社会保険労務士の過去問
第51回(令和元年度)
雇用保険法 問1

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問題

社労士試験 第51回(令和元年度) 択一式 雇用保険法 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

雇用保険法第14条に規定する被保険者期間に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 最後に被保険者となった日前に、当該被保険者が特例受給資格を取得したことがある場合においては、当該特例受給資格に係る離職の日以前における被保険者であった期間は、被保険者期間に含まれる。
  • 労働した日により算定された本給が11日分未満しか支給されないときでも、家族手当、住宅手当の支給が1月分あれば、その月は被保険者期間に算入する。
  • 二重に被保険者資格を取得していた被保険者が一の事業主の適用事業から離職した後に他の事業主の適用事業から離職した場合、被保険者期間として計算する月は、前の方の離職の日に係る算定対象期間について算定する。
  • 一般被保険者である日給者が離職の日以前1か月のうち10日間は報酬を受けて労働し、7日間は労働基準法第26条の規定による休業手当を受けて現実に労働していないときは、当該離職の日以前1か月は被保険者期間として算入しない。
  • 雇用保険法第9条の規定による被保険者となったことの確認があった日の2年前の日前における被保険者であった期間は被保険者期間の計算には含めないが、当該2年前の日より前に、被保険者の負担すべき額に相当する額がその者に支払われた賃金から控除されていたことが明らかである時期がある場合は、その時期のうち最も古い時期として厚生労働省令で定める日以後の被保険者であった期間は、被保険者期間の計算に含める。

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この過去問の解説 (3件)

01

 本試験では誰もが、時間が足りなくなります。この設問では、正しい肢を見つければ他は無視できます。明らかに正しい肢5に気づけば、他の肢1~4を長々と考える時間を捨てて、次の問題に行けます。そうすることで時間を節約し、全体をバランス良く解きましょう。

正解:5

1:誤
 設問の「特例受給資格に係る離職の日以前における被保険者であった期間」は、被保険者期間に含まれません。最後に被保険者となった日前に、当該被保険者が受給資格を取得したことがある場合においては、当該受給資格に係る離職の日以前における被保険者であった期間も、被保険者期間に含まれません。受給資格、高年齢受給資格、特例受給資格、いずれも考え方は同じです(雇用保険法第12条第2項1号)。

2:誤
 賃金支払基礎日数は「本給」で判断されます。極端な例ですが、1日しか仕事がなかった月を想像してください。本給が1日分支給され、家族手当、住宅手当は1か月分の固定額が支給されるケースでも、設問が正だとすると被保険者期間に算入されてしまいます。本給が支給された日数=賃金支払基礎日数であり、これが11日以上あれば被保険者期間1カ月にカウントされます。

3:誤
 設問の場合、「後」の方の離職の日に係る算定対象期間について算定されます。何らかの事情で二重に被保険者資格を取得したとして、後の方の離職の日より前は、離職していない(まだ雇用関係が続いている、働いている)状態、と考えれば、正解は「後」だと判断できます。

4:誤
 休業手当が支給された日は賃金支払基礎日数に含まれます。事業主都合の休業、雇用関係が継続する中で賃金に代わる休業手当が支給されています。

5:正
 特例納付保険料については、頻出事項になりつつあります。事業主が雇用保険被保険者資格取得届の提出を怠っていた場合、「被保険者資格の確認を行う日の2年前の日よりも前の時期に、賃金から雇用保険料を控除されていたことが確認された場合」に、保険料の徴収時効である2年経過後においても当該事業主が納付できる保険料です。 事業主の懈怠による労働者の不利益を回避するための救済措置です(労働保険料徴収法第26条)。

参考になった数25

02

正解:5

1:誤り
設問の特例受給資格に係る離職の日以前における被保険者であった期間は、当該特例受給資格に基づいて特例一時金を受給したか否かに関わらず、被保険者期間の算定の対象となる被保険者であった期間に含めないこととされているため、誤りになります。

2:誤り
家族手当、住宅手当の支給が1か月分ある場合でも、本給が11日分未満である場合は、その月は被保険者期間に参入しないので誤りになります。
被保険者期間の計算は、賃金支払基礎日数が11日以上のときに「被保険者期間1か月」として計算されますが、この賃金支払基礎日数は「本給」の支払基礎日数でみていくという取扱いになっています。

3:誤り
設問の場合は、前の方の離職の日に係る算定対象期間ではなく「後の方の離職の日」に係る算定対象期間として算定されるため誤りになります。

4:誤り
賃金支払基礎日数は、現実に労働した日数であることは要件とされていないため、労働基準法26条の休業手当の支給対象となった日数は、賃金支払基礎日数に算入されます。
したがって、設問の場合の賃金支払基礎日数は17日となり、被保険者期間に算入されることになるため誤りになります。

5:正しい
そのとおり正しい設問になります。
なお、設問の期間は、所定給付日数の算定の際に用いられる算定基礎期間にも算入されることになっています。

参考になった数9

03

1 × 最後に被保険者となった日以前に特例受給資格を取得したことがある場合、当該特例受給資格者に係る離職日以前における被保険者であった期間は、被保険者期間に含まれません。
(法14条2項1号)

2 × 家族手当、住宅手当等の支給が1月分ある場合でも本給が11日分未満しか支給されないときには、その月は被保険者期間に算入されません。
(行政手引50103)

3 × 被保険者期間として計算する月は後ろの方の離職の日に係る算定対象期間について算定します。
(行政手引21454)

4 × 労働基準法26条の休業手当が支給された場合のその休業手当の支給対象となった日数は賃金の支払の基礎となった日数に算入します。よって、その月の賃金の支払の基礎となった日数は17日となり、被保険者期間に算入されます。
(行政手引21454)

5 〇 設問のとおりです。尚、「賃金から控除されていたことが明らかである時期がある場合は、その時期のうち最も古い時期」を給与明細等で証明することが必要です。
(行政手引50103)

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