公立学校教員の過去問
令和3年度(令和4年度採用)
共通問題 問14

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問題

公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和3年度(R4年度採用) 共通問題 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

「教育支援資料~障害のある子供の就学手続と早期からの一貫した支援の充実~」(文部科学省 初等中等教育局特別支援教育課 平成25年10月)に関する記述として適切なものは、次の1~5のうちのどれか。
  • 自閉症とは、他人との社会的関係の形成の困難さや、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする発達の障害である。その特徴は、6歳ごろに現れ、すぐに問題が顕在化する。中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されている。
  • 学習障害とは、基本的には、全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書くなどの能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す状態のことである。原因としては、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定され、視覚障害や聴覚障害、知的障害などの障害や、環境的な要因が直接的な原因とされている。
  • 情緒障害とは、状況に合わない感情・気分が持続し、不適切な行動が引き起こされ、それらを自分の意思ではコントロールできないことが継続し、学校生活や社会生活に適応できなくなる状態のことである。情緒障害の状態の現れ方は様々であるが、情緒障害のある子供の教育の目的は、心理的な要因による選択性かん黙等などによる適応不全の改善を中心としている。
  • 言語障害とは、話し言葉によるコミュニケーションが円滑に進まず、社会生活上不都合な状態であることをいう。話す、聞く等の言語機能の基礎的事項に発達の遅れや偏りはあるが、聴覚障害のある者、知的発達に遅れのある者は含まれないので、全ての児童・生徒が小・中学校の通常の学級での指導となる。
  • 注意欠陥多動性障害とは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、又は衝動性・多動性を特徴とする障害であり、学習障害や自閉症を併せ有することはないが、社会的な活動や学校生活を営む上で著しい困難を示す状態のことである。通常7歳以前に現れ、その状態が継続するとされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

以下の解説は教育支援資料より引用します(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1340250.htm

1.誤りです。

 「8.自閉症」の冒頭で、自閉症について「その特徴は,3歳くらいまでに現れることが多いが,小学生年代まで問題が顕在しないこともある。」と説明しています。

 「6歳ごろに現れ、すぐに問題が顕在化する」という記述が誤りで、他の部分は正しい記述です。

2.誤りです。

 「9.学習障害」の「5 学習障害の理解と障害の状態の把握」「(1) 学習障害について ① 学習障害の概要」には、「学習障害の原因として,中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されるが,視覚障害,聴覚障害,知的障害,情緒障害などの障害や,環境的な要因が直接的な原因となるものではない。」とあります。

 「直接的な原因とされている」という記述は誤りです。

3.正しいです。

 「7.情緒障害」の記述の内容と合致しています。

4.誤りです。

 「6.言語障害」の「3 言語障害のある子供の教育の場と提供可能な教育機能」では、「(言語障害のある)子供の中には,聴覚障害のある者,知的発達に遅れのある者なども含まれている。このような主たる障害に伴って生じる言語機能の基礎的事項に遅れや偏りのある子供に対しては,主たる障害に対応した教育の場において適切な指導を行う必要がある。」としています。

 「全ての児童・生徒が…通常の学校での指導となる」という記述は誤りです。

5.誤りです。

 「10.注意欠陥多動性障害」の「5 注意欠陥多動性障害の理解と障害の状態の把握」では、「③ 注意欠陥多動性障害の特性」として、「学習障害や自閉症を併せ有する場合があり」とあります。

 「学習障害や自閉症を併せ有することはない」とする記述は誤りです。

 その他は「注意欠陥多動性障害の概要」の記述に合致しています。

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02

選択肢1→不正解です。

文部科学省のホームページ「特別支援教育」の「4.障害に配慮した教育」「(7)自閉症・情緒障害教育」では、「自閉症とは、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする発達の障害です。その特徴は、3歳くらいまでに現れることが多いですが、小学生年代まで問題が顕在しないこともあります。中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されています。」とあります。なので、現れるのは「6歳」ではなく「3歳」、問題は「すぐに」顕在化せず「小学生年代まで問題が顕在しない」こともあるという部分が間違いです。

選択肢2→不正解です。

平成11年7月の「学習障害児に対する指導について(報告)」内で、「学習障害の定義」は「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す」とあります。なので、選択肢の文では「計算する」能力と「推論する」能力についての記述が不足しています。また、「視覚障害、聴覚障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」と書かれているので、選択肢の文の「原因とされている」の部分が間違っています。

選択肢3→正解です。

文部科学省のホームページ「特別支援教育」の「4.障害に配慮した教育」「(7)自閉症・情緒障害教育」では、情緒障害の定義について選択肢の文と同じ記述が見られます。また、「情緒障害に応じた教育的対応」の中で、「選択性かん黙等の児童生徒については、社会的適応のための指導を行っています。」とあるので、ほぼ同じ文言だと判断できます。

選択肢4→不正解です。

文部科学省のホームページ「特別支援教育」の「4.障害に配慮した教育」「(6)言語障害教育」の中にある「通級による指導」「障害の程度」で「通常の学級での学習におおむね参加でき、一部特別な指導を必要とする程度のもの」とされています。なので、選択肢の文章にある「全て」「通常の学級での指導」ではなく、一部が個別指導などの特別な指導になります。

選択肢5→不正解です。

文部科学省のホームページ「障害のある子供の教育支援の手引~子供たち一人一人の教育的ニーズを踏まえた学びの充実に向けて~」内には、「注意欠陥多動性障害や学習障害、自閉症を併せ有する場合がある」と述べられているので、選択肢の文章にある「学習障害、自閉症を併せ有することはない」という文言は間違いです。

参考になった数1

03

正解は  です。

以下の解説は、文部科学省HPにある【教育支援資料】を引用しています。

1.誤りです。

 【8 自閉症】に以下のことが書かれています。

 ・自閉症の特徴は、3歳くらいまでに現れることが多いが、

  小学生年代まで問題が顕在しないこともある。

 よって、選択肢の文の「6歳ごろ」が誤りとなります。

2.誤りです。

 【9 学習障害】に以下のことが書かれています。

 

 ・学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの要因による

  機能不全があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、

  情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接的な原因となるものではない。

よって、選択肢の文の「環境的な要因が直接的な原因とされている」が

誤りとなります。

3.正しいです。

 【7 情緒障害】に書かれている内容と一致しています。

4.誤りです。

 【6 言語障害】に以下のことが書かれています。

  

 ・言語障害のある子供の中には、話す、聞く等の言語機能の基礎的事項に

  発達の遅れや偏りのある者がいる。

  このような子供の中には、聴覚障害のある者、

  知的発達に遅れのある者なども含まれている。

 

 ・言語機能の基礎的事項に遅れや偏りのある子供に対しては、

  主たる障害に対応した教育の場において適切な指導を行う必要がある。

 よって、選択肢の文の「聴覚障害のある者、知的発達に遅れのある者は…」

 の部分からが誤りとなります。

5.誤りです。

 【10 注意欠陥多動性障害】に以下のことが書かれています。

 

 ・注意欠陥多動性障害は、中枢神経系に何らかの要因による機能不全が

  あると推定されており、学習障害や自閉症を併せ有する場合がある。

  よって選択肢の文の「学習障害や自閉症を併せ有することはない」が

  誤りとなります。

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