社会保険労務士の過去問
第51回(令和元年度)
厚生年金保険法 問2

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問題

社労士試験 第51回(令和元年度) 択一式 厚生年金保険法 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

厚生年金保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
※「厚生年金保険法の標準報酬月額の等級区分の改定等に関する政令」が施行されたことにより、令和2年9月から厚生年金保険の標準報酬月額の上限が変更になりました。
 この設問は令和元年に出題されたものですので、上記変更は反映されておりません。
  • 厚生年金保険の標準報酬月額は標準報酬月額等級の第1級88,000円から第31級620,000円まで区分されており、この等級区分については毎年3月31日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の4月1日から、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。
  • 被保険者の使用される船舶について、当該船舶が滅失し、沈没し、又は全く運航に堪えなくなるに至った場合には、事業主は当該被保険者に係る保険料について、当該至った日の属する月以降の免除の申請を行うことができる。
  • 厚生年金保険の保険料率は段階的に引き上げられてきたが、上限が1000分の183.00に固定(統一)されることになっている。第1号厚生年金被保険者の保険料率は平成29年9月に、第2号及び第3号厚生年金被保険者の保険料率は平成30年9月にそれぞれ上限に達したが、第4号厚生年金被保険者の保険料率は平成31年4月12日時点において上限に達していない。
  • 被保険者であった妻が死亡した当時、当該妻により生計を維持していた54歳の夫と21歳の当該妻の子がいた場合、当該子は遺族厚生年金を受けることができる遺族ではないが、当該夫は遺族厚生年金を受けることができる遺族である。
  • 育児休業期間中の第1号厚生年金被保険者に係る保険料の免除の規定については、任意単独被保険者は対象になるが、高齢任意加入被保険者はその対象にはならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

1 × その年の4月1日からではなく、その年の9月1日からです。
(法20条2項)

2 × 免除ではなく、保険料の繰上徴収の対象となります。
(法85条)

3 〇 設問のとおりです。尚、第4号厚生年金被保険者の保険料率は2027年(令和9年)に1,000分の183.00で固定されます。
(平成24年一元化法附則83条~85条)

4 × 夫については55歳以上であることが要件であるため、夫も遺族厚生年金を受けることができません。
(法59条1項)

5 × 育児休業期間中の保険料免除については、高齢任意加入被保険者も対象となります。
(法81条の2)

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02

正解:3

1:誤り
「その年の4月1日から」ではなく「その年の9月1日から」改定を行うことができるので誤りになります。

2:誤り
設問の場合は、保険料の免除申請を行うことはできないので誤りになります。
設問の事由は、保険料の繰上げ徴収の事由に該当するため、保険料は納期前であっても、すべて徴収することができるものとされています。

3:正しい
設問のとおり、正しい内容になります。
なお、第4号厚生年金被保険者の保険料率は、2027年(令和9年)に1000分の183に達するものとされています。

4:誤り
夫、父母又は祖父母については、「被保険者又は被保険者であった者の死亡の当時その者によって生計を維持したものであって、かつ、「55歳以上」であること」が要件とされており、設問の夫は、54歳なので要件に該当せず、遺族厚生年金を受けることができる遺族には該当しないので誤りになります。

5:誤り
高齢任意加入被保険者も、育児休業期間中の保険料免除の対象になりますので、誤りになります。

参考になった数9

03

解答:「厚生年金保険の保険料率は段階的に引き上げられてきたが・・・」が正解です。

選択肢1. 厚生年金保険の標準報酬月額は標準報酬月額等級の第1級88,000円から第31級620,000円まで区分されており、この等級区分については毎年3月31日における全被保険者の標準報酬月額を平均した額の100分の200に相当する額が標準報酬月額等級の最高等級の標準報酬月額を超える場合において、その状態が継続すると認められるときは、その年の4月1日から、健康保険法第40条第1項に規定する標準報酬月額の等級区分を参酌して、政令で、当該最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができる。

×

その年の「9月1日」から、最高等級の上に更に等級を加える標準報酬月額の等級区分の改定を行うことができます。

また、令和2年9月分より32等級650,000円が最高等級になっています。

選択肢2. 被保険者の使用される船舶について、当該船舶が滅失し、沈没し、又は全く運航に堪えなくなるに至った場合には、事業主は当該被保険者に係る保険料について、当該至った日の属する月以降の免除の申請を行うことができる。

×

船舶が滅失し、沈没し、又は全く運航に堪えなくなるに至った場合は、保険料の繰上徴収の対象となります。

保険料免除の申請を行うことはできません。

選択肢3. 厚生年金保険の保険料率は段階的に引き上げられてきたが、上限が1000分の183.00に固定(統一)されることになっている。第1号厚生年金被保険者の保険料率は平成29年9月に、第2号及び第3号厚生年金被保険者の保険料率は平成30年9月にそれぞれ上限に達したが、第4号厚生年金被保険者の保険料率は平成31年4月12日時点において上限に達していない。

第4号厚生年金被保険者の保険料率は平成31年4月12日時点において上限に達していません。

第4号厚生年金被保険者の保険料率が1000分の183.00になるのは、令和9年9月です。

選択肢4. 被保険者であった妻が死亡した当時、当該妻により生計を維持していた54歳の夫と21歳の当該妻の子がいた場合、当該子は遺族厚生年金を受けることができる遺族ではないが、当該夫は遺族厚生年金を受けることができる遺族である。

×

55歳以上でない(54歳)の夫は、遺族厚生年金を受けることができる遺族になりません。

選択肢5. 育児休業期間中の第1号厚生年金被保険者に係る保険料の免除の規定については、任意単独被保険者は対象になるが、高齢任意加入被保険者はその対象にはならない。

×

育児休業期間中の第1号厚生年金被保険者に係る保険料の免除は、高齢任意加入被保険者も「対象」になります。

参考になった数7