公立学校教員の過去問
令和5年度(R6年度採用)
共通問題 問21

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問題

公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和5年度(R6年度採用) 共通問題 問21 (訂正依頼・報告はこちら)

適応機制に関する記述として適切なものは、次のうちのどれか。
  • 抑圧とは、自己にとって都合の悪い欲求や感情を意識下に抑えつけて心理的安定をはかろうとするものである。
  • 退行とは、欲求不満をもたらす状況から逃げることによって自己を守ろうとする方法である。
  • 同一化とは、自分の行動や失敗を正当化するように理屈づけを行うことである。
  • 反動形成とは、自己が許容することができない自己の欲求や感情を、他者の中に移しかえ、責めを他者に帰することである。
  • 逃避とは、発達の前段階で欲求の充足に有効であった幼児的な行動様式に戻ることである。

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この過去問の解説 (3件)

01

適応機制(防衛機制)に関する問題です。

 

 適応規制(防衛規制)とは受け入れがたい状況、または潜在的な危険な状況に晒された時に、それによる不安を軽減しようとする無意識的な心理的メカニズムである。欲求不満などによって社会に適応が出来ない状態に陥った時に行われる自我の再適応メカニズムを指す。広義においては、自我と超自我が本能的衝動をコントロールする全ての操作を指す。

 

 

設問に関連している適応規制についてみておきましょう。

 

抑圧自己にとって都合の悪い欲求や感情を意識下に抑えつけて心理的安定をはかろうとするもの

 

退行発達の前段階で欲求の充足に有効であった幼児的な行動様式に戻ること

 

逃避欲求不満をもたらす状況から逃げることによって自己を守ろうとする方法

 

合理化自分の行動や失敗を正当化するように理屈づけを行うこと

 

同一化自分の尊敬する人や理想とする人の振舞いや特徴を真似て欲求を満たそうとすること。憧れのミュージシャンのしぐさやファッションを真似したりするといった行動(Counselor webより一部引用)

 

投影自己が許容することができない自己の欲求や感情を、他者の中に移しかえ、責めを他者に帰すること

 

反動形成受け入れがたい衝動、観念が抑圧され、無意識的なものとなり、意識や行動レベルでは正反対のものに置き換わること。本心と裏腹なことを言ったり、その思いと正反対の行動をとったりすることです。好きな人の前で「大嫌い」と言うなど

 

 

このほか、

 

転換:抑圧された衝動や葛藤が、麻痺や感覚喪失となって表現される。手足が痺れたり、失立失歩(脱力し立ったり歩けなくなる)、声が出なくなる失声症など。

 

否認不安や苦痛を生み出すようなある出来事から目をそらし、認めないこと。出来事自体が存在しないかのような言動をとること。

 

同一視: 自分にない名声や権威に自分を近づけることによって自分を高めようとすること。他者の状況などを自分のことのように思い、感じ考え行動すること。この同一視は他人から他人へ伝染する。

 

転移:幼児期に存在した重要な人物への感情を、現今の目の前にいる治療者人物(医師やカウンセラーなど)に向ける(転じて移す)事。

 

逆転移治療者が患者に対して抱く無意識の心の動きのこと。例えば、クライアントが診察に訪れる機会を楽しみに感じてしまう。

 

等があります。

 

 

※解説はウィキペディアより一部抜粋・加筆しています。

選択肢1. 抑圧とは、自己にとって都合の悪い欲求や感情を意識下に抑えつけて心理的安定をはかろうとするものである。

正解です。

選択肢2. 退行とは、欲求不満をもたらす状況から逃げることによって自己を守ろうとする方法である。

逃避の説明なので、不正解です。

 

退行:発達の前段階で欲求の充足に有効であった幼児的な行動様式に戻ること、いわゆる赤ちゃん返りです。

選択肢3. 同一化とは、自分の行動や失敗を正当化するように理屈づけを行うことである。

合理化の説明なので、不正解です。

 

同一化:自分の尊敬する人や理想とする人の振舞いや特徴を真似て欲求を満たそうとすることです。憧れのミュージシャンのしぐさやファッションを真似したりするといった行動が挙げられます。(Counselor webより一部引用)

選択肢4. 反動形成とは、自己が許容することができない自己の欲求や感情を、他者の中に移しかえ、責めを他者に帰することである。

投影の説明なので、不正解です。

 

反動形成:受け入れがたい衝動、観念が抑圧され、無意識的なものとなり、意識や行動レベルでは正反対のものに置き換わることです。好きな人の前で「大嫌い」と言うなど、本心と裏腹なことを言ったり、その思いと正反対の行動をとったりすることです。

選択肢5. 逃避とは、発達の前段階で欲求の充足に有効であった幼児的な行動様式に戻ることである。

退行の説明なので、不正解です。

 

逃避:欲求不満をもたらす状況から逃げることによって自己を守ろうとする方法です。

まとめ

頻出問題なので、適応規制の種類と内容について、整理して覚えておきましょう。

参考になった数3

02

適応機制(防衛機制)についての問題です。

 

適応機制(防衛機制)

