社会保険労務士の過去問
第49回(平成29年度)
国民年金法 問9

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問題

社労士試験 第49回(平成29年度) 択一式 国民年金法 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

国民年金の給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 老齢基礎年金の支給を受けている者が平成29年2月27日に死亡した場合、未支給年金請求者は、死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給されていない同年1月分と2月分の年金を未支給年金として請求することができる。なお、死亡日前の直近の年金支払日において、当該受給権者に支払うべき年金で支払われていないものはないものとする。
  • 障害等級3級の障害厚生年金の受給権者が65歳となり老齢基礎年金及び老齢厚生年金の受給権を取得した場合、この者は、障害等級3級の障害厚生年金と老齢基礎年金を併給して受けることを選択することができる。
  • 夫婦ともに老齢基礎年金のみを受給していた世帯において、夫が死亡しその受給権が消滅したにもかかわらず、死亡した月の翌月以降の分として老齢基礎年金の過誤払が行われた場合、国民年金法第21条の2の規定により、死亡した夫と生計を同じくしていた妻に支払う老齢基礎年金の金額を当該過誤払による返還金債権の金額に充当することができる。
  • 遺族である子が2人で受給している遺族基礎年金において、1人が婚姻したことにより受給権が消滅したにもかかわらず、引き続き婚姻前と同額の遺族基礎年金が支払われた場合、国民年金法第21条の2の規定により、過誤払として、もう1人の遺族である子が受給する遺族基礎年金の支払金の金額を返還すべき年金額に充当することができる。
  • 65歳に達したときに老齢基礎年金の受給資格を満たしていたが、裁定を受けていなかった68歳の夫が死亡した場合、生計を同じくしていた65歳の妻は、夫が受け取るはずであった老齢基礎年金を未支給年金として受給することができる。この場合、夫が受け取るはずであった老齢基礎年金は、妻自身の名で請求し、夫が65歳に達した日の属する月の翌月分から死亡月の分までの受け取るはずであった年金を受け取ることになる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1.年金給付は、毎年2月、4月、6月、8月、10月及び12月の6期に、それぞれの前月までの分を支払います。
12月分と1月分を2月15日に支給していますので、2月分の年金を未支給年金として請求できます。なお、2月1日に死亡しても、2月28日に死亡しても、同様に2月分の年金を未支給年金として請求できます。

2.障害基礎年金と老齢厚生年金は併給できますが、老齢基礎年金と障害厚生年金は併給できません。

3.夫に支給する老齢基礎年金と妻に支給する老齢基礎年金とでは、それぞれ支給事由が異なりますので、当該過誤払による返還金債権の金額に充当することはできません。

4.過誤払による返還金債権の金額に充当することができるのは、受給権者の死亡を原因とする場合のみです。

5.国民年金法第19条3項に、「死亡した受給権者が死亡前にその年金を請求していなかったときは、自己の名で、その年金を請求することができる。」とあり、未裁定であっても請求することができます。

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02

1 誤りです。死亡した者に支給すべき年金でまだその者に支給
  されていない「同年2月分の年金」を、未支給年金として請求
  できます。(法18条1項、3項、19条1項)
2 誤りです。65歳となっても、老齢基礎年金と障害厚生年金は
  併給できません。(法20条1項、法附則9条の2の4)
3 誤りです。設問の場合、支給事由が異なるため、妻に支払う
  老齢基礎年金の金額を、死亡した夫の老齢基礎年金の過誤払
  による返還金債権の金額に充当することはできません。(法
  21条の2、則86条の2)
4 誤りです。過誤払による充当の規定は、受給権者の「死亡」
  を原因とする場合のみです。よって、設問の子の遺族基礎年
  金の受給権が、「婚姻」によって消滅した場合の当該年金の
  過誤払に、充当の規定は適用されません。
  【参考】国民年金と厚生年金の制度間による充当処理も行う
      ことはできませんので、併せて確認してください!
  (法21条の2)
5 設問の通りであり、正しいです。設問の場合、死亡した夫は
  老齢基礎年金の受給資格を満たしていたが、その年金を請求
  していなかったので、妻は自己の名でその年金を請求し、夫
  の死亡月の分まで、未支給年金として受け取ることができま
  す。(法18条1項、19条1項、3項)

以上のことから、正解は5となります。

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03

正解は5です。
1.誤り
設問の場合、平成29年2月15日に、前年の12月分と1月分が支給されているはずなので、まだ支給されていない未支給年金は「2月分のみ」となります。(法18条1項、3項、法19条1項、3項)
2.誤り
老齢基礎年金と障害厚生年金は併給されません。
(法20条1項、法附則9条の2の4)
3.誤り
設問の場合のように、死亡した夫と生計を同じくしていた妻に支払う老齢基礎年金は、当該過誤払による返還金債権の金額に充当できる対象とはなっていません。(法21条の2、則86条の2)
4.誤り
子の遺族基礎年金の受給権が「婚姻」によって消滅しており、当該子の「死亡」によって過誤払があったわけではないので、充当処理の規定は適用されません。(法21条の2)
5.正しい
設問の通り、当該妻は夫が裁定を受けていなかった老齢基礎年金を、妻自身の名で請求し、受け取ることができます。
(法18条1項、法19条1項、3項)

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