公立学校教員の過去問
令和5年度(R6年度採用)
共通問題 問14
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和5年度(R6年度採用) 共通問題 問14 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述ア・イは、それぞれ「児童生徒の教育相談の充実について〜学校の教育力を高める組織的な教育相談体制づくり〜(報告)」(教育相談等に関する調査研究協力者会議 平成29年1月)に示された、「学級担任・ホームルーム担任」、「スクールソーシャルワーカー」、「スクールカウンセラー」のいずれかの教職員の職務内容に関するものである。ア・イと、下の教職員A〜Cとの組合せとして適切なものは、下のうちのどれか。
ア 不登校、いじめ等を学校として認知した場合又はその疑いが生じた場合や災害等が発生した際は、児童生徒の心理的な影響が想定されることから、児童生徒の不安や悩みの状況や要因を把握し、適切な配慮や支援方針並びに支援方法について立案し、ケース会議において報告することが求められている。
イ 不登校、いじめや暴力行為等問題行動、子供の貧困、児童虐待等の課題を抱える児童生徒の修学支援、健全育成、自己実現を図るため、児童生徒のニーズを把握し、支援を展開すると共に、保護者への支援、学校への働き掛け及び自治体の体制整備への働き掛けを行うことが求められている。
A 学級担任・ホームルーム担任
B スクールソーシャルワーカー
C スクールカウンセラー
ア 不登校、いじめ等を学校として認知した場合又はその疑いが生じた場合や災害等が発生した際は、児童生徒の心理的な影響が想定されることから、児童生徒の不安や悩みの状況や要因を把握し、適切な配慮や支援方針並びに支援方法について立案し、ケース会議において報告することが求められている。
イ 不登校、いじめや暴力行為等問題行動、子供の貧困、児童虐待等の課題を抱える児童生徒の修学支援、健全育成、自己実現を図るため、児童生徒のニーズを把握し、支援を展開すると共に、保護者への支援、学校への働き掛け及び自治体の体制整備への働き掛けを行うことが求められている。
A 学級担任・ホームルーム担任
B スクールソーシャルワーカー
C スクールカウンセラー
- ア:A イ:B
- ア:A イ:C
- ア:B イ:C
- ア:C イ:A
- ア:C イ:B
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この過去問の解説 (3件)
01
まず、学級担任・ホームルーム担任の役割について、以下のように述べられています。
児童生徒の心理的又は発達的な課題は、不登校、いじめ等具体的課題として明確になる場合、日常的行動観察により気付く場合や児童生徒の学業成績、言動、態度、表現物等を通して気付く場合などがある。児童生徒の課題を少しでも早く発見し、課題が複雑化、深刻化する前に指導・対応できるように、学級担任及びホームルーム担任には児童生徒を観察する力が必要である。
そして、スクールカウンセラーは、以下のような個別対応等を行うことが求められています。
不登校、いじめ等を学校として認知した場合又はその疑いが生じた場合や災害等が発生した際は、児童生徒の心理的な影響が想定されることから、心の不安や悩みを抱える児童生徒に対しては、カウンセリングを行うとともに、個別の心理的課題及び健康面の課題に関し、その状況や要因を把握するため授業観察等を行う。
これらを通じ、児童生徒の不安や悩みの状況や要因を把握し、適切な配慮や支援方針並びに支援方法について立案し、ケース会議において報告する必要がある。
また、スクールソーシャルワーカーが行うべきスクールソーシャルワークは、以下のように述べられています。
スクールソーシャルワークとは、不登校、いじめや暴力行為等問題 行動、子供の貧困、児童虐待等の課題を抱える児童生徒の修学支援、健全育成、自己実 現を図るため、ソーシャルワーク理論に基づき、児童生徒のニーズを把握し、支援を展開すると共に、保護者への支援、学校への働き掛け及び自治体の体制整備への働き掛けを行うことをいいます。
よって、アについてはスクールカウンセラー、イについてはスクールソーシャルワーカーのことが述べられています。
アはスクールカウンセラー、イはスクールソーシャルワーカーに関することであり、
Aは学級担任・ホームルーム担任、Bはスクールソーシャルワーカーなので、
選択肢1は間違いです。
アはスクールカウンセラー、イはスクールソーシャルワーカーに関することであり、
Aは学級担任・ホームルーム担任、Cはスクールカウンセラーなので、
選択肢2は間違いです。
