公立学校教員の過去問 令和5年度(R6年度採用) 中学校に関する問題 問1
この過去問の解説 (2件)
他教科等及び総合的な学習の時間で身に付けた資質・能力を相互に関連付け、学習や生活において生かし、それらが総合的に働くようにします。
全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては、学校における全教育活動との関連の下に、 目標及び内容、学習活動、指導方法や指導体制、学習の評価の計画などを示さなければなりません。その際、 小学校における総合的な学習の時間の取組を踏まえます。
各学校における総合的な学習の時間の名称については、各学校において適切に定めることとされています。
自然体験や職場体験活動、ボランティア活動などの社会体験、ものづくり、生産活動などの 体験活動、観察・実験、見学や調査、発表や討論などの学習活動を積極的に取り入れるようにします。
グループ学習や異年齢集団による学習などの多様な学習形態、地域の人々の協力も得つつ、 全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制について工夫を行います。
他教科等及び総合的な学習の時間で身に付けた資質・能力を相互に関連付け、学習や生活において生かし、それらが総合的に働くようにします。
よって、選択肢1は正解です。
全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては、学校における全教育活動との関連の下に、 目標及び内容、学習活動、指導方法や指導体制、学習の評価の計画などを示さなければなりません。その際、 小学校における総合的な学習の時間の取組を踏まえます。
よって、選択肢2は間違いです。
各学校における総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切に定めることとされています。
よって、選択肢3は間違いです。
自然体験や職場体験活動、ボランティア活動などの社会体験、ものづくり、生産活動などの 体験活動、観察・実験、見学や調査、発表や討論などの学習活動を積極的に取り入れるようにします。
よって、見学や調査も含むため、選択肢4は間違いです。
グループ学習や異年齢集団による学習などの多様な学習形態、地域の人々の協力も得つつ、 全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制について工夫を行います。
よって、異年齢集団による学習も行うため、選択肢5は間違いです。
中学校学習指導要領総合的な学習の時間の「指導計画の作成と内容の取扱い」に関する問題です。1つ1つの設問に関連する記述をみていきましょう。
1.第 1 節 指導計画の作成に当たっての配慮事項
(3) 他教科等及び総合的な学習の時間で身に付けた資質・能力を相互に関連付け,学習や生活において生かし,それらが総合的に働くようにすること。その際 , 言語能力,情報活用能力など全ての学習の基盤となる資質 ・能力を重視すること。
各教科等で 別々に身に付けた資質・能力をつながりのあるものとして組織化し直し,改めて 現実の生活に関わる学習において活用し,それらが連動して機能するようにすることである。身に付けた資質・能力は,当初学んだ場面とは異なる新たな場面や 第4章 指導計画の作成と内容の取扱い状況で活用されることによって,一層生きて働くようになる。
これからの時代においてより求められる資質・能力は,既知の特定の状況においてのみ役に立つのではなく,未知の多様な状況において自在に活用することができるものであることが求められている。
こうした資質・能力の獲得のためには, 総合的な学習の時間の中で,課題を見付け,目的に応じて情報を収集し,その整理・分析を行い,まとめ・表現したり,コミュニケーションを図ったり,振り返ったりするなどの探究的な学習活動を行うことが重要である。そして,その過程に おいて,各教科等で身に付けた資質・能力や,それまでの総合的な学習の時間に おいて身に付けた資質・能力を相互に関連付けるような学びの展開が重要である。 (以下略)
2.第 1 節 指導計画の作成に当たっての配慮事項
(2) 全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては,学校における全教育活動との関連の下に,目標及び内容,学習活動,指導方法や指導体制,学習の評価の計画などを示すこと。その際,小学校における総合的な学習の時間の取組を踏まえること。
総合的な学習の時間の全体計画及び年間指導計画の作成に当たっては,組織的かつ計画的に教育活動の質の向上を図っていく,カリキュラム・マネジメントを大事にする必要がある。カリキュラム・マネジメントについては ,
