公立学校教員の過去問
令和2年度(令和3年度採用)
共通問題 問16
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和2年度(R3年度採用) 共通問題 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述 ア 〜 エ のうち、「ESD(持続可能な開発のための教育)推進の手引」(文部科学省国際統括官付日本ユネスコ国内委員会 平成 30年 5月改訂)に照らして正しいものを選んだ組合せとして適切なものは、下の選択肢のうちのどれか。
ア ESDとは、「人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保できるよう、気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大等、人類の開発活動に起因する現代社会における様々な問題を、各人が自らの問題として主体的に捉え、身近なところから取り組むことで、それらの問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、もって持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動」である。
イ ESDは、持続可能な社会の担い手づくりを通じて、ミレニアム開発目標の 17 全ての目標の達成に貢献するものであり、全ての学習者が持続可能な開発を促進するために必要なプログラミング的思考を身に付けることを目指すものである。また、ESDは今後の教育を方向付ける概念であり、「国連ESDの 10年」を提唱した我が国としても、一層の推進が求められている。
ウ 幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の前文に、「持続可能な社会の創り手」の育成が掲げられており、各教科等においても、関連する内容が盛り込まれた。
エ 「国連持続可能な開発のための教育の 10年」実施計画では、学び方・教え方について、指導者は、教育や学習の活動の場で学習者の理解の深化を重視することが大切であり、学習の対象者全てに一斉に同じ方法で教えるよう努めることと示されている。
ア ESDとは、「人類が将来の世代にわたり恵み豊かな生活を確保できるよう、気候変動、生物多様性の喪失、資源の枯渇、貧困の拡大等、人類の開発活動に起因する現代社会における様々な問題を、各人が自らの問題として主体的に捉え、身近なところから取り組むことで、それらの問題の解決につながる新たな価値観や行動等の変容をもたらし、もって持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習・教育活動」である。
イ ESDは、持続可能な社会の担い手づくりを通じて、ミレニアム開発目標の 17 全ての目標の達成に貢献するものであり、全ての学習者が持続可能な開発を促進するために必要なプログラミング的思考を身に付けることを目指すものである。また、ESDは今後の教育を方向付ける概念であり、「国連ESDの 10年」を提唱した我が国としても、一層の推進が求められている。
ウ 幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の前文に、「持続可能な社会の創り手」の育成が掲げられており、各教科等においても、関連する内容が盛り込まれた。
エ 「国連持続可能な開発のための教育の 10年」実施計画では、学び方・教え方について、指導者は、教育や学習の活動の場で学習者の理解の深化を重視することが大切であり、学習の対象者全てに一斉に同じ方法で教えるよう努めることと示されている。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2(ア・ウ)です。
ア.手引きの中では、「我が国における「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するグローバル・アクション・プログラム」実施計画(ESD 国内実施計画)」において、ESDをそのように定義されているとあるので、アは正しい記述です。
イ.「持続可能な世界を実現するための17の目標」はミレニアム開発目標ではなく「持続可能な開発目標(SDGs)」です。
SDGsでは教育に関連する目標として、目標4に、「持続可能な開発のための教育…を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。」とあります。
「プログラミング的思考」ではなく「必要な知識及び技能」の習得を目指しており、イの記述は誤りといえます。
ウ.2016年12月に発表された中央教育審議会の答申には「持続可能な開発のための教育(ESD)は次期学習指導要領改訂の全体において基盤となる理念である」とあります。
2017年3月に公示された幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領において、さらに2018年3月に公示された高等学校学習指導要領において、「持続可能な社会の創り手」の育成が掲げられており、ウの記述は正しいです。
エ. 「国連持続可能な開発のための教育の 10 年」実施計画では、学び方・教え方について、「関心の喚起→理解の深化→参加する態度や問題解決能力の育成を通じて『具体的な行動』を促すという一連の流れの中に位置づけること」とあります。
その上で「教育や学習の対象者すべてに一斉に同じ方法をとるのではなく、可能な限り一対一の対話を重視して行うよう努めること」とあります。
「一斉に同じ方法で」ではなく「一対一の対話を重視して行なう」とありますので、エの記述は誤りといえます。
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02
イ:「ESD(持続可能な開発のための教育)推進の手引」より、問題文「ミレニアム開発目標(MDGs)」は「持続可能な開発目標(SDGs)」が正しい記述となります。
また、「プログラミング的思考を身に付ける」という記述はないため、イは誤った記述となります。
ウ:「ESD(持続可能な開発のための教育)推進の手引」の内容に合致するため、ウは正しい記述となります。
エ:「ESD(持続可能な開発のための教育)推進の手引」より、「学習の対象者全てに一斉に同じ方法で教える」ではなく、「一斉授業だけではなく、グループ活動などの協働的な活動や、体験的な活動などを取り入れる」よう努めることが重要だと示されています。よって、エは誤りとなります。
以上より、アとウが正しい記述となるため、正答は2となります。
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03
「ESD(持続可能な開発のための教育)推進の手引」を引用して解説します。
ア:「―ESD の推進が求められる背景― ESD:持続可能な社会の担い手を育てる教育」の内容に合致するため、正しいです。
イ:「―ESD の推進が求められる背景― 世界でも注目の ESD 」で以下のように述べられています。
これまで国連では、…2015 年までに達成すべき8つの目標をミレニアム開発目標(MDGs)として掲げ、取組を行ってきました。…その MDGs の後継として今回採択された SDGs では、教育へのアクセスだけでなく、教育の質の向上にも重点を置いています。…ESDは持続可能な社会の担い手づくり を通じて、17全ての目標の達成に貢献するものです。2017年12月の国連総会決議では、ESDが「質の高い教育に関する持続可能な開発目標に不可欠な要素であり、その他の全ての持続可能な開発目標の実現の鍵」であることが確認されました。
「ミレニアム開発目標(MDGs)」ではなく「持続可能な開発目標(SDGs)」、「プログラミング的思考を身に付ける」という記載は無いため、誤りです。
ウ:「―ESD の推進が求められる背景― 新しい学習指導要領等の全体の基盤となる理念である ESD」の内容に合致するため、正しいです。
エ:「―ESD の推進が求められる背景― ESD:持続可能な社会の担い手を育てる教育」に以下のように述べられています。
また、学び方・教え方としては、児童・生徒の主体的な学びも重要です。一斉授業だけではなく、グループ活動などの協働的な活動や、体験的な活動などを取り入れることを通して、児童生徒の主体的な学びを引き出す工夫が求められます。
上記で一斉授業だけではなく児童・生徒の主体的な学びも重要であると示されているため、誤りです。
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