社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
社会調査の基礎 問85

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問題

社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 社会調査の基礎 問85 (訂正依頼・報告はこちら)

横断調査と縦断調査に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 同一の調査票を使って、昨年はN県、今年はP県で量的調査を実施することは、パネル調査に当たる。
  • 横断調査と縦断調査の違いは、調査地域の広さや調査対象者数などといった調査の規模が異なることによる。
  • パネル調査では、調査を重ねるごとに調査対象者が増加する傾向がある。
  • 出生時期を同じくする集団を調査対象にして、複数の時期に調査を行うことは、縦断調査に含まれる。
  • 縦断調査のデータ分析は、横断調査に比べて、二つの変数間で原因と結果という因果関係を推論することには適していない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、4番です。

1、パネル調査とは、調査対象者と質問は同一のまま、反復して調査し、時間の経過による標本の変化をみる調査方法です。

2、横断調査は、性別・年齢・職業などの様々なデータを収集する1回限りの調査を言います。

縦断調査は、特定の集団や個人を対象に、一定の期間に複数回行われる調査を言います。

3、パネル調査では、第2回目以降の調査において何らかの理由で調査に参加しない者が生じ、サンプル数が減少することがあります。この現象を、「パネルの摩耗」といいます。

4、問題文の通りです。

5、縦断調査は、時間的な前後関係を判断することができるため、2つの出来事のどちらかが原因と結果なのかを明確にし、因果関係を推測しやすいとされています。

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02

社会調査には量的調査と質的調査があり、この問いである横断調査と縦断調査は量的調査の方法です。

選択肢1. 同一の調査票を使って、昨年はN県、今年はP県で量的調査を実施することは、パネル調査に当たる。

パネル調査とは、最初に横断調査を行い、その対象者を固定したまま時間間隔を空けて何度も横断調査を行うことです。

選択肢2. 横断調査と縦断調査の違いは、調査地域の広さや調査対象者数などといった調査の規模が異なることによる。

横断調査とは、一回のみの調査のこと、

縦断調査とは、同じ対象者に対し、時間を空けて何度も調査を行うことです。

選択肢3. パネル調査では、調査を重ねるごとに調査対象者が増加する傾向がある。

パネル調査では、調査を重ねるごとに調査対象者が減少する傾向があります。

何回も調査を繰り返すにつれ、参加しない人が出てくるためです。

選択肢4. 出生時期を同じくする集団を調査対象にして、複数の時期に調査を行うことは、縦断調査に含まれる。

その通りです。

選択肢5. 縦断調査のデータ分析は、横断調査に比べて、二つの変数間で原因と結果という因果関係を推論することには適していない。

縦断調査のデータ分析は、因果関係を推論することには適しています。

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03

本設問では「横断調査」と「縦断調査」の特徴について理解しておく事が必要となります。

選択肢1. 同一の調査票を使って、昨年はN県、今年はP県で量的調査を実施することは、パネル調査に当たる。

✕ パネル調査は、一定期間の間に、繰り返し同じ対象者に対して同じ質問を行う調査方法です。選択肢の内容では、N県とP県で調査を実施する事から調査対象者が変化するため、パネル調査とは言えません。

選択肢2. 横断調査と縦断調査の違いは、調査地域の広さや調査対象者数などといった調査の規模が異なることによる。

✕ 横断調査と縦断調査の違いは調査の規模ではなく、調査の実施回数の違いにあります。

選択肢3. パネル調査では、調査を重ねるごとに調査対象者が増加する傾向がある。

✕ パネル調査では調査対象者を変更せず、同じ対象者に対して調査を実施します。しかし、調査対象者が調査協力を拒否するなど、様々な理由から調査対象者の減少が発生しやすい調査方法と言えます。

選択肢4. 出生時期を同じくする集団を調査対象にして、複数の時期に調査を行うことは、縦断調査に含まれる。

〇 対象となる集団は一定であり、複数の時期で調査を実施しているため、縦断調査に含まれます。

選択肢5. 縦断調査のデータ分析は、横断調査に比べて、二つの変数間で原因と結果という因果関係を推論することには適していない。

✕ 横断調査は調査の実施が一回だけのため、調査結果も一回分しか得る事が出来ません。そのため二つの変数間で原因と結果という因果関係の推論はできません。対して縦断調査は複数回の調査を実施するため、因果関係の推論を行う事が出来ます。

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