社会保険労務士の過去問
第51回(令和元年度)
労働者災害補償保険法 問8

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問題

社労士試験 第51回(令和元年度) 択一式 労働者災害補償保険法 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

労働保険の保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 労働保険徴収法第10条において政府が徴収する労働保険料として定められているものは、一般保険料、第1種特別加入保険料、第2種特別加入保険料、第3種特別加入保険料及び印紙保険料の計5種類である。
  • 一般保険料の額は、原則として、賃金総額に一般保険料率を乗じて算出されるが、労災保険及び雇用保険に係る保険関係が成立している事業にあっては、労災保険率、雇用保険率及び事務経費率を加えた率がこの一般保険料率になる。
  • 賃金総額の特例が認められている請負による建設の事業においては、請負金額に労務費率を乗じて得た額が賃金総額となるが、ここにいう請負金額とは、いわゆる請負代金の額そのものをいい、注文者等から支給又は貸与を受けた工事用物の価額等は含まれない。
  • 継続事業で特別加入者がいない場合の概算保険料は、その保険年度に使用するすべての労働者(保険年度の中途に保険関係が成立したものについては、当該保険関係が成立した日からその保険年度の末日までに使用するすべての労働者)に係る賃金総額(その額に1,000円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。以下本肢において同じ。)の見込額が、直前の保険年度の賃金総額の100分の50以上100分の200以下である場合は、直前の保険年度に使用したすべての労働者に係る賃金総額に当該事業についての一般保険料に係る保険料率を乗じて算定する。
  • 政府は、厚生労働省令で定めるところにより、事業主の申請に基づき、その者が労働保険徴収法第15条の規定により納付すべき概算保険料を延納させることができるが、有期事業以外の事業にあっては、当該保険年度において9月1日以降に保険関係が成立した事業はその対象から除かれる。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 × 特例納付保険料を含めた6種類となります。
(法10条2項)

2 × 一般保険料の算出にあたっては、事務経費率は使用しません。
(法11条1項)

3 × 請負金額に支給又は貸与を受けた工事要物の価格等は含まれます。
(法11条2項、則12条、13条)

4 〇 設問のとおりです。継続事業の概算保険料は、賃金総額の見込み額が直前の保険年度の賃金総額の「100分の50以上100分の200以下」である場合は、直前の保険年度に使用した賃金総額に一般保険料に係る保険料率を乗じて算定します。
(法15条1項、則24条1項)

5 × 有期事業以外の事業にあっては、10月1日以降に保険関係が成立した場合は延納することができません。
(法18条、則27条)

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02

正解:4

1:誤
 特例納付保険料が抜けています。事業主が雇用保険被保険者資格取得届の提出を怠っていた場合、「被保険者資格の確認を行う日の2年前の日よりも前の時期に、賃金から雇用保険料を控除されていたことが確認された場合」に、保険料の徴収時効である2年経過後においても当該事業主が納付できる保険料のことですよね。 事業主の懈怠による労働者の不利益を回避するための救済措置です(労働保険料徴収法第26条)。

2:誤
 事務経費率なるものが何なのかよく分かりませんが、事業主が負担する労働保険料の算定には無関係です。正しくは「労災保険率及び雇用保険率」です。

3:誤
 則第13条第2項1号には「事業主が注文者その他の者からその事業に使用する物の支給を受け、又は機械器具等の貸与を受けた場合には、支給された物の価額に相当する額(消費税等相当額を除く。)又は機械器具等の損料に相当する額(消費税等相当額を除く。)を請負代金の額(消費税等相当額を除く。)に加算する」と規定されています。
 そもそも請負とは、「自己の責任と負担で準備し、調達する機械、設備若しくは器材(業務上必要な簡易な工具を除く。)又は材料若しくは資材により、業務を処理すること」が要件の一つとされています(昭和61年労働省告示第37号、平成24年9月27日厚生労働省告示第518号)。注文者から提供・貸与を受けた物・機械器具等は本来、事業主が負担し請負代金に加算して注文者に請求すべきものですので、労働保険料の計算においても、これを加算して計算します。

4:正
 設問のとおり、賃金総額の見込額の特例からの出題です(則第24条第1項)。

5:誤
 9月1日以降ではなく10月1日以降です。「当該保険年度において10月1日以降に保険関係が成立した事業はその対象から除かれる」が正しい表現です。

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03

正解:4

1:誤り
法10条で定められている労働保険料とは、「一般保険料」「第一種特別加入保険料」「第二種特別加入保険料」「第三種特別加入保険料」「印紙保険料」「特例納付保険料」の「6種類」になるので誤りになります。

2:誤り
一般保険料率においては「事務経費率」は存在しないので誤りになります。
「労災保険率、雇用保険率及び事務経費率」を「労災保険率及び雇用保険率」になおすと正しい設問になります。

3:誤り
請負金額とは、いわゆる請負代金の額そのものに限られず、例えば、事業者が注文者等からその事業に使用する工事用の資材等を支給されたり、又は機械器具等を貸与された場合は、支給された物(工事用物)の価額相当額又は機械器具等の損料相当額を請負代金に含めるものとされているため誤りになります。

4:正しい
そのとおり正しい設問になります。

5:誤り
「9月1日以降」ではなく「10月1日以降」に保険関係が成立した事業は延納の対象から除かれるので誤りになります。

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