社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
相談援助の理論と方法 問103

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問題

社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 相談援助の理論と方法 問103 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、U病院のH医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)のクライエントへの対応として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Jさん(26歳、女性)の3歳になる娘は、先天性の肺疾患でU病院に入院中であったが、在宅療養に切り替えることになった。退院に際して、医師はJさんに、「ご自宅で長時間のケアをご家族が担うことになりますので福祉サービスの利用が必要になると思います」と伝え、相談室に行くように勧めた。Jさんは、「今のところ福祉サービスの利用は必要ないと思います」と返答したが、数日後、担当看護師に促されて相談室を訪れた。Jさんは、H医療ソーシャルワーカーに、「自分の子なので自分で看たいと思っています。誰にも任せたくないので、福祉サービスを利用するつもりはありません」と、うつむきながら告げた。
  • Jさんには福祉サービスの利用希望がないので、支援の必要がないと判断する。
  • Jさんに医師の指示なので面接する必要があると伝える。
  • Jさんが相談室に来たことをねぎらい、退院後の生活を一緒に考えたいと伝える。
  • Jさんにカウンセラーからカウンセリングを受けるように勧める。
  • Jさんに自分の役割や相談室の機能などについて説明する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 3 と 5 です

1 .✕:Jさんには福祉サービスの利用希望がないので、支援の必要がないと判断する。

うつむきながら」といった、非言語的コミュニケーションの様子から、支援の必要はあると思われます

2 .✕:Jさんに医師の指示なので面接する必要があると伝える。

これでは、必要性が伝わりません

3 .○:Jさんが相談室に来たことをねぎらい、退院後の生活を一緒に考えたいと伝える。

Jさんを尊重し、共感的理解を示しており、信頼関係(ラポール)の形成に繋がります

4 .✕:Jさんにカウンセラーからカウンセリングを受けるように勧める。

この段階でカウンセリングの必要性は不明であり、心の問題だと決めつけています。必要だとしても、Jさんが自ら自己決定できるよう、面接技法を駆使して支援していくべきです

5 .○:Jさんに自分の役割や相談室の機能などについて説明する。

機関や、ソーシャルワーカーの役割と、提供するサービスについて理解してもらいます

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02

事例問題です。

選択肢1. Jさんには福祉サービスの利用希望がないので、支援の必要がないと判断する。

×

ソーシャルワーカーは支援の必要性を「判断」することはありません

クライアントのデマンドから、ニーズを掘り出し傾聴することが必要です。

選択肢2. Jさんに医師の指示なので面接する必要があると伝える。

×

ソーシャルワーカーが行う面接・面談は医療補助行為ではなく、

医師の指示のもとに行われることではありません。

▶補足1:社会福祉士及び介護福祉士法第2条第1項では社会福祉士の定義について「(前略)医師(中略)その他関係者との連絡及び調整その他の援助を行うことを業とする者」と定めています。

▶補足2:社会福祉士及び介護福祉士法施行規則では、社会福祉士が医師の指示の下に行うことのできる行為として下記を定めています。

一 口腔内の喀痰かくたん吸引

二 鼻腔内の喀痰吸引

三 気管カニューレ内部の喀痰吸引

四 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養

五 経鼻経管栄養

選択肢3. Jさんが相談室に来たことをねぎらい、退院後の生活を一緒に考えたいと伝える。

適切です。

相談援助過程の中で、開始期にはクライアントの不安を取り除き、

ラポールの形成に努めます。

選択肢4. Jさんにカウンセラーからカウンセリングを受けるように勧める。

×

なぜカウンセラーが出てきたのか、なぜJさんにカウンセリングが必要なのか、

根拠が不明瞭です。

選択肢5. Jさんに自分の役割や相談室の機能などについて説明する。

適切です。

相談援助過程の中で、開始期にはクライアントの不安を取り除き、

ラポールの形成に努めます。

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03

本事例は「インテーク」の場面であり、その場面に適した関わり方を選択する必要があります。

選択肢1. Jさんには福祉サービスの利用希望がないので、支援の必要がないと判断する。

✕ Jさんは言葉では福祉サービスの利用がないと話していますが、うつむきながら話しており、それが本心かどうかが分かりません。また、福祉サービスを利用せずJさん一人が娘さんの介護をする事で、Jさんの娘さんの体調が維持できなくなる可能性も考えられます。Jさんの思いを聞き、生活状況などを把握しながらJさんもJさんの娘さんの生活も良い状態を保てるよう支援する必要があります。

選択肢2. Jさんに医師の指示なので面接する必要があると伝える。

✕ 「医師の指示」という言葉で面接を強制するような言い方は好ましくありません。面接は、JさんとJさんの娘さんの退院後の生活をより良いものにしていくために行うものであり、強制的に行うものではありません。

選択肢3. Jさんが相談室に来たことをねぎらい、退院後の生活を一緒に考えたいと伝える。

〇 JさんやJさんの娘さんの事を第一に考え、寄り添う姿勢が見られています。Jさんと信頼関係を築くために適切な対応であると考えられます。

選択肢4. Jさんにカウンセラーからカウンセリングを受けるように勧める。

✕ カウンセラーのカウンセリングは、心理面に関する助言などを受ける事を目的としています。現時点で心理面の助言が必要かどうかは分からず、そもそもカウンセリングの必要性はソーシャルワーカーが決定するものでもありません。

選択肢5. Jさんに自分の役割や相談室の機能などについて説明する。

〇 Jさんが相談室を訪れるのは初めてとなるため、相談室の役割が理解できていない可能性もあります。H医療ソーシャルワーカーは相談室が持つ機能と役割や、医療ソーシャルワーカーとして関わる自分の役割などについて説明する事は適切な対応と考えられます。

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