公立学校教員の過去問
令和5年度(R6年度採用)
共通問題 問19
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和5年度(R6年度採用) 共通問題 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
学習に関する心理学に携わった人物に関する記述として適切なものは、次のうちのどれか。
- トールマンは、ネズミの迷路学習において、迷路の特徴が目標へ到達する手段となり、目標までの路線図を予測して行動できるようになると考え、認知地図という概念を提唱した。
- バンデューラは、レバーを押すと給餌される仕掛けを備えた装置を使ったネズミの研究から、自発的、随意的な行動に関する学習過程をオペラント条件付けで説明した。
- パヴロフは、檻に入れた空腹のネコが、檻から脱出して餌を獲得する過程を観察し、問題解決学習は試行錯誤の繰り返しによるものと考えた。
- ソーンダイクは、犬の唾液腺の活動を調べているときに、音を鳴らしただけで唾液を分泌する反射が起こるようになったことに気づき、条件反射と名づけた。
- スキナーは、社会的学習理論において、他者が行う行動を観察しているだけで学習は成立するとして、モデリングと名づけた。
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この過去問の解説 (3件)
01
学習に関する心理学に携わった人物に関する問題です。
設問をもとに、人物名と携わった内容をみておきましょう。
・トールマン:ネズミの迷路学習において、迷路の特徴が目標へ到達する手段となり、目標までの路線図を予測して行動できるようになると考え、認知地図という概念を提唱した。
・バンデューラー:社会的学習理論において、他者が行う行動を観察しているだけで学習は成立するとして、モデリングと名づけた。
・パブロフ: 犬の唾液腺の活動を調べているときに、音を鳴らしただけで唾液を分泌する反射が起こるようになったことに気づき、条件反射と名づけた。古典的条件付けである。
・ソーンダイク: 檻に入れた空腹のネコが、檻から脱出して餌を獲得する過程を観察し、問題解決学習は試行錯誤の繰り返しによるものと考えた。
・スキナー:レバーを押すと給餌される仕掛けを備えた装置を使ったネズミの研究から、自発的、随意的な行動に関する学習過程を付けオペラント条件付けで説明した。
このほか、心理学に影響した主な人物と内容を挙げておきますので参照してください。
・カール・グスタフ・ユング:スイスの精神分析家であり、心理学者です。ユングは分析心理学の創始者の一人であり、個人の無意識とその中に存在する普遍的なシンボルやアーキタイプに関する研究で知られています。
・カール・ロジャーズ:アメリカの臨床心理学者です。来談者中心療法のカウンセリングで人本療法を提唱し、自己概念や対人関係の研究に貢献しました。
・アルフレッド・アドラー:オーストリア出身の精神科医で、個人心理学の創始者とされています。個人の行動や心理を、個人がどのように自分自身を位置付け、他者との関係を構築するかに焦点を当てて解釈しました。
・ヴィルヘルム・ヴント:ドイツの心理学者であり、近代心理学の創始者とされています。初めての心理学の実験室を設立し、心の研究を科学的なアプローチで追求しました。
・ジョン・B・ワトソン:アメリカの心理学者です。行動主義の提唱者であり、動物学習と人間行動の関連を研究しました。
・エリク・H・エリクソン:アメリカの発達心理学者です。「アイデンティティ」の概念、心理社会的発達段階理論を提唱し、人間のライフサイクルを研究しました。
・エルンスト・クレッチマ:ドイツの精神科医であり、体型と精神障害との関連性に興味を持ちました。「体型学」と呼ばれるアプローチを提唱し、体の形状と特定の精神障害との関連性を調査しました。
・アンナ・フロイト:ジークムント・フロイトの娘であり、精神分析理論を発展させた精神分析家です。特に子どもの精神分析や児童精神医学の分野で貢献しました。
・ジャン・ピアジェ:スイスの心理学者です。認知の発達と系統発生を考察する発生的認知論を提唱しています。発達心理学の大家で、子供の知識と認知の発展を研究しました。
・ミルトン・エリクソン:アメリカの精神医学者であり、催眠療法の分野で特に有名な人物です。催眠療法の新しいアプローチを開発し、コミュニケーションと意識の力を活用して個人の変容を促進する方法を模索しました。 (mental care-labサイト参照)
正解です。
トールマンの説明で、キーワードは「認知地図」です。
不正解です。
スキナーの説明で、キーワードは「オペラント条件付け」です。
不正解です。
ソーンダイクの説明で、キーワードは「試行錯誤」です。
不正解です。
パブロフの説明で、キーワードは「条件反射」です。
古典的条件付けで有名です。
