公立学校教員の過去問
令和5年度(R6年度採用)
共通問題 問7

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問題

公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和5年度(R6年度採用) 共通問題 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

職員の服務に関する記述として、法令に照らして適切なものは、次のうちのどれか。
  • 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
  • 条件附採用期間中の職員及び臨時的に任用された職員については、懲戒の規定は適用されない。
  • 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となることができる。
  • 職員は、勤務条件の維持改善を図ることを目的として、職員団体を結成し、又はこれに加入することができ、争議行為を行ってよい。
  • 職員は、勤務時間外であれば、任命権者の許可を受けることなく、自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得て事業若しくは事務に従事できる。

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この過去問の解説 (3件)

01

職員は、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければなりません。

条件附採用期間中の職員及び臨時的に任用された職員については、懲戒の規定は適用されませんが、条例で必要な事項を定めることができます

職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となることはできません

職員は、勤務条件の維持改善を図ることを目的として、職員団体を結成し、又はこれに加入することができるが、争議行為を行うことはできません

職員は、勤務時間外であれば、任命権者の許可を受けることなく、自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得て事業若しくは事務に従事することはできません

よって、選択肢1が正解となります。

選択肢1. 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

地方公務員法第35条(職務に専念する義務)より

職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない

とあり、選択肢1は正しいです。

選択肢2. 条件附採用期間中の職員及び臨時的に任用された職員については、懲戒の規定は適用されない。

地方公務員法第29条の2(適用除外)より

次に掲げる職員及びこれに対する処分については、行政不服審査法の規定を適用しない。

1 条件附採用期間中の職員

2 臨時的に任用された職員

とあるが、

前項各号に掲げる職員の分限については、条例で必要な事項を定めることができる

とあり、選択肢2については条例で必要な事項を定めることができるため、選択肢2は間違いとなります。

選択肢3. 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となることができる。

地方公務員法第36条(政治的行為の制限)より

職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。

とあり、選択肢3については間違いです。

選択肢4. 職員は、勤務条件の維持改善を図ることを目的として、職員団体を結成し、又はこれに加入することができ、争議行為を行ってよい。

地方公務員法第52条(職員団体)より

この法律において「職員団体」とは、職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体を言います。

2 前項の「職員」とは、第5項に規定する職員以外の職員を言います。

3 職員は、職員団体を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。

5 警察職員及び消防職員は、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない

とあります。

また、

第37条(争議行為等の禁止)より、

職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。

とあり、選択肢4については、職員は争議行為をしてはならないため、間違いです。

選択肢5. 職員は、勤務時間外であれば、任命権者の許可を受けることなく、自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得て事業若しくは事務に従事できる。

地方公務員法第38条(営利企業への従事等の制限)より、

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない

とあり、職員は営利を目的とする私企業を営み、従事することはできないため、選択肢5は、間違いです。

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02

職員の服務に関する設問で、「地方公務員法」からの出題です。

1つ1つ設問をみていきましょう。

 

1.地方公務員法 第35条(職務に専念する義務)

 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

 

 

2.地方公務員法 第29条(適用除外)の2

次に掲げる職員及びこれに対する処分については、第二十七条第二項、第二十八条第一項から第三項まで、第四十九条第一項及び第二項並びに行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)の規定を適用しない。

 条件附採用期間中の職員

 臨時的に任用された職員

 前項各号に掲げる職員の分限については、条例で必要な事項を定めることができる

 

 

 

3.地方公務員法 第36条(政治的行為の制限)

職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。

 

 

4.地方公務員法 第52条(職員団体)によると、

・「職員団体」とは、職員がその勤務条件の維持改善を図ることを目的として組織する団体又はその連合体をいう。

・「職員」とは、警察職員及び消防職員以外の職員をいう。

・職員は、職員団体を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる。

警察職員及び消防職員は、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない。

 

これより、警察職員及び消防職員以外の職員は、職員団体を結成するかしなか、加入するかしないかは本人次第ということです。

 

地方公務員法 第37条(争議行為等の禁止)

職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならない。又、何人も、このような違法な行為を企て、又はその遂行を共謀し、そそのかし、若しくはあおつてはならない。

 

これより、職員の争議行為は禁止されています。

 

 

 

5.地方公務員法 第38条(営利企業への従事等の制限)

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。

 

これより、職員は任命権者の許可を受けなければ、勤務時間内外を問わず水から営利を目的とする私企業を営んだり、報酬を得て事業もしくは事務に従事したりできません。ただし、非常勤職員には適用されません。

 

選択肢1. 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

正解です。

選択肢2. 条件附採用期間中の職員及び臨時的に任用された職員については、懲戒の規定は適用されない。

不正解です。

 

条件附採用期間中の職員及び臨時的に任用された職員については懲戒規定は適用されませんが、職員の分限については、条例で必要な事項を定めることができます。ことができます。

選択肢3. 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となることができる。

不正解です。

 

職員は、政党その他の政治的団体や結成に関与したり、団体の役員となったりすることはできません。

選択肢4. 職員は、勤務条件の維持改善を図ることを目的として、職員団体を結成し、又はこれに加入することができ、争議行為を行ってよい。

不正解です。

 

警察職員及び消防職員以外の職員は、職員団体を結成するかしないか、加入するかしないかは本人次第ですが、職員の争議行為は禁止されています。

選択肢5. 職員は、勤務時間外であれば、任命権者の許可を受けることなく、自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得て事業若しくは事務に従事できる。

不正解です。

 

職員は任命権者の許可を受けなければ、勤務時間内外を問わず自ら営利を目的とする私企業を営んだり、報酬を得て事業もしくは事務に従事したりできません。ただし、非常勤職員には適用されません。

まとめ

「地方公務員法」の職員の服務の部分を中心に目を通して、内容理解に努めましょう。

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03

地方公務員法と照らし合わせて考えます。

選択肢1. 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

正解です。(地方公務員法 第35条)

〇 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

選択肢2. 条件附採用期間中の職員及び臨時的に任用された職員については、懲戒の規定は適用されない。

不正解です。(地方公務員法 第29条)

× 条件附採用期間中の職員及び臨時的に任用された職員については、懲戒の規定は適用されない。

 

〇 条件附採用期間中の職員及び臨時的に任用された職員については、条例で必要な事項を定めることができる。

選択肢3. 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となることができる。

不正解です。(地方公務員法 第36条)

× 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となることができる。

 

〇 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。

選択肢4. 職員は、勤務条件の維持改善を図ることを目的として、職員団体を結成し、又はこれに加入することができ、争議行為を行ってよい。

不正解です。(地方公務員法 第37条)

× 職員は、勤務条件の維持改善を図ることを目的として、職員団体を結成し、又はこれに加入することができ、争議行為を行ってよい。

 

〇 職員は、勤務条件の維持改善を図ることを目的として、職員団体を結成し、又はこれに加入することができ、争議行為をしてはならない。

選択肢5. 職員は、勤務時間外であれば、任命権者の許可を受けることなく、自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得て事業若しくは事務に従事できる。

不正解です。(地方公務員法 第38条)

× 職員は、勤務時間外であれば、任命権者の許可を受けることなく、自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得て事業若しくは事務に従事できる。

 

〇 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。

まとめ

公立学校の教職員の服務に関することは、地方公務員法を確認しましょう。

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