公立学校教員の過去問
令和5年度(R6年度採用)
高等学校に関する問題 問1
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問題
公立学校教員採用選考試験(教職教養) 令和5年度(R6年度採用) 高等学校に関する問題 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
高等学校学習指導要領総則の「教育課程の編成」に関する記述として適切なものは、次のうちのどれか。
- 卒業までに履修させる単位数の計は、各教科・科目の単位数並びに総合的な探究の時間の単位数を含めて74単位以上とし、単位については、1単位時間を50分とし、30単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする。
- 各教科・科目等の授業時数等については、定時制の課程において、特別の事情がある場合には、ホームルーム活動の授業時数の一部を減じ、又はホームルーム活動及び生徒会活動の内容の一部を行わないものとすることができる。
- 各教科・科目等の内容等の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は、当該科目を履修する全ての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものではないので、学校において必要がある場合には、この事項にかかわらず指導することができる。
- 学校においては、道徳教育を推進するために、生徒の特性や進路、学校や地域の実態等を考慮し、地域や産業界等との連携を図り、産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設けるとともに、地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮するものとする。
- 生徒や学校の実態等に応じ、必要がある場合には、必履修教科・科目を履修させた後に、義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設定科目等を履修させるようにすること。
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この過去問の解説 (3件)
01
『高等学校学習指導要領』総則の「教育課程の編成」からの出題です。
●教育課程編成の原則は、各学校においては,教育基本法及び学校教育法その他の法令並びにこの章(第1章)以下に示すところに従い,生徒の人間として調和のとれた育成を目指し,生徒の心身の発達の 段階や特性等,課程や学科の特色及び学校や地域の実態を十分考慮して,適切な教育 課程を編成するものとし,これらに掲げる目標を達成するよう教育を行うものとする。
●教育課程の編成に当たっては,学校教育全体や各教科・科目等における指導を通して育成を目指す資質・能力を踏まえつつ,各学校の教育目標を明確にするとともに,教育課程の編成についての基本的な方針が家庭や地域とも共有されるよう努めるものとする。
では、『高等学校学習指導要領解説』を参考に、設問を1つ1つみていきましょう。
1. 3 教育課程の編成における共通的事項 (1) 各教科・科目及び単位数等
ア 卒業までに履修させる単位数等
各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位数の計は,各教科・科目の単位数並び に総合的な探究の時間の単位数を含めて74 単位以上とする。単位については,1単位時間50分とし,35 単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする。
●生徒が履修すべきものとして定める各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位数の合計は 74 単位以上でなければならない。ただし,これは高等学校在学中に履修させる単位数の下限を定めたものであり,生徒の実態に応じ,各学校が,生徒により多くの単位数を履修させることを妨げるものではない。各学校においては,学校の教育目標や生徒の負担等を十分に考慮した上で,適切な 単位数を設定することが求められる。
●各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位数の合計の中には必ず次の単位数を含めなければならない。第一に,全ての生徒に履修させる、必履修教科・科目及び総合的な探究の時間・専門教科・科目・「産業社会と人間」(総合学科で履修)
●単位は,各教科・科目等について必要となる学習時間を測る尺度として用いられるものであり,標準としては、1単位時間を50 分とし,35 単位時間行われた授業を1単位と計算の基礎とし,それを標準として計算された単位数に見合う学習時間量を確保することを前提として,実際の時間割編成に当たっては,授業の1単位時間を弾力的に運用できることとしている。
2. 3 教育課程の編成における共通的事項 (3) 各教科・科目等の授業時数等
カ 定時制の課程におけるホームルーム活動の授業時数の取扱いに関する特例
定時制の課程において,特別の事情がある場合には,ホームルーム活動の授業時数の一部を減じ,又はホームルーム活動及び生徒会活動の内容の一部を行わないものとすることができる。
●「特別の事情がある場合」とは,一般的にいえば,生徒の勤務の実態, 交通事情などの事情がある場合である。
●定時制の課程においては,ホームルーム活動の授業時数を原則として年間 35 単位時間以上としている趣旨を踏まえて,地域や生徒の実態等を考慮しながら,適切なホームルーム活動の授業時数を定める必要がある。
●特別活動の各活動については取り組むべき内容を具体的に明示しており,定時制においてこれらの活動の全てを行うことが難しい特別の事情がある場合には,その一部を行わないものとすることができることとしたもの
3.ア 学習指導要領に示していない事項の指導に当たっての配慮事項
(5)各教科・科目等の内容等の取扱い