不正解です。
バンデューラの説明で、キーワードは「モデリング」です。
学習に関する心理学に携わったり、心理学に影響した人物・何をしたかについて、整理し内容を把握しておきましょう。
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02
ネズミの迷路学習において、迷路の特徴が目標へ到達する手段となり、目標までの路線図を予測して行動できるようになると考え、認知地図という概念を提唱したのはトールマンです。
レバーを押すと給餌される仕掛けを備えた装置を使ったネズミの研究から、自発的、随意的な行動に関する学習過程をオペラント条件付けで説明したのはスキナーです。
檻に入れた空腹のネコが、檻から脱出して餌を獲得する過程を観察し、問題解決学習は試行錯誤の繰り返しによるものと考えたのはソーンダイクです。
犬の唾液腺の活動を調べているときに、音を鳴らしただけで唾液を分泌する反射が起こるようになったことに気づき、条件反射と名づけたのはパヴロフです。
社会的学習理論において、他者が行う行動を観察しているだけで学習は成立するとして、モデリングと名づけたのはバンデューラです。
ネズミの迷路学習において、迷路の特徴が目標へ到達する手段となり、目標までの路線図を予測して行動できるようになると考え、認知地図という概念を提唱したのはトールマンです。
よって、選択肢1は正解です。
レバーを押すと給餌される仕掛けを備えた装置を使ったネズミの研究から、自発的、随意的な行動に関する学習過程をオペラント条件付けで説明したのはスキナーです。
よって選択肢2は間違いです。
檻に入れた空腹のネコが、檻から脱出して餌を獲得する過程を観察し、問題解決学習は試行錯誤の繰り返しによるものと考えたのはソーンダイクです。
よって選択肢3は間違いです。
犬の唾液腺の活動を調べているときに、音を鳴らしただけで唾液を分泌する反射が起こるようになったことに気づき、条件反射と名づけたのはパヴロフです。
よって選択肢4は間違いです。
社会的学習理論において、他者が行う行動を観察しているだけで学習は成立するとして、モデリングと名づけたのはバンデューラです。
よって選択肢5は間違いです。
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03
教育心理学に関する問題です。
トールマン・・・サイン・ゲシュタルト節
ラットの実験から、認知地図を形成したと考えた。
バンデューラ・・・社会的学習理論
学習は、直接強化が不可欠ではなく、間接強化でも可能だと主張。
パブロフ・・・古典的条件づけ
ベルの音を鳴らした後に餌を出すことを継続すると、イヌはベルの音だけで唾液を分泌させたことから、古典的条件づけ(レスポンデント条件づけ)を唱えた。
ソーンダイク・・・試行錯誤説
問題箱と呼ばれる複雑な仕掛けの中に入れたネコは、経験とともに脱出時間が短くなった。
スキナー・・・オペラント条件づけ(古典的条件づけ)
オペラント箱の中のラットに、バーを押して餌が出てきたという経験をさせると、餌を求めて自発的にバーを押すようになる。
正解です。
〇 トールマンは、ネズミの迷路学習において、迷路の特徴が目標へ到達する手段となり、目標までの路線図を予測して行動できるようになると考え、認知地図という概念を提唱した。
不正解です。
× バンデューラは、レバーを押すと給餌される仕掛けを備えた装置を使ったネズミの研究から、自発的、随意的な行動に関する学習過程をオペラント条件付けで説明した。
〇 スキナーは、レバーを押すと給餌される仕掛けを備えた装置を使ったネズミの研究から、自発的、随意的な行動に関する学習過程をオペラント条件付けで説明した。
不正解です。
× パヴロフは、檻に入れた空腹のネコが、檻から脱出して餌を獲得する過程を観察し、問題解決学習は試行錯誤の繰り返しによるものと考えた。
〇 ソーンダイクは、檻に入れた空腹のネコが、檻から脱出して餌を獲得する過程を観察し、問題解決学習は試行錯誤の繰り返しによるものと考えた。
不正解です。
× ソーンダイクは、犬の唾液腺の活動を調べているときに、音を鳴らしただけで唾液を分泌する反射が起こるようになったことに気づき、条件反射と名づけた。
〇 パブロフは、犬の唾液腺の活動を調べているときに、音を鳴らしただけで唾液を分泌する反射が起こるようになったことに気づき、条件反射と名づけた。
不正解です。
× スキナーは、社会的学習理論において、他者が行う行動を観察しているだけで学習は成立するとして、モデリングと名づけた。
〇 バンデューラは、社会的学習理論において、他者が行う行動を観察しているだけで学習は成立するとして、モデリングと名づけた。
キーワードと明らかにしたことから。人物名がわかるようにしましょう。
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