公立学校教員の過去問
令和5年度(R6年度採用)
共通問題 問3
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和5年度(R6年度採用) 共通問題 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
教科用図書等に関する記述として、法令に照らして適切なものは、次のうちのどれか。
- 学校は、毎年度、義務教育諸学校の児童及び生徒が各学年の課程において使用する教科用図書を購入し、義務教育諸学校の設置者に無償で給付するものとする。
- 11月に転学した児童又は生徒は、転学後に使用する教科用図書が転学前に給与を受けた教科用図書と同一の場合であっても、当該教科用図書が再度無償で給与される。
- 教科用図書以外の教材は、有益適切なものであっても、これを使用することができない。
- 義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択は、当該教科用図書を使用する年度の前年度の9月30日までに行わなければならない。
- 都道府県の教育委員会は、毎年、文部科学大臣の指示する時期に、教科書展示会を開かなければならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
教科用図書等に関する問題です。
(教科書とは)
教科書は正式には「教科用図書」といい、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校などの学校で教科を教える中心的な教材として使われる児童生徒用の図書のことです。我が国では学校教育における教科書の重要性を踏まえ、原則として上記の学校では文部科学大臣の検定に合格した教科書を使用しなければなりません。
(教科書が使用されるまで)
1年目 編集:民間で著作・編集
2年目 検定:文部科学省に置かれた専門家による審議会が教科書として適切かどうかを審査
3年目 採択・供給:合格品の中から教育委員会や国立・私立学校の校長が使用する教科書を選ぶ
採択は、8/31まで。
4年目 使用:翌年度、ようやく実際に子供たちに使用
では、1つ1つ設問をみていきましょう。
1.義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律
第二章 無償給付及び給与(教科用図書の無償給付)第三条
「国は、毎年度、義務教育諸学校の児童及び生徒が各学年の課程において使用する教科用図書で第十三条、第十四条及び第十六条の規定により採択されたものを購入し、義務教育諸学校の設置者に無償で給付するものとする。」と定めています。
これより、「学校」→「国」となります。
2.義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律
第二章 無償給付及び給与(教科用図書の給与)第五条
「義務教育諸学校の設置者は、第三条の規定により国から無償で給付された教科用図書を、それぞれ当該学校の校長を通じて児童又は生徒に給与するものとする。
2 学年の中途において転学した児童又は生徒については、その転学後において使用する教科用図書は、前項の規定にかかわらず、文部科学省令で定める場合を除き、給与しないものとする。」
と定められています。
義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行規則
(転学した児童生徒に教科用図書を給与する場合)第一条
「義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律(昭和三十八年法律第百八十二号。以下「法」という。)第五条第二項の文部科学省令で定める場合は、二月末日までの間に転学した児童又は生徒について、種目(法第十三条第一項に規定する種目をいう。以下同じ。)ごとに転学後において使用する教科用図書が転学前に給与を受けた教科用図書と異なる場合とする。」
これらより、教科書無償給与の対象は、転学して場合、原則として給与しないが、
●転学が、2月末日までの間であること
●転学前に給与されていた教科書と異なる場合
には例外で給与することになります。
これより、設問は転学前と後の教科書が同一と書かれていますので、給与はされません。
3.学校教育法第34条第2項
「前項の教科用図書以外の図書その他の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる。」と定められています。
有益適切なものなら(校長は、あらかじめ教育委員会の承認を得て)使用できます。
4.義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令(昭和39年政令第14号)
(採択の時期)
第14条 義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択は、当該教科用図書を使用する年度のま前年度の8月31日までに行わなければならない。
*高等学校用教科書については、法令上定めはありませんが、需要数報告の期限との関係で、ほぼ同じ時期に採択が行われます。
よって「前年度の9月30日まで」→「前年度の8月31日まで」です。
5.教科書の発行に関する臨時措置法(昭和23年法律第132号)第5条
「都道府県の教育委員会は、毎年、文部科学大臣の指示する時期に、教科書展示会を開かなければならない。」と定めています。
不正解です。
「学校」→「国」