ア 各教科・科目等の内容の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は,当該科目を履修する全ての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり,学校において必要がある場合には,この事項にかかわらず指導することができる。ただし,これらの場合には,第2章以下 に示す教科,科目及び特別活動の目標や内容の趣旨を逸脱したり,生徒の負担 が過重となったりすることのないようにするものとする。
●各教科・科目及び特別活動の指導に当たり,学校において必要であると認められる場合には,学習指導要領に示していない内容でも、これを加えて教育課程を編成,実施することができることを示している。
●学習指導要領の基準性が明確に示されている趣旨を踏まえ,全ての生徒に対して指導するものとして学習指導要領に示している内容を確実に指導した上で,更に知識及び技能を深めたり高めたりするとともに,思考力,判断力,表現力等を豊かにしたり,学びに向かう力,人間性等を涵養したりすることが期待される。
●これらの指導によって,生徒の負担が過重となったりすることのないよう,十分に留意
4.(7) キャリア教育及び職業教育に関して配慮すべき事項
ア 就業体験活動の機会の確保
ア 学校においては,キャリア教育及び職業教育を推進するために,生徒の特性や進路,学校や地域の実態等を考慮し,地域や産業界等との連携を図り,産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設けるとともに,地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮するものとする。
●社会人・ 職業人として自立していくためには,生徒一人一人の勤労観,職業観を育てるキャリ ア教育を充実することが重要
●実社会や職業との関わりを通じて,高い職業意識・職業観と規範意識,コミュニ ケーション能力等に根ざした実践力を高めることを一層重視
●就業に関わる体験的な学習の指導を適切に行うように示すとともに,普通科を含めてどの学科においても,キャリア教育を推進する
●就業体験活動については,特別活動においても勤労観,職業観の形成や進路の選択決定などに資する体験として一定期間行うことが望まれている
●各学校においては,体系的なキャリア教育を推進するとともに,地域や産業界等と十分な連携・協力を図り,就業体験活動を適切に実施できるように十分配慮する必要がある。
5.4 学校段階等間の接続
(2) 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図る工夫
生徒や学校の実態等に応じ,必要がある場合には,例えば次のような工夫を行い,義務教育段階での学習内容の確実な定着を図るようにすること。
ウ 義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設定科目等を履修させた後に,必履修教科・科目を履修させるようにすること。
●必履修教科・科目を履修させる前に,義務教育段階の学習内容の定着を図ることを目標とした学校設定科目等を履修させるという方策を示している。学校設定科目等となっているのは,学校設定科目以外にも,学校設定教科などを活用することが考えられるためである。
●学校設定科目の目標や内容については「その科目の属する教科の目標に基づき」定めることとされており、学校設定教科及び当該教科に関する科目の目標や内容については「高等学校教育の目標及びその水準の維持等に十分配慮」しなければならない。
不正解です。
「30単位」→「35単位」
正解です。
不正解です。
「示したものではない」→「示したものなので」
不正解です。
「道徳教育」→「キャリア教育及び職業教育」
不正解です。
「必履修教科・科目を履修させた後に・・・学校設定科目等を履修させる」
→「学校設定科目等を履修させた後に,必履修教科・科目を履修させる」
『高等学校学習指導要領』総則の「教育課程の編成」に目を通し、『高等学校学習指導要領解説』を参照しながら内容理解をしておきましょう。
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02
高等学校学習指導要領総則の「教育課程の編成」によると、
1 各学校の教育目標と教育課程の編成教育課程の編成に当たっては,学校教育全体や各教科・科目等における指導を通し て育成を目指す資質・能力を踏まえつつ,各学校の教育目標を明確にするとともに,教育課程の編成についての基本的な方針が家庭や地域とも共有されるよう努めるものとする。その際,第4章の第2の1に基づき定められる目標との関連を図るものとする。
各教科・科目及び単位数等、学習の基盤となる資質・能力などと照らし合わせて問題を考えます。
不正解です。
× 卒業までに履修させる単位数の計は、各教科・科目の単位数並びに総合的な探究の時間の単位数を含めて74単位以上とし、単位については、1単位時間を50分とし、30単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする。
◯ 卒業までに履修させる単位数の計は、各教科・科目の単位数並びに総合的な探究の時間の単位数を含めて74単位以上とし、単位については、1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする。
正解です。
◯ 各教科・科目等の授業時数等については、定時制の課程において、特別の事情がある場合には、ホームルーム活動の授業時数の一部を減じ、又はホームルーム活動及び生徒会活動の内容の一部を行わないものとすることができる。
不正解です。
× 各教科・科目等の内容等の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は、当該科目を履修する全ての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものではないので、学校において必要がある場合には、この事項にかかわらず指導することができる。
