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公立学校教員の過去問 平成30年度(H31年度採用) 共通問題 問16

問題

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心理学の研究に携わった人物と、それらの人物が携わった研究等の教育への影響に関する記述として適切なものは、次の1~5のうちのどれか。
   1 .
ヴントは、ライプチヒ大学の哲学部に心理学研究室を開設し、内観心理学に哲学的手法を取り入れた実験心理学を興した。彼の提唱した内観法は、日本の吉本伊信の内観療法に受け継がれ、教育においては自己を省察する効果的な方法として取り入れられている。
   2 .
ロジャーズは、「カウンセリングと心理療法」の中で顧客を意味するクライエントという語を用い、クライエント中心療法を唱えた。日本におけるカウンセリングの展開に大きな影響を与えたといわれ、教育の場においてもカウンセリングが取り入れられている。
   3 .
デューイは、意識の力動的な見地を強調し、心的機能を解体して、構成心理学における心的要素を重要視しなければならないことを説き、構成主義心理学を提唱した。この主張の背景にあるプラグマティズムの思想は教育実践の場面へと適用された。
   4 .
ウイトマーは、心理学は純粋な研究科学であるべきだと主張し、心理学に「臨床」という概念を導入することによって臨床心理学を提唱した。臨床心理学の精神測定法の開発によって知能検査などの実践研究の領域が進展し、教育界にも大きな影響を与えた。
   5 .
パールズは、ヴェルトハイマーが創始したゲシュタルト心理学に触発され、過去の体験や生育歴の探索に重点を置いたゲシュタルト療法を創始した。ゲシュタルト療法は自発的な感情や自己への気付きを喚起する方法として、教育の場においても取り入れられている。
( 公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成30年度(H31年度採用) 共通問題 問16 )
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この過去問の解説 (3件)

3
正答は2です。

1:ヴントは 実験心理学の父と称されるドイツの心理学者で、自分の精神の内面を観察する内観という方法を用いて意識を観察・分析し、意識の要素と構成法則を明らかにすべきであると提唱しました。

日本の吉本伊信の内観療法は、自分に深くかかわった他者に対し、
①お世話になったこと
②して返したこと
③ご迷惑かけたこと
を具体的に調べることで過去の人生の内省・自己中心性からの脱却・肯定的な自己認知を図るものです。

吉本伊信の内観療法は、ヴントから受け継がれたものではなく、仏教の求道法「身調べ」をもとに確立したため1は誤りです。

2:ロジャーズの提唱したクライエント中心療法(来談者中心療法)は、カウンセラーの無条件の肯定的関心・共感的理解・自己一致の実現を重視しています。
クライエント中心療法は児童生徒への個別の聞き取りをはじめ、教育現場では広く普及していますので、2は正答です。

3:デューイは機能主義心理学の提唱者です。
機能主義心理学とは、意識の機能や存在意義を問う心理学です。意識は環境へ適応し生きるための適応手段であるという考え方をもっています。

構成主義心理学は、複雑な意識過程を簡単な要素的感覚や感情に分解し、その組み合わせで説明しようとする心理学で、ヴントやティチナーが代表者です。
デューイは機能主義心理学の発展に貢献した人物ですので、3は誤りです。

4:ウイトマー(ウィットマー/ウィトマー)は、アメリカに生まれ、ドイツのヴントのもとで実験心理学を学び、心理クリニックを創設した人物です。
心理クリニックでは、主に学校での学習に適応できない子どもたちへのアセスメントや教育支援を行っていました。
心理学の歴史で初めて「臨床心理学」という言葉を用いた人物ですが、精神測定法を開発したわけではないため、4は誤りです。

5:パールズは、ゲシュタルト心理学や実存主義思想などをもとにゲシュタルト療法を創始したため、前半部分は正しいです。
ゲシュタルト療法では、「過去になにをしたか、それはなぜなのか」ではなく、「今ここでどのように話しているか・なにを話しているか」を重視していますので、5は誤りです。