アはスクールカウンセラー、イはスクールソーシャルワーカーに関することであり、
Bはスクールソーシャルワーカー、Çはスクールカウンセラーなので、
選択肢3は間違いです。
アはスクールカウンセラー、イはスクールソーシャルワーカーに関することであり、
Çはスクールカウンセラー、Aは学級担任・ホームルーム担任なので、
選択肢4は間違いです。
アはスクールカウンセラー、イはスクールソーシャルワーカーに関することであり、
Çはスクールカウンセラー、Bはスクールソーシャルワーカーなので、
選択肢5は正解です。
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02
「児童生徒の教育相談の充実について〜学校の教育力を高める組織的な教育相談体制づくり〜(報告)」(教育相談等に関する調査研究協力者会議 平成29年1月)と照らし合わせて考えます。
学級担任・ホームルーム担任
児童生徒の心理的又は発達的な課題は、不登校、いじめ等具体的課題として明確になる場合、日常的行動観察により気付く場合や児童生徒の学業成績、言動、態度、表現物等を通して気付く場合などがある。児童生徒の課題を少しでも早く発見し、課題が複雑化、深刻化する前に指導・対応できるように、学級担任及びホームルーム担任には児童生徒を観察する力が必要である。
スクールソーシャルワーカー(SSW)
SSWは、児童生徒の最善の利益を保障するため、ソーシャルワークの価値・知識・ 技術を基盤とする福祉の専門性を有する者として、学校等においてソーシャルワークを 行う専門職である。スクールソーシャルワークとは、不登校、いじめや暴力行為等問題 行動、子供の貧困、児童虐待等の課題を抱える児童生徒の修学支援、健全育成、自己実 現を図るため、ソーシャルワーク理論に基づき、児童生徒のニーズを把握し、支援を展 開すると共に、保護者への支援、学校への働き掛け及び自治体の体制整備への働き掛け を行うことをいう。そのため、SSWの活動は、児童生徒という個人だけでなく、児童 生徒の置かれた環境にも働き掛け児童生徒一人一人のQOL(生活の質)の向上とそれ を可能とする学校・地域をつくるという特徴がある。
スクールカウンセラー(SC)
SCは、心理に関する高度な専門的知見を有する者として、不登校、いじめや暴力行 為等問題行動、子供の貧困、児童虐待等の未然防止、早期発見及び支援・対応等や学習 面や行動面で何らかの困難を示す児童生徒、障害のある児童生徒・保護者への支援に係 る助言・援助等のため、これらを学校として認知した場合や災害等が発生した場合等に おいて、様々な技法を駆使して児童生徒、その保護者、教職員に対して、カウンセリン グ、情報収集・見立て(アセスメント)や助言・援助(コンサルテーション)を行うと ともに、全ての児童生徒が安心した学校生活を送ることができる環境づくり等を行うこ とが求められる。さらに、SCは個々の児童生徒のみならず学校全体を視野に入れ、心 理学的側面から学校アセスメントを行い、個から集団・組織にいたる様々なニーズを把 握し、学校コミュニティを支援する視点を持つ必要がある。
各選択肢を見ると、
ア 不登校、いじめ等を学校として認知した場合又はその疑いが生じた場合や災害等が発生した際は、児童生徒の心理的な影響が想定されることから、児童生徒の不安や悩みの状況や要因を把握し、適切な配慮や支援方針並びに支援方法について立案し、ケース会議において報告することが求められている。
→スクールカウンセラー
イ 不登校、いじめや暴力行為等問題行動、子供の貧困、児童虐待等の課題を抱える児童生徒の修学支援、健全育成、自己実現を図るため、児童生徒のニーズを把握し、支援を展開すると共に、保護者への支援、学校への働き掛け及び自治体の体制整備への働き掛けを行うことが求められている。
→スクールソーシャルワーカー
不正解です。
不正解です。
不正解です。
不正解です。
正解です。
配置についても押さえておくとさらに良いです。
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03
「児童生徒の教育相談の充実について〜学校の教育力を高める組織的な教育相談体制づくり〜(報告)」(教育相談等に関する調査研究協力者会議 平成29年1月)からの出題です。
「学級担任・ホームルーム担任」、「スクールソーシャルワーカー」、「スクールカウンセラー」の教職員の職務内容についてみておきましょう。
・「学級担任・ホームルーム担任」:
児童生徒の心理的又は発達的な課題は、不登校、いじめ等具体的課題として明確にな る場合、日常的行動観察により気付く場合や児童生徒の学業成績、言動、態度、表現物 等を通して気付く場合などがある。児童生徒の課題を少しでも早く発見し、課題が複雑化、深刻化する前に指導・対応できるように、学級担任及びホームルーム担任には児童生徒を観察する力が必要である。