 自我が危機にさらされるのを防ぎ、無意識に自分を守ろうとして表れる行為。

 

抑圧・・・欲求や動機を心の奥深くに押しやる。

逃避・・・困難な状況から逃げる。

合理化・・・もっともらしい理由をつけて自己を正当化する。

昇華・・・好ましくない欲求を社会的に望ましい行動に振り向ける・

補償・・・劣等感を補うために得意な面で自己を主張する。

代償・・・到達が容易な目標にすり替えて一時的に自己満足する。

置換・・・怒りや攻撃を、弱い存在に向けて発散する。

取り入れ・・・他人が持っている感情や特質を、あたかも自分が持っているようにふるまう。

反動形成・・・欲求を抑圧し、本来の欲求とは正反対の行動に出る。

退行・・・解決困難な状況において、未熟な発達段階に後戻りする。

投影(投射)・・・自分が持っている感情や特質を他者も持っているとみなす。

否認・・・現実に起こっていることを起こっていないと否定する。

同一視・・・憧れの人物と外見だけでも似せようとする。

知性化・・・抽象的な知的な言葉だけを用いてストレス状態から脱しようとする。

白昼夢・・・実現できないことを空想の中で行う。

選択肢1. 抑圧とは、自己にとって都合の悪い欲求や感情を意識下に抑えつけて心理的安定をはかろうとするものである。

正解です。

選択肢2. 退行とは、欲求不満をもたらす状況から逃げることによって自己を守ろうとする方法である。

不正解です。

× 退行とは、欲求不満をもたらす状況から逃げることによって自己を守ろうとする方法である。

 

〇 逃避とは、欲求不満をもたらす状況から逃げることによって自己を守ろうとする方法である。

選択肢3. 同一化とは、自分の行動や失敗を正当化するように理屈づけを行うことである。

不正解です。

× 同一化とは、自分の行動や失敗を正当化するように理屈づけを行うことである。

 

〇 合理化とは、自分の行動や失敗を正当化するように理屈づけを行うことである。

選択肢4. 反動形成とは、自己が許容することができない自己の欲求や感情を、他者の中に移しかえ、責めを他者に帰することである。

不正解です。

× 反動形成とは、自己が許容することができない自己の欲求や感情を、他者の中に移しかえ、責めを他者に帰することである。

 

〇 投影(投射)とは、自己が許容することができない自己の欲求や感情を、他者の中に移しかえ、責めを他者に帰することである。

選択肢5. 逃避とは、発達の前段階で欲求の充足に有効であった幼児的な行動様式に戻ることである。

不正解です。

× 逃避とは、発達の前段階で欲求の充足に有効であった幼児的な行動様式に戻ることである。

 

〇 退行とは、発達の前段階で欲求の充足に有効であった幼児的な行動様式に戻ることである。

まとめ

言葉と具体例を関連付けて理解しましょう。

参考になった数0

03

抑圧は、自分に対して不快な体験や欲求を意識から無意識下に抑えこんでしまうことです。

退行は、発達の前段階で欲求の充足に有効であった幼児的な行動様式に戻ることです。

同一化は、尊敬する人や理想の人の特徴を真似することで欲求を満すことです

自分の行動や失敗を正当化するように理屈づけを行うことは合理化です。

反動形成は、受け入れがたい衝動や観念が抑圧されて、無意識的に、意識や行動で正反対のものに置き換わることです。

自己が許容することができない自己の欲求や感情を、他者の中に移しかえ、責めを他者に帰することは投影です。

逃避とは、欲求不満をもたらす状況から逃げることによって自己を守ろうとする方法です。

選択肢1. 抑圧とは、自己にとって都合の悪い欲求や感情を意識下に抑えつけて心理的安定をはかろうとするものである。

抑圧は、自分に対して不快な体験や欲求を意識から無意識下に抑えこんでしまうことです。

選択肢1は正解です。

選択肢2. 退行とは、欲求不満をもたらす状況から逃げることによって自己を守ろうとする方法である。

退行は、発達の前段階で欲求の充足に有効であった幼児的な行動様式に戻ることです。

よって、選択肢2は間違いです。

選択肢3. 同一化とは、自分の行動や失敗を正当化するように理屈づけを行うことである。

同一化は、尊敬する人や理想の人の特徴を真似することで欲求を満すことです

自分の行動や失敗を正当化するように理屈づけを行うことは合理化です。

よって、選択肢3は間違いです。

選択肢4. 反動形成とは、自己が許容することができない自己の欲求や感情を、他者の中に移しかえ、責めを他者に帰することである。

反動形成は、受け入れがたい衝動や観念が抑圧されて、無意識的に、意識や行動で正反対のものに置き換わることです。

自己が許容することができない自己の欲求や感情を、他者の中に移しかえ、責めを他者に帰することは投影です。

よって、選択肢4は間違いです。

選択肢5. 逃避とは、発達の前段階で欲求の充足に有効であった幼児的な行動様式に戻ることである。

逃避とは、欲求不満をもたらす状況から逃げることによって自己を守ろうとする方法でです。

よって、選択肢5は間違いです。

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