看護師の過去問 第104回 午前 問102

1.誤りです。軽費老人ホームは、自立した日常生活を送ることに不安を抱える60歳以上の高齢者向けの住居です。Aさんは日常生活上の介護が必要であり、軽費老人ホームは適していません。

2.正解です。介護老人福祉施設は、療養上の世話や介護が必要な65歳以上の高齢者が入所します。原則要介護3~5の高齢者であることが条件であり、要介護4であるAさんに適しています。

3.誤りです。回復期リハビリテーション病棟は、脳血管疾患などの急性期を過ぎた患者が自宅に帰って生活するためのリハビリテーションを行う病棟です。現在Aさんにはリハビリテーションよりも日常生活上の介護が必要であるため適していません。

4.誤りです。認知症対応型共同生活介護は、各自の自立度に応じた支援を受けながら少人数で生活し、自立した生活を送ることを目的とした共同生活住居です。日常生活が自立している要介護認知症高齢者が入居の対象であり、Aさんには適していません。

答えは２です。

長男の妻が脳出血で入院しているという点から、自宅でAさんの介護をするのが「長期的」に困難になったと考えられます。
またAさんは「要介護４」という点から、Aさんに適した施設を問われています。

１．軽費老人ホームは、生活が自立または要支援の高齢者を対象としているので、要介護４のAさんには適してしません。

２．介護老人福祉施設は、重度の介護を必要とする高齢者を長期的に受け入れている施設です。
Aさんに適していると考えられます。

３．回復期リハビリテーション病棟は、自宅での生活を目標とし、ADLの向上を図るために、リハビリテーションを行う病棟です。Aさんには適していないと考えられます。

４．認知症対応型共同生活介護とは、認知症のある高齢者ができる限り自立した生活が送れるようになることを目標とした施設です。要介護４のAさんには適していないと考えられます。

正解は２です。

１．誤り。軽費老人ホーム（ケアハウス）は低所得者でも入所可能な施設であり、軽度の日常生活の援助を受けることができますが、看護師の配置規定義務はありません。重度の認知機能の低下があり、要介護4のA氏は日常生活のほとんどに介護が必要であると考えられるため、看護師が常勤している施設が望ましいです。

２．正解。介護老人保健施設は、在宅復帰・在宅療養支援のため、リハビリテーションを提供し、身体機能の維持および改善の役割を担っていますが、医師および看護師が常勤しているため、要介護4であるA氏に十分な看護を提供できると考えられます。

３．誤り。回復期リハビリテーション病棟は在宅復帰・在宅療養支援のためのリハビリテーションを中心に提供するものです。

４．誤り。認知症対応型共同生活介護（認知症高齢者グループホーム）は65歳以上の要支援2以上の介護認定を受けた方が利用できるものです。介護職員を利用者3名に対して、介護職員1名以上の比率で配置する規定がありますが、看護師の配置規定義務はありません。