また、一人で抱え込まず、学校が組織として対応する意識を持つことも重要である。
・「スクールソーシャルワーカー」(SSW):
SSWは、児童生徒の最善の利益を保障するため、ソーシャルワークの価値・知識・技術を基盤とする福祉の専門性を有する者として、学校等においてソーシャルワークを行う専門職である。
スクールソーシャルワークとは、不登校、いじめや暴力行為等問題行動、子供の貧困、児童虐待等の課題を抱える児童生徒の修学支援、健全育成、自己実現を図るため、ソーシャルワーク理論に基づき、児童生徒のニーズを把握し、支援を展開すると共に、保護者への支援、学校への働き掛け及び自治体の体制整備への働き掛けを行うことをいう。
そのため、SSWの活動は、児童生徒という個人だけでなく、児童生徒の置かれた環境にも働き掛け児童生徒一人一人のQOL(生活の質)の向上とそれを可能とする学校・地域をつくるという特徴がある。
SSWの職務
① 不登校、いじめ等の未然防止、早期発見及び支援・対応等
(ア)地方自治体アセスメントと教育委員会への働き掛け
(イ)学校アセスメントと学校への働き掛け
(ウ)児童生徒及び保護者からの相談対応(ケースアセスメントと事案への働き掛け)
(エ)地域アセスメントと関係機関・地域への働き掛け
② 不登校、いじめ等を学校として認知した場合又はその疑いが生じた場合、災害等が発生した際の援助
(ア)児童生徒及び保護者との面談及びアセスメントから見直しまで
(イ)事案に対する学校内連携・支援チーム体制の構築・支援
(ウ)自治体における体制づくりへの働き掛け
・「スクールカウンセラー」(SC):
SCの職務 SCは、心理に関する高度な専門的知見を有する者として、不登校、いじめや暴力行為等問題行動、子供の貧困、児童虐待等の未然防止、早期発見及び支援・対応等や学習面や行動面で何らかの困難を示す児童生徒、障害のある児童生徒・保護者への支援に係る助言・援助等のため、これらを学校として認知した場合や災害等が発生した場合等において、様々な技法を駆使して児童生徒、その保護者、教職員に対して、カウンセリング、情報収集・見立て(アセスメント)や助言・援助(コンサルテーション)を行うとともに、全ての児童生徒が安心した学校生活を送ることができる環境づくり等を行うことが求められる。
さらに、SCは個々の児童生徒のみならず学校全体を視野に入れ、心理学的側面から学校アセスメントを行い、個から集団・組織にいたる様々なニーズを把握し、学校コミュニティを支援する視点を持つ必要がある。
SCの職務内容
(1)児童生徒へのカウンセリング
(2)保護者への助言・援助
(3)児童生徒集団、学級や学校集団に対するアセスメントと助言・援助
(4)児童生徒の困難・ストレスへの対処方法、児童生徒への心の教育に資する全ての児童生徒を対象とした心理教育プログラム等の実施
(5)不登校、いじめや暴力行為等問題行動、子供の貧困、虐待等を学校として認知した場合、自然災害、突発的な事件・事故が発生した際の援助
(6)教職員に対するコンサルテーション
(7)教職員のカウンセリング能力等の向上のための校内研修の実施
設問をみると、
ア. 不登校、いじめ等を学校として認知した場合又はその疑いが生じた場合や災害等が発生した際は、児童生徒の心理的な影響が想定されることから、児童生徒の不安や悩みの状況や要因を把握し、適切な配慮や支援方針並びに支援方法について立案し、ケース会議において報告することが求められている。→スクールカウンセラーの職務内容
イ. 不登校、いじめや暴力行為等問題行動、子供の貧困、児童虐待等の課題を抱える児童生徒の修学支援、健全育成、自己実現を図るため、児童生徒のニーズを把握し、支援を展開すると共に、保護者への支援、学校への働き掛け及び自治体の体制整備への働き掛けを行うことが求められている。→スクールソーシャルワーカーの職務内容
不正解です。
「ア:C イ:B」が正解です。
不正解です。
「ア:C イ:B」が正解です。
不正解です。
「ア:C イ:B」が正解です。
不正解です。
「ア:C イ:B」が正解です。
正解です。
「児童生徒の教育相談の充実について〜学校の教育力を高める組織的な教育相談体制づくり〜(報告)」(教育相談等に関する調査研究協力者会議 平成29年1月)等を参考に、「学級担任・ホームルーム担任」、「スクールソーシャルワーカー」、「スクールカウンセラー」の定義や職務内容について把握しておきましょう。
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