公立学校教員の過去問
平成30年度(H31年度採用)
共通問題 問17
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 平成30年度(H31年度採用) 共通問題 問17 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述ア・イの下線部は、ある適応機制が表われた場面を示したものである。ア・イと、適応機制に関する記述A~Dとの組合せとして最も適切なものは、下の1~5のうちではどれか。
ア 生徒Xは、運動系の部活動に所属しており、選手として活躍していた。ある日、他校との試合において、生徒Xのミスが原因で、チームは敗戦してしまった。試合後の反省会で、生徒Xは「不慣れな試合会場だったし、途中で雨が降ってきていつもの力が出し切れなかった。」と言った。
イ 生徒Yは、数学のテストで100点を取れるかどうかをとても気にしていた。しかし、返却されたテストは残念ながら95点だった。そのとき、98点を取った生徒Zが、100点を取れなかったことを周囲に話し、とても悔しがっていた。それを見た生徒Yは、近くにいた別の生徒に生徒Zの行動を「点数にこだわりすぎでみっともない。」と言った。
A 克服困難な状況に対して合理的な解決を避けること。
B 自分の弱点や失敗に対してもっともらしい理屈づけをすること。
C 欲求不満を生じさせている対象を直接攻撃して、その障壁を取り除くこと。
D 自分のもっている好ましくない特質を他者の中に見出して、それを非難すること。
ア 生徒Xは、運動系の部活動に所属しており、選手として活躍していた。ある日、他校との試合において、生徒Xのミスが原因で、チームは敗戦してしまった。試合後の反省会で、生徒Xは「不慣れな試合会場だったし、途中で雨が降ってきていつもの力が出し切れなかった。」と言った。
イ 生徒Yは、数学のテストで100点を取れるかどうかをとても気にしていた。しかし、返却されたテストは残念ながら95点だった。そのとき、98点を取った生徒Zが、100点を取れなかったことを周囲に話し、とても悔しがっていた。それを見た生徒Yは、近くにいた別の生徒に生徒Zの行動を「点数にこだわりすぎでみっともない。」と言った。
A 克服困難な状況に対して合理的な解決を避けること。
B 自分の弱点や失敗に対してもっともらしい理屈づけをすること。
C 欲求不満を生じさせている対象を直接攻撃して、その障壁を取り除くこと。
D 自分のもっている好ましくない特質を他者の中に見出して、それを非難すること。
- ア - A イ - C
- ア - A イ - D
- ア - B イ - C
- ア - B イ - D
- ア - C イ - D
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この過去問の解説 (3件)
01
ア 生徒Xは「不慣れな試合会場だったし、途中で雨が降ってきていつもの力が出し切れなかった。」と言っており、自らの失敗に理屈をつけて正当化するという「合理化」のBに当てはまります。
イ 生徒Yは、生徒Zと同様に100点を取れなかったことをとても悔しがっていました。
生徒Yは、自分のもっている特質(100点を取れなかったことをとても悔しがる)を他者である生徒Zに見出し、「点数にこだわりすぎでみっともない。」と非難していますので、「投影(投射)」のDに当てはまります。
<参考>
適応機制(防衛機制)とは、欲求が満たされそうにないときや自分にとって不都合な事態となることを避けたいとき、心身の緊張や不安・悩みなどをやわらげ、心の安定を保とうとする心の働きです。
適応機制には、以下の種類があります。
・抑圧:不快な体験や認めたくないものを、無意識の世界に追いやること。
・同一視:理想の他者の価値観や態度を取り入れその他者と同化しようとすること。
・補償:自己の不満を他の面で努力してカバーすること。(社会的意義のある「補償」は「昇華」)
・合理化:理屈をつけて正当化すること。
・投影(投射):自分の中の認めたくない感情を他人が持っていると認知すること。
・代償:達成したい欲求を叶えられないとき、その欲求が向けられている対象と類似した別の対象に置き換えることで不満を解消をすること。
・退行:解決が困難な状況で、未発達な段階の適応によって安易な解決を図ること。(赤ちゃん返り)
・逃避:困難な状況に向き合わず逃げること。
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02
正解は4(ア - B、イ - D)です。
適応機制とは、不安やストレスにさらされた時に自分を守るために働く機能のことです。
つまり、本問では、ストレスがかかる状況に対して「どのように反応しているか?」に注目して分類します。
ア.生徒Xは自分のミスで試合に負けてしまった、というストレスがかかっています。
それに対し、「不慣れな試合会場だったし、途中で雨が降ってきていつもの力が出し切れなかった。」と、ミスの原因は自分以外のところにあった、と考えるようになっています。
つまり、Bの「自分の弱点や失敗に対してもっともらしい理屈づけをすること」に該当します。
イ.生徒Yは数学で満点が取れなかった、というストレスがかかっています。
それに対し、生徒Yと同じように満点が取れず悔しがる生徒Zを「点数にこだわりすぎでみっともない」と非難しています。
つまり、Dの「自分のもっている好ましくない特質を他者の中に見出して、それを非難すること」に該当します。
ちなみにCは、生徒Yの欲求不満はテストの結果に対する不満であり、生徒Zが「欲求不満を生じさせている対象」ではないので、適切ではないと判断できます。
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03
ア:もっともらしい理由をつけて自己を正当化する「合理化」にあたります。「合理化」の説明をしているのは、Bです。
イ:自分の中の嫌な部分から目をそらし、他者にその嫌な部分を投影する「投射」にあたります。「投射」の説明をしているのは、Dです。
アはBをさし、イはDをさしているため、4が正解です。
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