公立学校教員の過去問
令和5年度(R6年度採用)
共通問題 問22
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和5年度(R6年度採用) 共通問題 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」に関する記述として適切なものは、次のうちのどれか。
- PISA調査は、2000年の調査開始以降、2年ごとに実施されている。
- PISA調査は、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について継続して調査を実施しており、2018年調査では、科学的リテラシーが中心分野として設定された。
- 2018年調査では、我が国の読解力の平均得点はOECD平均より高得点のグループに位置し、前回調査の平均得点より上昇した。
- 科学的リテラシーは、2006年調査以降の我が国の習熟度レベル別の推移において、OECD平均の割合に対してレベル1以下の低得点層が少なく、レベル5以上の高得点層が多い。
- 2018年調査の生徒質問調査において、我が国の生徒は「読書は、大好きな趣味の一つだ」に対して肯定的に回答した割合がOECD平均より少ない。
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この過去問の解説 (3件)
01
PISA調査は、2000年の調査開始以降、3年ごとに実施されています。
2018年調査では、読解力が中心分野として設定されています。
2018年調査で、我が国の読解力は、OECD平均より高得点のグループに位置するが、前回より平均得点・順位が統計的に有意に低下しています。
科学的リテラシーはレベル1以下の低得点層が少なく、レベル5以上の高得点層が多いです。
2018年調査の生徒質問調査から、日本の生徒は「読書は、大好きな趣味の一つだ」と答える生徒の割合がOECD平均より高いです。
PISA調査は、2000年の調査開始以降、3年ごとに実施されていることから、
選択肢1は間違いです。
2018年調査では、読解力が中心分野として設定されているため、
選択肢2は間違いです。
2018年調査で、我が国の読解力は、OECD平均より高得点のグループに位置するが、前回より平均得点・順位が統計的に有意に低下していることから、
選択肢3は間違いです。
科学的リテラシーはレベル1以下の低得点層が少なく、レベル5以上の高得点層が多いことから、
選択肢4は正解です。
2018年調査の生徒質問調査から、日本の生徒は「読書は、大好きな趣味の一つだ」と答える生徒の割合がOECD平均より高いことから、
選択肢5は間違いです。
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02
「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」について
●国際的な学習到達度に関する調査に、我が国も参加しており国立教育政策研究所が調査の実施を担当しています。PISA調査では15歳児を対象に読解リテラシー、数学的リテラシー、科学的リテラシーの三分野について、3年ごとに本調査を実施しています。
●第一回調査は2000年から始まっています。
●主要分野の定義
◆読解力
自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、
利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと。
◆数学的リテラシー
様々な文脈の中で数学的に定式化し、数学を活用し、解釈する個人の能力。それには、数学的に
推論することや、数学的な概念・手順・事実・ツールを使って事象を記述し、説明し、予測することを含む。この能力は、個人が現実世界において数学が果たす役割を認識したり、十分な根拠に基づいて建設的で積極的、思慮深く判断・意思決定したりする助けとなるもの。
◆科学的リテラシー
科学的な考えを持ち、科学に関連する諸問題に関与する能力として、「現象を科学的に説明する」こと、「科学的探究を評価して計画する」こと、「データと証拠を科学的に解釈する」こと。
●PISA調査の中心分野
・読解力:2000年、2009年、2018年
・数学的リテラシー:2003年、2012年、2021年
・科学的リテラシー:2006年、2015年
●2015年調査より、筆記型調査からコンピュータ使用型調査に移行。
●日本の読解力の結果概要(2018年)
◆読解力の平均得点は、OECD平均より高得点のグループに位置しているが、前回2015年調査から有意に低下。
◆生徒質問調査から、日本の生徒は「読書は、大好きな趣味の一つだ」と答える生徒の割合が
OECD平均より高い(2018)など、読書を肯定的にとらえる傾向がある。また、こうした生徒ほど読解力の得点が高い傾向にある。
●科学リテラシーについて習熟度レベル別の推移:
レベル1以下(低得点層)とレベル5以上(高得点層)の割合を日本/OECD平均で比較すると次のようになります。
レベル1以下(低得点層) レベル5以上(高得点層)