付箋メモを残すことが出来ます。
2

正解はす。


1.誤りです。

 ヴントはドイツの心理学者で、実験心理学の父と呼ばれています。ライプチヒ大学の哲学教授であった1879年に実験心理学の研究室を作りました。専門である哲学の影響を受け、自分自身の精神状態を観察する内観法により、心理学を実験により直接研究できるものとしました。

 一方、吉本伊信が開発した内観療法は、「身調べ」という浄土真宗の修行法をもとに、自己観察を医療へ応用した治療法ですが、ヴントとの関連性はありません。よって、受け継がれたとする記述は誤りと言えます。


2.正しいです。

 ロジャーズが唱えたクライエント中心療法は、日本では1940年代より導入され、教育現場にカウンセリングの場が必要となってときにも積極的に取り入れられました。


3.誤りです。

 デューイは、心理現象をその機能において理解しようと試みる、機能主義心理学を提唱しました。

 構成主義心理学はデューイではなく、ヴントが提唱したものなので誤りです。

 なお、後半の「プラグマティズム」はデューイが影響を受けた思想です。


4.誤りです。

 ウイトマーは臨床心理学を提唱しましたが、「心理学は純粋な研究科学であるべきだ」はワトソンの行動主義心理学の主張ですので、誤りです。


5.誤りです。

 パールズはゲシュタルト療法を創始しましたが、その特徴は今、ここ」で起きていることに焦点を当てるところです。

 したがって、ゲシュタルト療法が「過去の体験や生育歴の探索に重点」を置いているという記述が誤りとなります。

2
正答は2です。

1:ヴントは、心理学の父とも呼ばれている人物です。ライプチッヒ大学に世界最初の心理学実験室を創設し、実験心理学研究の中心をなしました。
心理学が研究すべきは意識であるとし、意識を内観法で分析することを提唱しました。内観法は、被験者自身に被験者の「こころ」を観察して話させるという手法のことであり、構成主義心理学の立場をとります。
一方、日本の吉本伊信が提唱した内観療法は、お世話になった人にしてもらったこと等を段階的に想起させ、過去の人生の内省、自己中心性からの脱却、肯定的な自己認知を図るものです。
内観療法は、ヴントから受け継がれたものではなく、浄土真宗の一派に伝わる見調べという修行法がもとになっているため、1は誤りです。

2:ロジャーズは、クライエント中心療法(=非指示的カウンセリング)を唱えた人物です。従来までの指示的カウンセリングとは異なり、クライエント自らが自己理解し、自己実現への意欲を起こさせるように援助する形をとります。
問題文の通りなので、2は正解です。

3:デューイは、機能主義心理学に貢献した人物です。
機能主義心理学とは、「意識とはどのような機能があり、何のためにあるのか」を問う心理学です。心的現象とは、環境へ適応し生存するための機能(課題への適応、学習、問題解決)であり、習慣もまたその関連機能だとする考え方をもっています。
問題文で取り上げられている構成主義心理学は、「意識とは何から構成されているのか」「心とは何か」を問う心理学です。デューイは、構成主義心理学ではなく機能主義心理学の発展に貢献した人物のため、3は誤りです。

4:ウイトマーは、ヴントのもとで学び、心理クリニックを開設した人物です。
心理クリニックでは、主に知的障害や学習障害をもつ子どものアセスメントと教育支援を行っていました。心理学の歴史の中で、初めて「臨床心理学」という言葉を用いたことでも有名です。
精神測定法ではなく心理測定学(知能検査等)を開発した人物であるため、4は誤りです。

5:パールズは、ゲシュタルト療法の父と呼ばれている人物です。ヴェルトハイマーが創始したゲシュタルト心理学をもとに、ゲシュタルト療法を創始しました。
ゲシュタルト療法では、過去になにをしたか、それはなぜなのかを問うことはしません。「今、この場で何を話しているか」を問題にします。
過去の体験には重点を置かないため、5は誤りです。

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