公立学校教員の過去問
令和3年度(令和4年度採用)
共通問題 問18
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和3年度(R4年度採用) 共通問題 問18 (訂正依頼・報告はこちら)
発達に関する記述として適切なものは、次の1~5のうちのどれか。
- ヴィゴツキーは、発達過程にみられる特徴的な段階を八つのライフ・サイクルに区分し、思春期から青年期は、現実的に予想される将来に向けて、アイデンティティを確立する時期であると説いた。
- シュテルンは、認知の発達の過程を感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期の四つの段階に分け、発生的認識論の観点に立ち、発達を環境への適応過程として認知の発達を中心にした発達理論を説いた。
- エリクソンは、発達は生まれつきの素質だけの展開ではなく、また単に外部環境の影響だけで成立するものでもないと考え、遺伝要因と環境要因が加算的に作用して発達に影響を及ぼすとする輻輳説を説いた。
- ゲゼルは、訓練・学習のような経験よりも神経系の成熟が発達に重要な要因であるとし、訓練・学習が効力を発揮するには、その成熟にとって適切なレディネスが備えられていることが必要であるという成熟優位説を説いた。
- ピアジェは、子供の発達は他者との共同から次第に自分一人でというような筋道をたどると考え、子供がある課題を一人で解ける発達の水準と大人の指導や自分より能力が高い者と共同して解ける発達の水準の隔たりのことを、発達の最近接領域に関する理論として説いた。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は4です。
1.誤りです。
発達過程にみられる特徴的な段階を八つのライフ・サイクルに区分し、その年齢に応じた段階ごとに直面する課題をクリアしていくことで成長する、という発達段階説を唱えたのは「エリクソン」です。
2.誤りです。
認知の発達の過程を四つの段階に分ける、認知発達段階説を唱えたのは「ピアジェ」です。
3.誤りです。
発達は遺伝要因と環境要因が相互に作用するとする輻輳説を唱えたのは「シュテルン」です。
4.正しいです。
ゲゼルは、発達には適切なレディネス(学習可能となる準備段階)があるという成熟優位性を唱えました。
5.誤りです。
子どもが一人で解ける問題を解くよりも、大人の指導によって解ける問題を解いた方が成長に資する、という考え方から、この2つの水準の隔たりを具体的に「発達の最近接領域に関する理論」として唱えたのが「ヴィゴツキー」です。
【傾向と対策】
このような問題の場合、誤ってる4つの選択肢に出てくる4人は入れ替わっているだけのことが多いです。
ですので、全てを覚えてなくても、いくつかの人物と解説の組み合わせを覚えているなら、消去法で正解に近づけます。
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02
正解は 4 です。
1.誤りです。
これは、エリクソンに関する記述です。
エリクソンは、『心理社会的発達理論』を提唱し、
その中で発達段階を「乳児期」「幼児前期」「幼児後期」「学童期」
「青年期」「成人期」「壮年期」「老年期」の8つに分け、
発達理論を唱えました。
また、アイデンティティの概念を生み出したのもエリクソンです。
2.誤りです。
これは、ピアジェに関する記述です。
ピアジェは、認知の発達過程を4段階に分け、発達理論を唱えました。
3.誤りです。
これは、シュテルンに関する記述です。
シュテルンは『輻輳説(ふくそうせつ)』を提唱しました。
4.正しいです。
ゲゼルは、『成熟優位説』を提唱しました。
5.誤りです。
これは、ヴィゴツキーに関する記述です。
ヴィゴツキーは『発達の最近接領域』について提唱しました。
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03
選択肢1→不正解です。
「八つのライフ・サイクルに区分」したのはエリクソンで、「乳児期」「幼児前期」「遊戯期」「学童期」「青年期」「初期成人期」「壮年期」「老年期」の8つに分けました。「ヴィゴツキー」は、「発達の最近接領域」について提唱しました。
選択肢2→不正解です。
「認知の発達の過程」を4つに分けたのは「ピアジェ」です。「シュテルン」は人間の発達について、「遺伝要因」と「環境要因」のどちらも大事であるという「輻輳説」を提唱しました。
選択肢3→不正解です。
「エリクソン」は、発達の過程を8つのライフ・サイクルに区分しました。「輻輳説」を提唱したのは「エリクソン」ではなく、「シュテルン」です。
選択肢4→正解です。
「ゲゼル」は、「成熟優位説」を提唱しました。その中で、「人は適切な成熟を待たなければ、教育や訓練の効果はない。」とし、適切な成熟段階を「レディネス」と呼びました。
選択肢5→不正解です。
「発達の最近接領域」について述べたのは、「ピアジェ」ではなく「ヴィゴツキー」です。「ピアジェ」は、発達段階を「感覚運動期」「前操作期」「具体的操作期」「形式的操作期」の4つに分けました。
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