① 内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと
② 教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと
③ 教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善
を図っていくこと
という三つの側面がある。
①内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくことについては,目標及び内容,学習活動などが,教科等横断的な視点で連続的かつ発展的に展開するように,教科等間・学年間の関連やつながりに配慮することが大切である。例えば,1学年で身に付けた資質・能力が2学年以降の学習によりよく発展するように配慮して作成することなどが考えられる。
また,小学校における総合的な学習の時間の取組との連続性,高等学校等における取組への発展的な展開のためには,中学校段階でどのような学習を行い,どのような資質・能力の育成を目指すのか,小学校の全体計画や年間指導計画も踏まえて中学校の指導計画が作成されるよう,指導計画をはじめ生徒の学習状況などについて,相互に連携を図ることが求められる。
(以下略)
3.第 1 節 指導計画の作成に当たっての配慮事項
(5) 各学校における総合的な学習の時間の名称については,各学校において適切に定めること。
●総合的な学習の時間の教育課程の基準上の名称は「総合的な学習の時間」とするが,各学校における教育課程,時間割上のこの時間の具体的な名称については, この規定に示す通り,各学校で適切に定めるものとされている。
●各学校において,この時間の目標や内容,学習活動の特質,学校の取組の経緯を踏まえて,例えば,地域のシンボルや学校教育目標,保護者や地域の人々の願いに関連した名称など,この時間の趣旨が広く理解され,生徒や保護者,地域の人々に親しんでもらえるように適切な名称を定めればよい。
4.第 2 節 内容の取扱いについての配慮事項
(4) 自然体験や職場体験活動,ボランティア活動などの社会体験,ものづくり,生産活動などの体験活動,観察・実験,見学や調査,発表や討論などの学習活動を積極的に取り入れること。
●総合的な学習の時間では,一定の知識を覚え込ませるのではなく,探究課題の特質や育成を目指す資質・能力を見通して,直接的な体験を探究的な学習の過程に,適切に位置付ける必要があることから、学習活動は,以下のような学習活動を積極的に行う必要がある。
●例えば,事象を精緻に観察すること,科学的な見方で仮説を立て,実験し,検証すること,実際に事象を見学したり,事実を確かめるために調査したりすることなどを行い,情報の収集を行うこと。また,そうした情報をまとめて整理したり,関連付けたりする発表や討論を行うこと。これらの学習活動によって学習の深まりが期待できる。
5.第 2 節 内容の取扱いについての配慮事項
(6) グループ学習や異年齢集団による学習などの多様な学習形態,地域の人々の協力も得つつ,全教師が一体となって指導に当たるなどの指導体制について工夫を行うこと。
●多様な学習形態の工夫を行うことは,生徒の様々な興味・関心や多様な学習活 動に対応し,主体的・対話的で深い学びを進めるため必要なことである。例えば, 興味・関心別のグループ,表現方法別のグループ,調査対象別のグループなど多様なグループ編成や,学級を越えた学年全体での活動,さらには教え合いや学び 合いの態度を育むために異年齢の生徒が一緒に活動することにも考慮する必要がある。
●異年齢集団で学習を進めることは,上級生のリーダーシップを育み,下級生にとっても各自の資質や能力だけでは経験できないような学習活動を経験できたり,上級生の姿を見て,「自分もこうありたい」,「自分ならこんなことができそうだ」という意欲を高めることができたりするという利点がある。一方で,全員が 学習内容を理解するための時間がかかったり,学習活動の管理が難しくなったりすることも考えられる。
正解です。
不正解です。
小学校における総合的な学習の時間の取組も踏まえなければいけません。
不正解です。
各学校における総合的な学習の時間の名称については、各学校において適切に定めることになっています。
不正解です。
学習活動に見学や調査も含みます。
不正解です。
異年齢集団による学習も行います。
中学校学習指導要領総合的な学習の時間の「指導計画の作成と内容の取扱い」について、『中学校学習指導要領解説 』にも目を通して、内容理解をしておきましょう。
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