社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
社会調査の基礎 問89

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問題

社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 社会調査の基礎 問89 (訂正依頼・報告はこちら)

調査手法としての観察法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • マジックミラー(ワンウェイミラー)を使った観察を行ってはならない。
  • 調査者が、調査対象とする集団や地域社会に入り込み、人々と活動や生活を共にしながら、データ収集をすることもある。
  • 実験室のような人工的な環境を作り、その中を観察して調査することはしない。
  • 調査対象者の生活に関わる日記や写真を質的データとして扱うことはない。
  • 客観的データを収集するためには、調査者は調査対象者とオーバーラポールになる必要がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

観察法には、大きく分けて、自然な姿を観察する自然観察法、調査者が積極的に関わる参与観察法、人工的な環境を作るなどする実験的観察法があります。

選択肢1. マジックミラー(ワンウェイミラー)を使った観察を行ってはならない。

調査者の存在を意識させず、自然な姿を観察する方法の一つとして使用します。

選択肢2. 調査者が、調査対象とする集団や地域社会に入り込み、人々と活動や生活を共にしながら、データ収集をすることもある。

その通りです。

選択肢3. 実験室のような人工的な環境を作り、その中を観察して調査することはしない。

そのような観察法もあります。

選択肢4. 調査対象者の生活に関わる日記や写真を質的データとして扱うことはない。

質的データには、日記や写真も含まれます。

選択肢5. 客観的データを収集するためには、調査者は調査対象者とオーバーラポールになる必要がある。

客観的データを収集するためには、調査者は調査対象者と適切な距離感を保たなければなりません。

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02

正解は、「調査者が、調査対象とする集団や地域社会に入り込み、人々と活動や生活を共にしながら、データ収集をすることもある。」です。

選択肢1. マジックミラー(ワンウェイミラー)を使った観察を行ってはならない。

観察法においては、マジックミラーを使った観察を行う場合もあります。

選択肢2. 調査者が、調査対象とする集団や地域社会に入り込み、人々と活動や生活を共にしながら、データ収集をすることもある。

問題文のような調査は、「参与観察法」といいます。

選択肢3. 実験室のような人工的な環境を作り、その中を観察して調査することはしない。

調査対象者に適した環境を作り出し調査を行います。

選択肢4. 調査対象者の生活に関わる日記や写真を質的データとして扱うことはない。

事例研究法において、手紙や日記といった私的文書も収集対象となります。

選択肢5. 客観的データを収集するためには、調査者は調査対象者とオーバーラポールになる必要がある。

誤った説明です。

参考になった数18

03

調査を実施するに当たって、観察法という方法が取られる事がありますが、それに用いられる手法は様々です。

選択肢1. マジックミラー(ワンウェイミラー)を使った観察を行ってはならない。

✕ マジックミラー(ワンウェイミラー)は調査対象者から観察者の姿が見えないため、観察者の影響を受ける事無く調査を行う事が可能です。

選択肢2. 調査者が、調査対象とする集団や地域社会に入り込み、人々と活動や生活を共にしながら、データ収集をすることもある。

〇 フィールドワークの一環として実施される事があります。

選択肢3. 実験室のような人工的な環境を作り、その中を観察して調査することはしない。

✕ 量的研究の一つとして実施されています。

選択肢4. 調査対象者の生活に関わる日記や写真を質的データとして扱うことはない。

✕ 調査に当たって、日記や写真などを用いる場合もあります。

選択肢5. 客観的データを収集するためには、調査者は調査対象者とオーバーラポールになる必要がある。

✕ オーバーラポールとは、調査対象者と調査者が親密な関係になりすぎる事を言います。調査において親密な関係になりすぎると、主観的要素が増えるため、客観的データの収集は困難となります。

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