社会保険労務士の過去問
第54回(令和4年度)
健康保険法 問2
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
社労士試験 第54回(令和4年度) 択一式 健康保険法 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
被保険者及び被扶養者に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 被保険者の数が5人以上である適用事業所に使用される法人の役員としての業務(当該法人における従業員が従事する業務と同一であると認められるものに限る。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関しては、傷病手当金を含めて健康保険から保険給付が行われる。
- 適用事業所に新たに使用されることになったが、使用されるに至った日から自宅待機とされた場合は、雇用契約が成立しており、かつ、休業手当が支払われるときには、その休業手当の支払いの対象となった日の初日に被保険者の資格を取得する。また、当該資格取得時における標準報酬月額の決定については、現に支払われる休業手当等に基づき決定し、その後、自宅待機が解消したときは、標準報酬月額の随時改定の対象とする。
- 出産手当金の支給要件を満たす者が、その支給を受ける期間において、同時に傷病手当金の支給要件を満たした場合は、出産手当金の支給が優先され、支給を受けることのできる出産手当金の額が傷病手当金の額を上回っている場合は、当該期間中の傷病手当金は支給されない。
- 任意継続被保険者となるためには、被保険者の資格喪失の日の前日まで継続して2か月以上被保険者(日雇特例被保険者、任意継続被保険者、特例退職被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)でなければならず、任意継続被保険者に関する保険料は、任意継続被保険者となった月から算定する。
- 保険者は、被保険者(任意継続被保険者を除く。)に被保険者証を交付しようとするときは、これを事業主に送付しなければならないとされているが、保険者が支障がないと認めるときは、これを被保険者に送付することができる。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
正解肢の5人未満の適用事業所に使用される法人の役員に関する論点は過去に何度も問われており、他の選択肢を見なくても特定できる人は多いと思います。その他の選択肢も法改正、給付の調整など比較的に基本事項からの出題です。
誤:法人の役員である被保険者の特例に関する問です。過去に同じ論点が出題されています。
「・・・被保険者の数が5人以上である適用事業所に使用される・・・」5人未満の場合について保険給付が行われます。
(法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る保険給付の特例)
第五十三条の二 被保険者又はその被扶養者が法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この条において同じ。)であるときは、当該被保険者又はその被扶養者のその法人の役員としての業務(被保険者の数が五人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務であって厚生労働省令で定めるものを除く。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関して保険給付は、行わない。
正:通達からの出題です。一時帰休等の措置がとられた場合における健康保険及び厚生年金保険の被保険者資格及び標準報酬の取扱いについて(昭和五〇年三月二九日)(保険発第二五号・庁保険発第八号)
1 被保険者資格の取扱い(中略)
(2) 自宅待機の場合
新たに使用されることとなつた者が、当初から自宅待機とされた場合の被保険者資格については、雇用契約が成立しており、かつ、休業手当等が支払われるときは、その休業手当等の支払の対象となつた日の初日に被保険者の資格を取得するものとすること。
正:出産手当金と傷病手当金の給付の調整に関する問です。
(出産手当金と傷病手当金との調整)
第百三条 出産手当金を支給する場合(第百八条第三項又は第四項に該当するときを除く。)においては、その期間、傷病手当金は、支給しない。ただし、その受けることができる出産手当金の額(同条第二項ただし書の場合においては、同項ただし書に規定する報酬の額と同項ただし書の規定により算定される出産手当金の額との合算額)が、第九十九条第二項の規定により算定される額より少ないときは、その差額を支給する。
正:任意継続被保険者の要件に関する問です。「“に”んい」の2と関係づけて覚えられます。継続して二月以上被保険者、資格喪失日から20日以内に被保険者になるための届出をすること。被保険者期間は任意継続被保険者となった日から2年間です。
4 この法律において「任意継続被保険者」とは、適用事業所に使用されなくなったため、又は第一項ただし書に該当するに至ったため被保険者(日雇特例被保険者を除く。)の資格を喪失した者であって、喪失の日の前日まで継続して二月以上被保険者(日雇特例被保険者、任意継続被保険者又は共済組合の組合員である被保険者を除く。)であったもののうち、保険者に申し出て、継続して当該保険者の被保険者となった者をいう。ただし、船員保険の被保険者又は後期高齢者医療の被保険者等である者は、この限りでない。
正:被保険者証の交付に関する、法改正事項からの出題で正しいです。
第四十七条
3 保険者は、第一項又は前項の規定により被保険者(任意継続被保険者を除く。以下この項及び次項において同じ。)に被保険者証を交付しようとするときは、これを事業主に送付しなければならない。ただし、保険者が支障がないと認めるときは、これを被保険者に送付することができる。
参考になった数15
この解説の修正を提案する
02
健康保険法に関する事項は、実⽣活でも⾝近な知識として使えるものが多いので、様々な設問に触れる中で、実⽣活に活かすように⾝につけていくとよいでしょう。それでは問題を⾒ていきましょう。
本設問文のうち、「5人以上」は「5人未満」が正しいです。
被保険者の数が5人未満である小規模の事業所については、本設問文のような救済がありえるであろう点が推察できれば、本設問文が誤りであると判断可能と考えます。
本設問文のとおりです。
本設問文のとおり理解しておきましょう。
本設問文のとおりです。
出産手当金も傷病手当金も、いずれも勤務できない場合の保障になるため、本設問文のような併給調整があるものと理解しておきましょう。
本設問文のとおりです。
本設問文のとおり理解しておきましょう。
本設問文のとおりです。
被保険者証の交付においては、被保険者へできるだけ早く到達させることが大事である点をふまえ、このような利便が図られている、と理解しておくとよいでしょう。
参考になった数9
この解説の修正を提案する
03
全体的に基本的な内容からの出題が多く、正誤判定に判断を迷う内容は少ないといえます。ほとんどの内容が、テキストに記載されているところからの出題ですので、間違えてしまった場合は、テキストに立ち返って、しっかり確認して得点できるようにしましょう。
誤り:(根拠)法53条の2、則52条の2
被保険者の数が5人「未満」である適用事業所に使用される法人の役員については、従業員が従事する業務と同じとみなして、健康保険の保険給付を受けることができます。
正しい:(根拠)法35条、S50.3.29保険発25号、庁保険発8号、H15.2.25保保発0225004号、庁保険発3号
新たに使用されることとなった者が、当初から自宅待機とされた場合の被保険者資格については、雇用契約が成立しており、かつ、休業手当等が支払われるときは、その休業手当等の支払の対象となった日の初日に被保険者の資格を取得するものとされます。
また、休業手当等をもって標準報酬の決定又は改定を行った後に一時帰休の状況が解消したときも、随時改定の対象となります。
正しい:(根拠)法103条1項
出産手当金と傷病手当金が同時に支給される場合は、出産手当金が優先して支給されます。なお、出産手当金の額よりも傷病手当金の額が多い場合は、その差額分が傷病手当金から支給されます。
正しい:法3条4項、法157条1項
任意継続被保険者となるためには被保険者の資格喪失の日の前日まで継続して2月以上被保険者でなければなりません。
また、任意継続被保険者の保険料は任意継続被保険者となった月から算定されます。
正しい:則47条1項,3項
被保険者証は原則として、事業主に送付しなければならないが、保険者が支障がないと認めるときは、これを被保険者に送付することができます。
被保険者及び被扶養者に関する問題は、キーワードをしっかり押さえることで容易に解答することができる問題が多いので、重要なキーワードを意識しながら問題を解くように意識すると正答しやすくなります。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問1)へ
第54回(令和4年度)問題一覧
次の問題(問3)へ