不正解です。
教科用図書が再度無償で給与されるのは、転学前と異なる場合です。
不正解です。
有益適切なものなら(校長は、あらかじめ教育委員会の承認を得て)使用できます。
不正解です。
「前年度の9月30日まで」→「前年度の8月31日まで」
正解です。
教科用図書の定義・使用されるまでの過程・関連する法律と内容について把握しておきましょう。
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02
設置者に無償で給付するのは国であり、学年の中途において転学した生徒については、転学後、使用する教科用図書は、文部科学省令で定める場合を除き、給与されません。
教科用図書以外の図書や教材で、有益適切なものは使用することができます。
使用する教科用図書の採択は、教科用図書を使用する年度の前年度の8月31日までに行う必要があり、都道府県の教育委員会は教科書展示会を開かなければならないのです。
義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の第2章無償給付及び給与(教科用図書の無償給付)第3条より
国は、毎年度、義務教育諸学校の児童及び生徒が各学年の課程において使用する教科用図書で第13条、第14条及び第16条の規定により採択されたものを購入し、義務教育諸学校の設置者に無償で給付するものとする。
とあり、学校ではないので間違いです。
義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の第2章無償給付及び給与(教科用図書の給与)第5条第2項より
学年の中途において転学した児童又は生徒については、その転学後において使用する教科用図書は、前項の規定にかかわらず、文部科学省令で定める場合を除き、給与しないものとする。
とあり、給与されないので間違いです。
学校教育法第34条より
小学校においては、文部科学大臣の検定を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を有する教科用図書を使用しなければならない。
前項の教科用図書以外の図書その他の教材で、有益適切なものは、これを使用することができる。
とあり、間違いです。
※ただし、第49条(中学校)、第62条(高等学校)、第70条(中等教育学校)、第82条(特別支援学校)においては、当該条項を準用しています。
義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令(採択の時期)第14条より
義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択は、当該教科用図書を使用する年度の前年度の8月31日までに行わなければならない。
とあり、9月30日は間違いです。
教科書の発行に関する臨時措置法第5条より
都道府県の教育委員会は、毎年、文部科学大臣の指示する時期に、教科書展示会を開かなければならない。
とあり、正しいです。
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03
教科用図書(教科書)に関する問題です。
各法令に照らし合わせて解説します。
不正解です。(義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の第2章無償給付及び給与 第3条)
× 学校は、毎年度、義務教育諸学校の児童及び生徒が各学年の課程において使用する教科用図書を購入し、義務教育諸学校の設置者に無償で給付するものとする。
〇 国は、毎年度、義務教育諸学校の児童及び生徒が各学年の課程において使用する教科用図書を購入し、義務教育諸学校の設置者に無償で給付するものとする。
不正解です。(義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律の第2章無償給付及び給与 第5条 第2項)
× 11月に転学した児童又は生徒は、転学後に使用する教科用図書が転学前に給与を受けた教科用図書と同一の場合であっても、当該教科用図書が再度無償で給与される。
〇 学年の中途において転学した児童又は生徒については、その転学後において使用する教科用図書は、前項の規定にかかわらず、文部科学省令で定める場合を除き、給与しないものとする。
不正解です。(学校教育法第34条)
× 教科用図書以外の教材は、有益適切なものであっても、これを使用することができない。
〇 教科用図書以外の教材は、有益適切なものは、これを使用することができる。
不正解です。(義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令 第14条)
× 義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択は、当該教科用図書を使用する年度の前年度の9月30日までに行わなければならない。
〇 義務教育諸学校において使用する教科用図書の採択は、当該教科用図書を使用する年度の前年度の8月31日までに行わなければならない。
正解です。(教科書の発行に関する臨時措置法 第5条)
〇 都道府県の教育委員会は、毎年、文部科学大臣の指示する時期に、教科書展示会を開かなければならない。
教科用図書は義務教育諸学校の児童及び生徒が無償で使用するために購入され、法律によって規定されています。
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