2006年: 12.1%/19.3% 2006年:15.0%/9.0%
2009年: 10.7%/18.0% 2009年:17.0%/8.5%
2012年: 8.4%/18.5% 2012年:約18.2%/約9.0%
2015年: 9.6%/21.2% 2015年:15.3%/7.8%
科学的リテラシーは、2006年調査以降の日本の習熟度レベル別の推移において、OECD平均の割合に対してレベル1以下の低得点層が少なく、レベル5以上の高得点層が多いことがわかります。
(※国立教育政策研究所のホームページ参照)
不正解です。
「2年ごと」→「3年ごと」が正しいです。
不正解です。
2018年調査は、「科学的リテラシー」でなく、「読解力」を中心分野として設定されました。
不正解です。
読解力の平均得点は、OECD平均より高得点のグループに位置しているが、前回2015年調査(516 点)から有意に低下しました。
正解です。
日本は、OECD平均の割合に対してレベル1以下の低得点層が少なく、レベル5以上の高得点層が多いです。
不正解です。
生徒質問調査から、日本の生徒は「読書は、大好きな趣味の一つだ」と答える生徒の割合がOECD平均より多いです。
「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」とはどういう調査で、いつから始まりどのような内容なのか、結果や傾向について、国立教育政策研究所のホームページを参考に理解しておきましょう。
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03
PISAに関する問題です。
PISA
義務教育修了段階の15歳の生徒が持っている知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題にどの程 度活用できるかを測ることを目的とした調査。 2000年以降、おおむね3年ごとに調査実施。
〇実施分野
・読解力
・数学的リテラシー
・科学的リテラシー
→各回で3分野のうちの1分野を順番に中心分野として重点的に調査。
※読解力→数学的リテラシー→科学的リテラシーの順。
※2022年(2021年)は数学的リテラシーが中心分野。
〇日本の結果
・数学的リテラシー(1位/5位)
・読解力(2位/3位)
・科学的リテラシー(1位/2位)
→3分野全てにおいて世界トップレベル。
・前回2018年調査から、OECDの平均得点は低下した一方、日本は3分野全てにおいて前回調査より平均得点が上昇(統計的には、読解力及び科学的リテラシーは有意に上昇、数学的リテラシー は有意差はない。)。
※()の左側はOECD加盟国中、右側は全参加国・地域中における日本の順位。
〇今回の結果には、新型コロナウイルス感染症のため休校した期間が他国に比べて短かったことが影響した 可能性があることが、OECDから指摘されている。
このほか、
・学校現場において現行の学習指導要領を踏まえた授業改善が進んだこと
・学校におけるICT環境の整備が進み、生徒が学校でのICT機器の使用に慣れたこと
などの様々な要因も、日本の結果に複合的に影響していると考えられる。
・読解力、科学的リテラシーにおいて低得点層(習熟度レベル1以下)の割合が有意に減少し、数学的リテラ シー、科学的リテラシーにおいて高得点層(習熟度レベル5以上)の割合が有意に増加。
※「OECD生徒の学習到達度調査2022年調査(PISA2022)のポイント」より引用。
不正解です。
× PISA調査は、2000年の調査開始以降、2年ごとに実施されている。
〇 PISA調査は、2000年の調査開始以降、3年ごとに実施されている。
不正解です。
× PISA調査は、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について継続して調査を実施しており、2018年調査では、科学的リテラシーが中心分野として設定された。
〇 PISA調査は、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について継続して調査を実施しており、2018年調査では、読解力が中心分野として設定された。
不正解です。
× 2018年調査では、我が国の読解力の平均得点はOECD平均より高得点のグループに位置し、前回調査の平均得点より上昇した。
〇 2018年調査では、我が国の読解力の平均得点はOECD平均より高得点のグループに位置し、前回調査の平均得点より低下した。
正解です。
〇 科学的リテラシーは、2006年調査以降の我が国の習熟度レベル別の推移において、OECD平均の割合に対してレベル1以下の低得点層が少なく、レベル5以上の高得点層が多い。
不正解です。
× 2018年調査の生徒質問調査において、我が国の生徒は「読書は、大好きな趣味の一つだ」に対して肯定的に回答した割合がOECD平均より少ない。
〇 2018年調査の生徒質問調査において、我が国の生徒は「読書は、大好きな趣味の一つだ」に対して肯定的に回答した割合がOECD平均より多い。
最新のデータをチェックしておくといいでしょう。
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