務員法第6条)
3.誤りです。
教育公務員特例法第18条では、「公立学校の教育公務員の政治的行為の制限については、当分の間…国家公務員の例による。」としています。
この国家公務員の例とは、国家公務員法第102条の「職員は、…選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。」というものです。
人事院規則14-7の6項に「政治的行為の定義」が挙げられており、「政党その他の政治的団体の団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となること」(5号)、「投票するように又はしないように勧誘運動をすること」(8号)が含まれています。
したがって、教育公務員は地域政党の役員になること、また、投票するように勧誘運動をすることはできません。
4.誤りです。
地方公務員法第33条には「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」とあり、前半は正しいです。
しかし、第29条4項には「職員の懲戒の手続及び効果は、法律に特別の定がある場合を除く外、条例で定めなければならない。」とあります。
したがって、具体的な処分量定は、国の基準ではなく【条例】で定めるものとされている、が正しいです。
5.正しいです。
地方公務員法第37条第1項にある通りです。
【参考】「職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。」
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03
1:教育公務員特例法第17条によると、「教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができる」と定められています。
教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事務に従事する際には任命権者の許可が必要なので、1は誤りです。
2:地方公務員法第34条に「法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者の許可を受けなければならない」と定められています。
教育公務員が職務上の秘密を公表するときは、任命権者の許可が必要ですので、2は誤りです。
3:この問題については、地方公務員・教育公務員・国家公務員のそれぞれの法律を確認していく必要があります。
・地方公務員の政治的行為の制限
地方公務員法第36条には、「職員は、政治的行為をしてはならない。ただし、当該職員の属する地方公共団体の区域外において、政治的行為をすることができる」とあります。
地方公務員は地区に制限があるものの、政治的行為が可能です。
しかし教育公務員特例法第18条には、「公立学校の教育公務員の政治的行為の制限については、当分の間、地方公務員法第36条の規定にかかわらず、国家公務員の例による」と書かれています。
この国家公務員の例については、国家公務員法第102条に詳しく記載されています。
国家公務員法第102条によると、「職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない。職員は、公選による公職の候補者となることができない。職員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問、その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない」と定められています。
つまり教育公務員と国家公務員は、政治的行為に関わることは禁止されているため、3は誤りです。
地方公務員と教育公務員にはそれぞれに法律がありますので、注意が必要です。
4:地方公務員法第33条に「職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない」と記載されており、前半部分は正しいです。
しかし同法第29条には、処分量定は「条例で定める」ものと規定されています。
教育公務員の処分量定は国の基準ではないため、4は誤りです。
5:地方公務員法第37条の内容に合致するため、5は正答です。
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