社会保険労務士の過去問
第47回(平成27年度)
社労士 | 社会保険労務士試験 択一式 問6
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問題
社労士試験 第47回(平成27年度) 択一式 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
労働基準法に定める労働時間等に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア 労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときであっても、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合には、当該行為に要した時間は、労働基準法上の労働時間に該当しないとするのが、最高裁判所の判例である。
イ 労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制が適用されるためには、単位期間内の各週、各日の所定労働時間を就業規則等において特定する必要があり、労働協約又は就業規則において、業務の都合により4週間ないし1か月を通じ、1週平均38時間以内の範囲内で就業させることがある旨が定められていることをもって、直ちに1か月単位の変形労働時間制を適用する要件が具備されているものと解することは相当ではないとするのが、最高裁判所の判例である。
ウ 労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨を定めていたとしても、36協定は私法上の権利義務を設定する効果を有しないため、当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わないとするのが、最高裁判所の判例である。
エ 労働基準法第41条第2号により、労働時間等に関する規定が適用除外される「機密の事務を取り扱う者」とは、必ずしも秘密書類を取り扱う者を意味するものでなく、秘書その他職務が経営者又は監督若しくは管理の地位にある者の活動と一体不可分であって、厳格な労働時間管理になじまない者をいう。
オ 医師、看護師の病院での宿直業務は、医療法によって義務づけられるものであるから、労働基準法第41条第3号に定める「監視又は断続的労働に従事する者」として、労働時間等に関する規定の適用はないものとされている。
ア 労働者が、就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときであっても、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合には、当該行為に要した時間は、労働基準法上の労働時間に該当しないとするのが、最高裁判所の判例である。
イ 労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制が適用されるためには、単位期間内の各週、各日の所定労働時間を就業規則等において特定する必要があり、労働協約又は就業規則において、業務の都合により4週間ないし1か月を通じ、1週平均38時間以内の範囲内で就業させることがある旨が定められていることをもって、直ちに1か月単位の変形労働時間制を適用する要件が具備されているものと解することは相当ではないとするのが、最高裁判所の判例である。
ウ 労働基準法第32条の労働時間を延長して労働させることにつき、使用者が、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合等と書面による協定(いわゆる36協定)を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出た場合において、使用者が当該事業場に適用される就業規則に当該36協定の範囲内で一定の業務上の事由があれば労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる旨を定めていたとしても、36協定は私法上の権利義務を設定する効果を有しないため、当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負わないとするのが、最高裁判所の判例である。
エ 労働基準法第41条第2号により、労働時間等に関する規定が適用除外される「機密の事務を取り扱う者」とは、必ずしも秘密書類を取り扱う者を意味するものでなく、秘書その他職務が経営者又は監督若しくは管理の地位にある者の活動と一体不可分であって、厳格な労働時間管理になじまない者をいう。
オ 医師、看護師の病院での宿直業務は、医療法によって義務づけられるものであるから、労働基準法第41条第3号に定める「監視又は断続的労働に従事する者」として、労働時間等に関する規定の適用はないものとされている。
- ( アとウ )
- ( イとエ )
- ( ウとオ )
- ( アとエ )
- ( イとオ )
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この過去問の解説 (3件)
01
三菱重工長崎造船所事件の判例です。
労基法上の労働時間の定義は、
「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」です。
「事業主の指揮命令下」におかれているか否かがポイントとなります。
(参考:法32条、最判H12.3.9)
イ 正しいです。
大星ビル管理事件の判例です。
1か月単位の変形労働時間制が適用されるためには、単位期間内の各週、各日の所定労働時間を就業規則等において特定する必要があります。
設問の場合は、変形労働時間制を適用する要件が具備されているとはいえません。
(参考:法32条の2、最判H14.2.28)
ウ 間違いです。
日立製作所武蔵工場事件の判例で、36協定と就業規則との関係の問題です。
・36協定を締結して労働基準監督署に届け出
・就業規則に合理的な規定
がある場合、それが労働契約の内容になるので、その就業規則の規定に従って、
従業員は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を負います。
(参考:法36条、最判H3.11.28)
エ 正解です。
機密の事務を取り扱う者の定義です。
(参考:法41条2項)
オ 間違いです。
医師、看護師であっても、所轄労働基準監督署長の許可(届け出ではなく許可です)を受けた場合に限り、
労働基準法上の労働時間等に関する規定は適用除外となります。
(参考:法41条、則23条、昭和24.3.22基発第352号)
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02
ア、× 就業を命じられた業務の準備行為等を事業所内において行うことを義務付けられ、又はこれを余儀なくされたときであっても、当該行為を所定労働時間外において行うものとされている場合には、当該行為に要した時間は、労働基準法上の労働時間に該当します。(H12・三菱重工長崎造船所事件)
イ、〇 法第32条の2に定める「1か月単位の変形労働時間制」が適用されるための設問です。(法32条2)
ウ、× 36協定は私法上の権利義務を設定する効果を有しないため、当該就業規則の規定の内容が合理的なものであるか否かにかかわらず、労働者は労働契約に定める労働時間を超えて労働をする義務を「負う」とするのが、最高裁判所の判例です。(法32条)
エ、〇 「機密の事務を取り扱う者」の設問です。(法41条2)
オ、× 「監視又は断続的労働に従事する者」として、労働時間等に関する規定の適用が除外されています。(法41条3)
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03
要した時間は、使用者の指揮命令下に置かれているもの
と評価することができ、その行為が社会通念上必要と認
められる限り、労基法上の労働時間に該当する、と解さ
れています。(最判一小平成12.3.9三菱重工長崎造船所
事件)
イ 設問の通りであり、正しいです。(最判一小平成14.2.28
大星ビル管理事件)
ウ 誤りです。最高裁の判例では、36協定を締結しており、
労働時間を延長して労働させることができる旨を定めて
いる場合、当該就業規則の規定の内容が合理的なもので
ある限り、それが具体的な労働契約内容をなすことにな
るから、労働者はその定めるところに従い、労働契約に
定める労働時間を超えて労働する義務を負う、と解され
ています。(最判一小平成3.11.28日立製作所武蔵工場事
件、最判大昭和43.12.25秋北バス事件)
エ 設問の通りであり、正しいです。(法41条2号、昭和22.
9.13発基17号)
オ 誤りです。医師、看護師の宿直業務は、無条件で労働時
間等の規定の適用が除外されるわけではなく、所轄労働
基準監督署長の許可を受けた場合に限られています。
(法41条3号、則23条、昭和63.3.14基発150号)
以上のことから、正しいものはイ・エであり
正解は2となります。
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