看護師の過去問
第109回
午前 問42

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問題

看護師国家試験 第109回 午前 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

砕石位による手術で起こりやすい合併症はどれか。
  • 猿手
  • 尖足
  • 下垂手
  • 腸骨部の褥瘡

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この過去問の解説 (3件)

01

正答:2

解説:砕石位とは仰臥位より膝部を曲げ、大腿部を挙上し、股関節を外転した体位です。陰部、産科的・婦人科的な診療などに用いられます。

1、猿手:正中神経障害により起こる症状で、側臥位時の肘部の過度の伸展が原因です。

2、尖足:砕石位用支脚台による腓骨神経の圧迫により、尖足が起こります。

3、下垂手:橈骨神経障害により起こる症状で、側臥位時の上腕の内側、外側の圧迫が原因です。

4、腸骨部の褥瘡:側臥位時に起こりやすい褥瘡部位です。砕石位の褥瘡発生ポイントは、仙骨、支脚台の圧迫による腓腹部、踵部です。

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02

砕石位とは、患者を仰臥位とし、その後、両脚を挙上して開脚させ、膝を曲げた状態で下肢を固定して得られる体位です。

1 .猿手とは、手のひらを前に向けて腕を前に伸ばした時に前腕骨の長軸が上腕骨の長軸よりも極端に外側へ開いている状態のことを言います。これは正中神経麻痺によって起こりますが、砕石位ではおこらないため、×。
2 .尖足とは、足の甲側が伸び、足先が下垂したまま元に戻らなくなった状態のことです。踵を地面につけることができないため、足先で歩くような状態になり、体の支持機能に影響を及ぼします。
支脚器により、腓骨頭が圧迫されることによる腓骨神経麻痺が合併症にあり、尖足になるリスクがあるため、〇。
3 .下垂手とは、手首の背屈と手指の付け根の関節が伸ばせなくなる状態をいいます。橈骨神経麻痺によって生じますが、砕石位では起こらないため、×。
4 .砕石位の手術では、仙骨部、腓腹部、踵部の褥瘡が多いため、腸骨部の褥瘡は、×。

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03

正解:2
(解説)
砕石位は、患者を仰臥位にした後に両脚を挙上して開脚させ、膝を曲げた状態で下肢を固定して得られる体位になります。砕石位は、泌尿器科領域や婦人科領域、消化器外科領域の肛門・直腸などの疾患の診断や治療の際に用いられ、下肢の固定には、屈曲した膝関節から下腿上部を裏から支える支脚器を使用します。砕石位では、股関節や膝関節を屈曲することによる下肢の循環障害、開脚した下肢を固定するための支脚器に神経が圧迫されることによる神経障害などが起こる可能性があります。よって、正解は「2」となります。
(補足)
他の選択肢については、以下の通りです。
1.猿手:掌を前に向け腕を前に伸ばした時に、肘の関節が直線より外側に曲がる状態の腕のことをいいます。正中神経麻痺によって、母指球筋や母子対立筋等が障害されることにより生じます。砕石位では正中神経麻痺が起こることはないため、正解には該当しません。
3.下垂手:橈骨神経麻痺によって、主に前腕や手の伸筋群が障害され、手首を持ち上げたり(反らしたり)、手指を伸ばしたりできなくなる状態のことをさします。腕が圧迫された状態での臥床、上腕や肘の骨折、深い切り傷などが原因としてあげられますが、原因がはっきりしないこともあります。砕石位では、起こりにくいため正解には該当しません。
4.腸骨部の褥瘡:側臥位の際に好発しやすくなります。砕石位では主に仙骨部の褥瘡のリスクがあるため、正解には該当しません。

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