看護師の過去問
第106回
午前 問45
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問題
看護師国家試験 第106回 午前 問45 (訂正依頼・報告はこちら)
看護師が医療事故を起こした場合の法的責任について正しいのはどれか。
- 罰金以上の刑に処せられた者は行政処分の対象となる。
- 事故の程度にかかわらず業務停止の処分を受ける。
- 民事責任として業務上過失致死傷罪に問われる。
- 刑法に基づき所属施設が使用者責任を問われる。
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この過去問の解説 (4件)
01
医療事故を起こした看護師が問われる法的責任は、以下の3つがあります。
【民事責任】
「過失によって、患者の生命・身体などに損害を与えた場合、生じた損害に対して金銭的に填補を行う」ことで、損害賠償(民法709条など)に明記されています。
【刑事責任】
「過失によって患者を死傷させてしまった場合、5年以下の懲役、もしくは禁錮、または100万円以下の罰金に科せられる」ことで、業務上過失致死傷罪(刑法211条1項)に明記されています。
【行政責任】
処分事由は様々ですが、「医療事故だけでなく、窃盗や人身事故などによって罰金以上の刑に処せられた場合、戒告、3年以下の業務停止、または免許の取り消し」が科せられることで、看護師免許に対する処分(保健師助産師看護師法14条)に明記されています。
〇1.→ 業務停止の処分(行政責任)は、刑事責任で有罪になった場合に行政責任として科せられます。
✕2.→ 業務停止の処分(行政責任)は、刑事責任で有罪になった場合に行政責任として科せられるもののため、「事故の程度に関わらず」は間違いです。
✕3.→ 民事責任は「損害賠償」、「業務上過失致死傷罪」は刑事責任です。
✕4.→ 刑法(刑事責任)において責任が問われるのは、過失を起こした看護師本人であり、所属施設ではありません。
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02
看護師が医療事故の当事者となった場合、以下の法的責任を問われる可能性があります。
民事責任:損害賠償(民法709条)
起こった損害に対して金銭的に賠償する
刑事責任:業務上過失致死傷罪(刑法211条第1項)
5年以下の懲役もしくは禁錮、または
100万円以下の罰金
行政責任:看護師免許に対する処分
(保助看法14条)
戒告、3年以内の業務停止、または免許の取消し
看護師等が、罰金以上の刑に処せられた場合や業務に関する不正の行為があった場合、または看護師等としての品位を損するような行為があった時等に際し、看護倫理の観点からその適性等を問い、厚生労働大臣がその免許を取り消し、または期間を定めてその業務の停止等を命ずるものである。
(厚生労働省 保健師助産師看護師に対する行政処分の考え方 参照)
2.処分内容の決定おいては、司法処分の量刑や刑の執行が猶予されたか否かといった判決内容を参考にしつつ、その事案の重大性、看護師等に求められる倫理、国民に与える影響等の観点から、個別に判断されるべきものであり、かつ公正に行われなければならないと考えるとされています。行政処分の程度は、事案の悪質性や注意義務の程度を考慮して判断します。
(厚生労働省 保健師助産師看護師に対する行政処分の考え方 参照)
3.業務上致死傷罪に問われるのは、刑事責任になります。行政処分の程度は、基本的には司法処分の量刑などを参考に決定されます。
4.刑事責任は、個人責任であり医療事故を起こした看護師が問われることになります。
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03
看護師の過失により患者の生命などに損害を与えた場合、以下の3つの
法的責任を負う可能性があります。
①民事責任
発生した損害を金銭に換算し、支払う(損害賠償 民法709条など)
②刑事責任
過失に対する個人の責任を罰する
5年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金に処せられる
(業務上過失致死傷罪 刑法211条1項など)
③行政責任
刑事責任に問われた場合、看護師免許に対する処分として下される
戒告、3年以内の業務停止、または免許の取り消し(保助看法14条など)
○1. 罰金以上の刑、つまり刑事責任に問われており、行政処分の対象です。
×2. 刑事責任に問われた場合のみ業務停止の処分を受けるため、
事故の程度にかかわります。
×3. 業務上過失致死罪は刑事責任です。
×4. 刑事責任は個人の責任に対する責任のため、看護師本人が問われます。
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04
1:○
罰金以上の刑に処された看護師に対しての行政処分については、保健師助産師看護師法第9条・第14条第1項に定められています。
参考:保健師・助産師・看護師の行政処分についてー厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/06/s0608-11/1a.html
参考:改正 保健師助産師看護師の行政処分の考え方についてー厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/07/s0722-15.html
2:×
業務停止は選択肢1で解説した「罰金以上の刑に処された」者に対しての処分であり、事故の程度によって下される刑事罰に基づく判断のため、こうは言い切れません。
3:×
民事責任としては業務上過失致死罪に問われることはなく、問われるのは刑事責任としてです。
4:×
刑法を根拠とするのは刑事責任の方で、その刑法において責任が問われるのは過失を犯した看護師本人となります。
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