公立学校教員の過去問
令和元年度(令和2年度採用)
中学校に関する問題 問27

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問題

公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和元年度(R2年度採用) 中学校に関する問題 問27 (訂正依頼・報告はこちら)

「中学校における特別支援教室の導入 ガイドライン」(東京都教育委員会 平成30年2月)に基づく特別支援教室に関する記述として適切なものは、次の1〜5のうちのどれか。
  • 中学校で初めて特別支援教室の指導の開始を申請する場合、中学校の在籍学級担任や教科担任等からの気付きに基づき、巡回指導教員が当該生徒の特別な支援の程度について判断し、区市町村教育委員会に特別支援教室での指導の開始について申請する。その後、区市町村教育委員会の判定会議の決定を受けて指導を開始する。
  • 特別支援教室で行う指導の目的は、これまで情緒障害等通級指導学級で行われてきた指導とは異なり、在籍学級において対象生徒が抱えている学習上又は生活上の困難さを改善することによって、在籍学級で有意義な学校生活を送れるようになることである。したがって、指導においては中学校学習指導要領を参考にして指導内容を計画しなければならない。
  • 特別支援教室に期待される効果として、生徒の学習能力の向上や在籍学級における集団適応能力の伸長が挙げられる。これは巡回指導教員が、生徒の障害の状態について在籍学級担任や教科担任等と共通理解をもち、協働して指導することによって、生徒の障害の状態に応じた特別な指導を実施できるようになることによるものである。
  • 特別支援教室専門員は、校内における連絡・調整や巡回指導教員との連絡・調整が主であるが、生徒の指導を行うこともあることから、中学校教育や学校運営への理解が求められる。このため、特別支援教室専門員は、教員として勤務経験があって、特別支援教育に理解があり、中学校の実情に精通している者でなければならない。
  • 特別支援教室導入の成果は、特別な指導を行ったことにより、どれだけ指導の終了に結び付けることができたかの視点で捉えることも重要である。したがって、一定の期間、特別支援教室における指導を行った後は、速やかに在籍学級のみでの指導・支援に切り替え、巡回指導教員は在籍学級担任や教科担任と連携して当該生徒の行動観察を行う。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答は3です。

1:ガイドラインには、中学校で初めて特別支援教室の指導を申請する場合、「原則、小学校の特別支援教室での指導を開始する手順と同様であり、中学校の在籍学級担任や教科担任等からの気付きに基づき、校内委員会で当該生徒の特別な支援の程度について検討し、学校が区市町村教育委員会に特別支援教室での指導の開始について申請する。その後、区市町村教育委員会の判定会議の決定を受けて指導を開始する」と示されています。
「巡回指導教員が当該生徒の特別な支援の程度について判断」するのではなく、「校内委員会で当該生徒の特別な支援の程度にについて検討」すると述べられているため、1は誤りです。

2:ガイドラインには、「特別支援教室の指導は、これまでも情緒障害等通級指導学級で行われてきた対象生徒に対する指導と同様である。その目的は、崎咳学級において対象生徒が抱えている困難さを改善することによって、在籍学級で有意義な学校生活を送れるようになることである。この困難さとは、障害による傷害による学習上又は生活上の困難であり、特別支援学校学習指導要領の自立活動を参考にして指導内容を計画していかなけえばならない」と示されています。
特別支援教室で行う指導は、これまで情緒障害等通級指導学級で行われてきた指導と「異なる」のではなく「同様」であり、指導においては「中学校学習指導要領」ではなく「特別支援学校学校学習指導要領」を参考にして指導内容を計画していかなければならないと述べられているため、2は誤りです。

3:ガイドラインにそのように示されているため、3は正解です。

4:ガイドラインには、「特別支援教室専門員は、校内における連絡・調整や指導の記録を行うことから、中学校教育や学校運営への理解が求められる。このため、教員として勤務経験がある者、若しくは教員免許を有する者が望ましい。また、中学校の実情に精通している者も対象となり得る」と示されています。
特別支援教室専門員は、生徒の指導を行うことはないため、4は誤りです。