◯ 各教科・科目等の内容等の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は、当該科目を履修する全ての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり、学校において必要がある場合には、この事項にかかわらず指導することができる。
不正解です。
× 学校においては、道徳教育を推進するために、生徒の特性や進路、学校や地域の実態等を考慮し、地域や産業界等との連携を図り、産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設けるとともに、地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮するものとする。
◯ 学校においては、キャリア教育及び職業教育を推進するために、生徒の特性や進路、学校や地域の実態等を考慮し、地域や産業界等との連携を図り、産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設けるとともに、地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮するものとする。
不正解です。
× 生徒や学校の実態等に応じ、必要がある場合には、必履修教科・科目を履修させた後に、義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設定科目等を履修させるようにすること。
◯ 生徒や学校の実態等に応じ、必要がある場合には、学校設定科目等を履修させた後に、必履修教科・科目を履修させるようにすること。
かなり広い範囲の中から出題されています。小学校・中学校と比較し、違いを押さえておくといいでしょう。
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03
高等学校学習指導要領総則の「教育課程の編成」に関する記述は次のようになっています。
卒業までに履修させる各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位数の計は、各教科・科目の単位数並びに総合的な探究の時間の単位数を含めて 74 単位以上とする。単位については、1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位として計算することを標準とします。
定時制の課程において、特別の事情がある場合には、ホームルーム活動の授業時 数の一部を減じ,又はホームルーム活動及び生徒会活動の内容の一部を行わないも のとすることができます。
各教科・科目等の内容等の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は、当該科目を履修する全ての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり、学校において必要がある場合には、この事項にかかわらず指導することができます。
学校においては、キャリア教育及び職業教育を推進するために、生徒の特性や進路、学校や地域の実態等を考慮し,地域や産業界等との連携を図り、産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設けるとともに、地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮するものとします。
義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設定科目等を履修させた後に、必履修教科・科目を履修させるようにします。
各教科・科目及び単位数等(第1章総則第2款3(1)ア)より、
卒業までに履修させる各教科・科目及び総合的な探究の時間の単位数の計は、各教科・科目の単位数並びに総合的な探究の時間の単位数を含めて 74 単位以上とする。単位については、1単位時間を50分とし、35単位時間の授業を1単位として計算することを標準とする。
とあり、30単位時間の授業ではなく、35単位時間の授業であるため、
選択肢1は間違いです。
各教科・科目等の授業時数等(第1章総則第2款3(3)カ)より、
定時制の課程において、特別の事情がある場合には、ホームルーム活動の授業時 数の一部を減じ,又はホームルーム活動及び生徒会活動の内容の一部を行わないも のとすることができる。
とあるため、選択肢2は正解です。
各教科・科目等の内容等の取扱い(第1章総則第2款3(5))より、
各教科・科目等の内容等の取扱いのうち内容の範囲や程度等を示す事項は、当該科目を履修する全ての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものであり、学校において必要がある場合には、この事項にかかわらず指導することができる。
とあり、選択肢3は間違いです。
キャリア教育及び職業教育に関して配慮すべき事項(第1章総則第2款3(7)ア)より、
学校においては、キャリア教育及び職業教育を推進するために、生徒の特性や進路、学校や地域の実態等を考慮し,地域や産業界等との連携を図り、産業現場等における長期間の実習を取り入れるなどの就業体験活動の機会を積極的に設けるとともに、地域や産業界等の人々の協力を積極的に得るよう配慮するものとする。
とあり、道徳教育ではなく、キャリア教育及び職業教育であるため、選択肢4は間違いです。
学校段階等間の接続(第1章総則第2款4(2)ウ)より、
義務教育段階での学習内容の確実な定着を図ることを目標とした学校設定科目等を履修させた後に、必履修教科・科目を履修させるようにすること。
とあり、必履修教科・科目を履修させた後ではなく、学校設定科目等を履修させた後であるため、
選択肢5は間違いです。
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