社会福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 問136

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問題

社会福祉士試験 第34回(令和3年度) 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 問136 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、Bスクールソーシャルワーカー(社会福祉士)によるこの時点での対応として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Bスクールソーシャルワーカーは、C君(小学6年生)の学級担任のD教師から相談を受けた。C君は、母親が病気で動けないため、母親の手伝いや2歳の妹の世話をしており、学校を休むことが多いという。Bスクールソーシャルワーカーが登校してきたC君と二人で話すと、父親は仕事が忙しく、家族と過ごす時間が少ないこと、C君は父親から、家庭内のことは誰にも話さないようにと言われていることが分かった。C君は、「学校には来たいけれど、母や妹のことが心配だ」と話した。
  • C君に、このまま家族の犠牲になっていては、将来に影響すると話す。
  • 保護者に対し、学校を休みがちで心配だと伝え、家庭訪問を打診する。
  • 関係機関によるケース会議が必要であることを校長に報告する。
  • 乳児家庭全戸訪問事業として家庭訪問を行う。
  • 妹を一時保護する。

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この過去問の解説 (3件)

01

SSWとして取るべき行動について問われています。

選択肢1. C君に、このまま家族の犠牲になっていては、将来に影響すると話す。

×

C君本人は学校に行きたいという意思を持っていながら、家庭がそれを許さない状態となっています。

本人に話すことよりも、まわりの環境に働きかけ本人の「学校に行きたい」という意思を後押しできる環境を整えることが大切です。

選択肢2. 保護者に対し、学校を休みがちで心配だと伝え、家庭訪問を打診する。

適切です。

日本国民として、C君の保護者である父親・母親にはC君に教育を受けさせる義務がありますが、それを履行していない状態といえます。

選択肢3. 関係機関によるケース会議が必要であることを校長に報告する。

適切です。

本事象では、母の病気、父が家のことを外で話さないように伝えていることなど、複雑な事情が絡み合っています。

SSWと本人間のコミュニケーションだけでなく、適切な機関とつながりながら解決を目指すことが必要です。

選択肢4. 乳児家庭全戸訪問事業として家庭訪問を行う。

×

乳児家庭全戸訪問事業は生後4ヶ月までの乳児のいる全ての家庭を訪問する活動です。

2歳の妹さんは対象になりません。

選択肢5. 妹を一時保護する。

×

妹の現状についての言及は問題文中にありません。

C君が学校にいけないことに対する直接的な対策として今は適切であるとは言えません。

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02

正解は 2 と 3 です

1×.C君に、このまま家族の犠牲になっていては、将来に影響すると話す。

犠牲という言葉でC君の頑張りと家族を否定しています

2◎.保護者に対し、学校を休みがちで心配だと伝え、家庭訪問を打診する。

家庭の内情を知られたくない父親に対して「学校を休みがち」という視点で話し合いを始めることで受け入れられやすいと考えられます

3◎.関係機関によるケース会議が必要であることを校長に報告する。

様々な支援の必要性が考えられるため、ケース会議を行うことは適切です

4×.乳児家庭全戸訪問事業として家庭訪問を行う。

生後4ヶ月までの乳児がいる家庭が対象の事業です

5×.妹を一時保護する。

妹が安全を脅かされている環境にいる様子はこの段階では見受けられないため必要ありません

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03

スクールソーシャルワーカーとしての対応について問われています。「問題解決は、児童・生徒、あるいは保護者、学校関係者との協働によって図られる」という観点から選択肢を検討するようにしましょう。「個人と環境の双方に働きかける」というソーシャルワークの手法にも注目しましょう。

選択肢1. C君に、このまま家族の犠牲になっていては、将来に影響すると話す。

適切ではありません。C君の置かれている環境は、C君自身の行動だけによって解決できるものとは考えられません。スクールソーシャルワーカーとしてC君に所感を話すだけでは、適切な支援とはいえません。

選択肢2. 保護者に対し、学校を休みがちで心配だと伝え、家庭訪問を打診する。

適切です。C君の置かれている環境に働きかけを行っています。

選択肢3. 関係機関によるケース会議が必要であることを校長に報告する。

適切です。C君の置かれている環境に働きかけを行っています。

選択肢4. 乳児家庭全戸訪問事業として家庭訪問を行う。

適切ではありません。乳児家庭全戸訪問事業は、生後4か月までの乳児のいるすべての家庭を訪問し、様々な不安や悩みを聞き、子育て支援に関する情報提供等を行うとともに、親子の心身の状況や養育環境等の把握や助言を行い、支援が必要な家庭に対しては適切なサービス提供につなげることを目的として行われます。実施主体は市町村とされますが、スクールソーシャルワーカーが実施するものではありません

選択肢5. 妹を一時保護する。

適切ではありません。事例として、妹が養育に極端に不適切な状態に置かれている旨の記述はなく、また一時保護はスクールソーシャルワークの権能でもありません

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