5:ガイドラインには、指導終了の考え方として「特別支援教室利用については、生徒個々の授業開始当初の課題が改善・克服され、全ての時間、通常の学級で指導を受けられるように指導を行う必要がある。したがって、特別支援教室における指導終了の時期についても明確にしておくことが求められる」と示されています。
また、ガイドラインでは、『平成28年度 中学校における特別支援教室モデル事業実施要項』の要点を抜粋し、次のように説明されています。

「特別支援教室の指導の終了」
1 特別支援教室での指導課題について改善が確認され、特別支援教室での指導の必要性がなくなった生徒
2 特別支援教室での指導を一定期間実施した結果、特別支援教室以外の指導等について、検討する必要がある生徒
 特別支援教室での指導を一定期間(長期間)行っても、課題の改善が十分に認められない場合は、学習内容・方法や、対象者が授業内容を理解し達成感を持ちながら充実した時間を過ごすことのできる学びの場について検討する。
3 特別な事情や妥当な理由等がなく、特別支援教室での指導を相当期間中断している生徒
 特別な事情や妥当な理由がなく、長期にわたって特別支援教室における指導が中断している場合には、指導の終了について校内委員会で検討する。

このように、特別支援教室の終了までには、段階的なプロセスを踏むことが必要であり、問題文で説明されているように、一定の期間、特別支援教室における指導を行った後は、速やかに在籍学級のみでの指導・支援に切り替えるというのは不適切であるため、5は誤りです。

参考になった数3

02

正答は3です。

以下、「中学校における特別支援教室の導入 ガイドライン」(東京都教育委員会 平成30年2月)を引用しながら解説します。


1:中学校で初めて特別支援教室の指導を開始する場合について、ガイドラインでは以下のように言及しています。
「原則、小学校の特別支援教室での指導を開始する手順と同様であり、中学校の在籍学級担任や教科担任等からの気付きに基づき、校内委員会で当該生徒の特別な支援の程度について検討し、学校が区市町村教育委員会に特別支援教室での指導の開始について申請する。その後、区市町村教育委員会の判定会議の決定を受けて指導を開始する」

「巡回指導教員が当該生徒の特別な支援の程度について判断」するのではなく、「校内委員会で当該生徒の特別な支援の程度にについて検討」するのが正しいため、1は誤りです。


2:特別支援教室での指導について、ガイドラインでは以下のように言及しています。
「特別支援教室の指導は、これまでも情緒障害等通級指導学級で行われてきた対象生徒に対する指導と同様である。その目的は、在籍学級において対象生徒が抱えている困難さを改善することによって、在籍学級で有意義な学校生活を送れるようになることである。この困難さとは、障害による傷害による学習上又は生活上の困難であり、特別支援学校学習指導要領の自立活動を参考にして指導内容を計画していかなければならない」

特別支援教室の指導は、情緒障害等通級指導学級で行われてきた指導と「同様」であり、「中学校学習指導要領」ではなく「特別支援学校学校学習指導要領」を参考にして指導内容を計画していくことが正しいため、2は誤りです。


3:ガイドラインの内容に合致するため、3は正しいです。


4:特別支援教室専門員について、ガイドラインでは以下のように言及しています。
「特別支援教室専門員は、校内における連絡・調整や指導の記録を行うことから、中学校教育や学校運営への理解が求められる。このため、教員として勤務経験がある者、若しくは教員免許を有する者が望ましい。また、中学校の実情に精通している者も対象となり得る」

特別支援教室専門員は「生徒の指導を」するのではなく、「生徒の指導を記録」するのが正しいため、4は誤りです。


5:特別支援教室導入の成果および終了については、ガイドラインの巻末資料「指導終了の考え方」に記載があります。

〈指導終了の考え方〉
「特別支援教室利用については、生徒個々の授業開始当初の課題が改善・克服され、全ての時間、通常の学級で指導を受けられるように指導を行う必要がある。したがって、特別支援教室における指導終了の時期についても明確にしておくことが求められる」

