社労士の過去問 第54回(令和4年度) 労働者災害補償保険法 問8
この過去問の解説 (3件)
労働保険料の徴収/納付に関しては、当該業務に携わっている人以外にとっては、なじみの薄い分野かと考えます。自分が事業主になったと仮定して学習することで、身近なものとしてとらえて設問文や学習に臨めるようになれば、理解度がアップすると思います。それでは問題文を見ていきましょう。
本設問文のとおりです。
本設問文に関しては、特定の事由による健康被害の救済のための拠出にあたるので、メリット料率(割増・割引)の適用はせず平等/公平に拠出するものと理解しておくとよいでしょう。
本設問文のとおりです。
還付請求できる期間が通知を受けてから10日以内と、比較的短い点を意識しておくとよいでしょう。
本設問文のとおりです。
一括される事業を文書として公にするため、このような規定があるものと理解しておくとよいでしょう。
本設問文のとおりです。
「法令の改正を知らなかったこと(法令の不知)」は、確定保険料の認定決定に係る追徴金の徴収が免除される「天災その他やむを得ない理由」に該当しないため、追徴金が徴収されます。
労働保険料の納付を口座振替により行っている場合は、設問の申告書を提出するときに、年金事務所を経由することはできません。
提出するものが申告書のみであり、保険料(つまり現金)をその場で扱わない(口座振替にしている)場合には、関連しない「役所」(と乱暴に表現しますが)では扱わないものがあると理解しておくとよいでしょう。
なお、今後はこのようないわゆる「役所」の管轄を超えて「ワンストップ申請」のような範囲がシステム化等により拡大する方向になりうると考えられるので、世の中の情勢・動向に留意しておくとよいでしょう。
労働保険料の徴収に関する問です。「一般拠出金」、「労働保険料の還付」,「追徴金」は基本事項からの出題です。「一括有期事業の報告」はやや細かいですが、過去問などで問われている問です。「労働保険料」の経由に関する問で、ややこしいですが消去法で進め、口座振替して更に年金事務所を経由することができたか考えて回答できるでしょうか。
正:一般拠出金の額に関する問です。メリット制は労災保険率に関するもので、一般拠出金は労働保険料とは別個のものです。
石綿による健康被害の救済に関する法律
(一般拠出金の額)
第三十七条 第三十五条第一項の規定により労災保険適用事業主から徴収する一般拠出金(以下「一般拠出金」という。)の額は、徴収法第十条第二項第一号の一般保険料の計算の基礎となる賃金総額に一般拠出金率を乗じて得た額とする。
正:労働保険料の還付に関する問です。概算保険料>確定保険料の場合通知を受けた日の翌日から起算して10日以内に還付請求をしたときであり、正しいです。
(労働保険料の還付)
第三十六条 事業主が、法第十九条第一項及び第二項の申告書(第三十八条において「確定保険料申告書」という。)を提出する際に、又は法第十九条第四項の規定による通知を受けた日の翌日から起算して十日以内に、それぞれ、既に納付した概算保険料の額のうち、確定保険料の額を超える額(以下「超過額」という。)の還付を請求したときは、官署支出官又は事業場の所在地を管轄する都道府県労働局労働保険特別会計資金前渡官吏(以下「所轄都道府県労働局資金前渡官吏」という。)は、その超過額を還付するものとする
正:一括有期事業についての報告に関する問です。確定保険料の申告期限と同じタイミングで個々の事業の具体的な事業内容を報告します。保険料の清算で必要となります。
(一括有期事業についての報告)
第三十四条 法第七条の規定により一の事業とみなされる事業についての事業主は、次の保険年度の六月一日から起算して四十日以内又は保険関係が消滅した日から起算して五十日以内に、次に掲げる事項を記載した報告書を所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出しなければならない。
正:追徴金に関する問です。確定保険料の不足額、又は納付を怠った印紙保険料の額が1,000円未満の場合は徴収されません。
(追徴金)
第二十一条 政府は、事業主が第十九条第五項の規定による労働保険料又はその不足額を納付しなければならない場合には、その納付すべき額(その額に千円未満の端数があるときは、その端数は、切り捨てる。)に百分の十を乗じて得た額の追徴金を徴収する。ただし、事業主が天災その他やむを得ない理由により、同項の規定による労働保険料又はその不足額を納付しなければならなくなつた場合は、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する労働保険料又はその不足額が千円未満であるときは、同項の規定による追徴金を徴収しない。
誤:年金事務所を経由できる場合はどのような場合かという問です。基本的にはかなり限定されると覚えておきます。口座振替により納付する場合は年金事務所を経由できません。則38条2
・・・労働保険料の納付を口座振替により金融機関に委託して行っている社会保険適用事業所(厚生年金保険又は健康保険法による健康保険の適用事業所)の事業主は、(中略)一般保険料に係る確定保険料申告書を提出するとき、年金事務所を経由して所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出する・・・
労働保険の保険料徴収に関する問題です。
この問題では、労働保険の適用事業場の事業主に求められる一般拠出金の申告・納付、確定保険料の申告と決定、有期事業の報告、確定保険料の誤りによる追徴金、及び労働保険料の納付方法に関する規定が問われています。
正しい
解説:労災保険の適用事業場のすべての事業主は、労働保険の確定保険料の申告と同時に一般拠出金も申告・納付する必要があります。
一般拠出金の料率は、メリット制(割増・割引)の対象事業場であっても適用されません。
正しい
解説:概算保険料を納付した事業主が確定保険料申告書を提出しなかった場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官は正しい確定保険料を決定します。
納付済みの概算保険料が確定保険料を超えた場合、事業主は10日以内に還付請求が可能です。
正しい
解説:二つ以上の有期事業が一括されて一つの事業として扱われる場合、事業主は確定保険料申告書と一緒に各事業の詳細を記した一括有期事業報告書を提出しなければなりません。
正しい
解説:確定保険料申告書に誤りがあった場合、所轄都道府県労働局歳入徴収官が正しい確定保険料を決定し、不足額が1,000円以上であれば追徴金が課されます。
法令の不知による誤りも追徴金の対象となります。
誤り
解説:労働保険料の納付を口座振替で行っている社会保険適用事業所の事業主は、確定保険料申告書を年金事務所を経由して提出することはできません。
この問題の解決には、労働保険料の徴収プロセスと関連する法令に対する深い理解が必要です。
労働保険料の計算、申告、納付に関わる規定や、特定の状況下での手続き(例えば申告書の不提出や誤りがあった場合の処理)についての知識が求められます。
また、異なる種類の事業所での保険料の取り扱いに関する規定も重要です。
各選択肢を検討する際には、労働保険の規定と実際の業務プロセスを考慮して、その記述が現行の法令や規則に適合しているかどうかを判断することが重要です。
これには、労働保険関連の法令や行政指針に対する詳細な理解と、適用される場面における具体的な知識が必要となります。
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