社会保険労務士の過去問
第54回(令和4年度)
労働基準法及び労働安全衛生法 問10
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問題
社労士試験 第54回(令和4年度) 択一式 労働基準法及び労働安全衛生法 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
労働安全衛生法に定める安全委員会、衛生委員会及び安全衛生委員会に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 衛生委員会は、企業全体で常時50人以上の労働者を使用する企業において、当該企業全体を統括管理する事業場に設置しなければならないとされている。
- 安全委員会は、政令で定める業種に限定してその設置が義務付けられているが、製造業、建設業、運送業、電気業、ガス業、通信業、各種商品小売業及び旅館業はこれに含まれる。
- 安全委員会及び衛生委員会を設けなければならないとされている場合において、事業者はそれぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができるが、これは、企業規模が300人以下の場合に限られている。
- 安全委員会及び衛生委員会の委員には、労働基準法第41条第2号に定める監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者を選任してはならないとされている。
- 事業者は、安全衛生委員会を構成する委員には、安全管理者及び衛生管理者のうちから指名する者を加える必要があるが、産業医を委員とすることについては努力義務とされている。
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この過去問の解説 (3件)
01
安全委員会、衛生委員会及び安全衛生委員会は、事業の種類と常時労働する人数の組み合わせによって、設置基準が変わります。すべての業種について意識しておくべき内容なので、整理して理解しておくとよいでしょう。それでは問題を見ていきましょう。
衛生委員会については、企業全体ではなく、事業場単位で規模の要件を判断することとされており、常時50人以上の労働者を使用する「事業場ごと」に設置しなければなりません。
本設問文のとおりです。
安全委員会を設置する必要がある業種を、本設問文で理解しておきましょう。
安全衛生委員会の設置にあたり、企業規模の上限設定はありません。
安全委員会及び衛生委員会の委員について、本設問文のような取扱いはありません。
両委員会の目的は、従業員の安全や心と体の健康のために、規定や計画を作り、実施を主導していくことであると言えるため、本設問文にある監督もしくは管理の地位にある者は、逆に選任すべき/されるべき者であると判断することが可能であると考えます。
安全衛生委員会を構成する委員には、必ず産業医を加えなければなりません。
「義務」であり、「努力義務」ではありません。
安全衛生委員会には、一言でいうと、従業員の安全や心と体の健康のために、規定や計画を作り、実施を主導していくことが求められているので、その重要な担い手である産業医を委員にすることは、努力義務では弱い(義務にすべき)点を指摘/判断可能であろうと考えます。
安全委員会、衛生委員会及び安全衛生委員会を設置する目的・ねらいをよく押さえておくことで、設問文の正誤が判断できるものもあります。
広い意味で、すべての事業に関係する事項なので、学習しておきましょう。
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02
安全委員会、衛生委員会及び安全衛生委員会の設置要件に関し、深く問うものです。安全委員会、衛生委員会と安全衛生委員会の要件を覚えていればすぐに回答できる問です。
誤:規模の要件が正しいですが、設置場所が異なります。企業全体を統括管理する事業場ではなく事業場ごとに設置が必要です。
(衛生委員会)
第十八条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。
衛生委員会は、企業全体で常時50人以上の労働者を使用する企業において、当該企業全体を統括管理する事業場に設置しなければならないとされている。
正:安全委員会の設置が必要となる事業場の規模及び業種に関する問いです。本肢の業種は安全委員会の設置が必要となる事業場です。
(安全委員会を設けるべき事業場)
第八条 法第十七条第一項の政令で定める業種及び規模の事業場は、次の各号に掲げる業種の区分に応じ、常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する事業場とする。
一 林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業及び輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業及び港湾運送業、自動車整備業、機械修理業並びに清掃業 五十人
二 第二条第一号及び第二号に掲げる業種(前号に掲げる業種を除く。) 百人
誤:安全衛生委員会を設置できる場合の要件に関する問です。安全委員会及び衛生委員会を設けなければならないときは設置できると規定されており、300人以下の場合という規定はありません。
(安全衛生委員会)
第十九条 事業者は、第十七条及び前条の規定により安全委員会及び衛生委員会を設けなければならないときは、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができる。
・・・安全衛生委員会を設置することができるが、これは、企業規模が300人以下の場合に限られている。
誤
安全委員会及び衛生委員会の委員には要件がありますが、記載したような要件はありません。
(安全委員会)
第十七条 事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、安全委員会を設けなければならない。(中略)
2 安全委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員(以下「第一号の委員」という。)は、一人とする。
一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 安全管理者のうちから事業者が指名した者
三 当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
(衛生委員会)
第十八条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。(中略)
2 衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員は、一人とする。
一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 衛生管理者のうちから事業者が指名した者
三 産業医のうちから事業者が指名した者
四 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
安全委員会及び衛生委員会の委員には、労働基準法第41条第2号に定める監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者を選任してはならないとされている。
誤:安全委員会及び衛生委員会を設けなければならないときは、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置できるとあり、衛生委員会の選任者と安全衛生委員会の選任者は同じあると想定されます。構成員には産業医のうちから事業者が指名した者を含める必要があります。
(安全衛生委員会)
第十九条 事業者は、第十七条及び前条の規定により安全委員会及び衛生委員会を設けなければならないときは、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができる。
2 安全衛生委員会の委員は、次の者をもつて構成する。ただし、第一号の者である委員は、一人とする。
一 総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者
二 安全管理者及び衛生管理者のうちから事業者が指名した者
三 産業医のうちから事業者が指名した者
四 当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
五 当該事業場の労働者で、衛生に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者
・・・事業者は、安全衛生委員会を構成する委員には、安全管理者及び衛生管理者のうちから指名する者を加える必要があるが、産業医を委員とすることについては努力義務とされている。
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03
この問題は、労働安全衛生法に基づく安全委員会、衛生委員会、及び安全衛生委員会の設置に関する規定について、その正誤を問うものです。
具体的には、これらの委員会の設置基準、対象業種、企業規模、委員の選任に関する内容が問われています。
誤り
解説:衛生委員会の設置は企業全体ではなく、事業場ごとに設置されます。
常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに設置する必要があります。
正しい
解説:安全委員会は、政令で定める特定の業種での設置が義務付けられています。製造業、建設業、運送業など、設問の業種はこれに該当します。
誤り
解説:安全委員会及び衛生委員会を設置する必要がある場合、安全衛生委員会の設置が許可されていますが、これは企業規模が300人以下に限られるわけではありません。
誤り
解説:安全委員会及び衛生委員会の委員に関して、監督や管理の地位にある者や機密事務を取り扱う者を選任してはならないという規定はありません。
むしろ、安全や衛生に関する経験や知識を持つ者が選任されることが望ましいです。
誤り
解説:安全衛生委員会を構成する委員には、安全管理者及び衛生管理者が含まれる必要がありますが、産業医を委員とすることは努力義務ではなく義務です。
安全委員会、衛生委員会、及び安全衛生委員会の設置は、労働者の安全と健康を守るための重要な機関です。
設置基準や委員の選任基準は、それぞれの事業場の特性や規模に応じて異なるため、具体的な規定を理解し、適切に適用することが必要です。
また、これらの委員会の設置や運用は、法的な義務であることを認識し、適切に対応することが重要です。
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