また、特別支援教室の指導の終了については、以下の段階で判断します。

1 特別支援教室での指導課題について改善が確認され、特別支援教室での指導の必要性がなくなった生徒
2 特別支援教室での指導を一定期間実施した結果、特別支援教室以外の指導等について、検討する必要がある生徒
 特別支援教室での指導を一定期間(長期間)行っても、課題の改善が十分に認められない場合は、学習内容・方法や、対象者が授業内容を理解し達成感を持ちながら充実した時間を過ごすことのできる学びの場について検討する。
3 特別な事情や妥当な理由等がなく、特別支援教室での指導を相当期間中断している生徒
 特別な事情や妥当な理由がなく、長期にわたって特別支援教室における指導が中断している場合には、指導の終了について校内委員会で検討する。

つまり、特別支援教室の終了までには、上記の段階的なプロセスがあります。
問題文の「一定の期間、特別支援教室における指導を行った後は、速やかに在籍学級のみでの指導・支援に切り替える」という記述は適切でないため、5は誤りです。

参考になった数1

03

正答は3です。

1:本文に記載がありませんが、「保護者からの気づき」も当然有効です。

その上で、特別支援教育を実施するための、各学校における体制の整備及び取組として、「特別支援教育の 推進について(通知)」(平成 19 年4月1日付 19 文科初第 125 号)により、特別支援教育コーディ ネーターの指名とともに、「校長のリーダーシップの下、全校的な支援体制を確立し、発達障害を含 む障害のある幼児児童生徒の実態把握や支援方策の検討等を行うため、校内に特別支援教育に関する委員会を設置すること」としています。

「区市町村教育委員会の判定会議」の有無は関係ないため、誤りです。

2:■ 第5章 指導内容と方法 ■の、【1 特別支援教室での指導/(1) 特別支援教室で行う指導とは】の中で、「特別支援教室の指導は、これまでも情緒障害等通級指導学級で行われてきた対象生徒に対する指導 と同様である。」と明記されているため、
本文にある「情緒障害等通級指導学級で行われてきた指導とは異なり」という部分は誤りです。

3:本文の通りで、正答です。

4:特別支援専門員とは・・・都内公立小学校・中学校において、特別支援教室の円滑な運営に必要な業務(連絡調整、児童の行動観察及び指導記録の作成・報告、個別の課題に応じた教材作製)及び関係事務処理をします。

「生徒の指導を行うこともある」という部分が誤りです。

5:巻末資料に「指導終了の考え方」を以下のようにまとめられています。

特別支援教室利用については、生徒個々の指導開始当初の課題が改善・克服され、全ての時間、通常の学級で指導を受けられるように指導を行う必要がある。 したがって、特別支援教室における指導の終了の時期についても明確にしておくことが求められる。そこで、以下の事項に該当する場合、特別支援教室における指導は終了することとした。

1 特別支援教室での指導課題について改善が確認され、特別支援教室での指導の必要性が なくなった生徒
2 特別支援教室での指導を一定期間実施した結果、特別支援教室以外の指導等について、 検討する必要がある生徒
特別支援教室での指導を一定期間(長期間)行っても、課題の改善が十分に認められない 場合は、学習内容・方法や、対象者が授業内容を理解し達成感を持ちながら充実した時間を過 ごすことのできる学びの場について検討する。
3 特別な事情や妥当な理由等がなく、特別支援教室での指導を相当期間中断している生徒 特別な事情や妥当な理由がなく、長期にわたって特別支援教室における指導が中断している場合には、指導の終了について校内委員会で検討する。

よって、「速やかに在籍学級のみでの指導」という部分は誤りです。

参考になった数0