社会保険労務士の過去問
第54回(令和4年度)
厚生年金保険法 問2
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問題
社労士試験 第54回(令和4年度) 択一式 厚生年金保険法 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
適用事業所に使用される高齢任意加入被保険者(以下本問において「当該被保険者」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 当該被保険者を使用する適用事業所の事業主が、当該被保険者に係る保険料の半額を負担し、かつ、当該被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意をしたときを除き、当該被保険者は保険料の全額を負担するが、保険料の納付義務は当該被保険者が保険料の全額を負担する場合であっても事業主が負う。
- 当該被保険者に係る保険料の半額を負担し、かつ、当該被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことにつき同意をした適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を得て、将来に向かって当該同意を撤回することができる。
- 当該被保険者が保険料(初めて納付すべき保険料を除く。)を滞納し、厚生労働大臣が指定した期限までにその保険料を納付しないときは、厚生年金保険法第83条第1項に規定する当該保険料の納期限の属する月の末日に、その被保険者の資格を喪失する。なお、当該被保険者の事業主は、保険料の半額を負担し、かつ、当該被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負うことについて同意していないものとする。
- 当該被保険者の被保険者資格の取得は、厚生労働大臣の確認によってその効力を生ずる。
- 当該被保険者が、実施機関に対して当該被保険者資格の喪失の申出をしたときは、当該申出が受理された日の翌日(当該申出が受理された日に更に被保険者の資格を取得したときは、その日)に被保険者の資格を喪失する。
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この過去問の解説 (3件)
01
ご時世もあり、高齢であっても勤務する場合が少なくないと思われます。
その中で、高齢任意加入としたい場合がありえますので、身近な事項ととらえて学習すると、理解が早いと思います。
高齢任意加入(老齢を事由とする年金を受けられる加入期間がなく、70歳を過ぎても会社に勤める場合に、老齢の年金を受けられる加入期間を満たすまで任意に厚生年金保険に加入すること)の特性を理解することで、設問の正誤が判断できるようになると考えます。
なお高齢任意加入については、勤務する事業所が適用事業所か否かにより条件が異なりますので、当該違いを理解しておきましょう。
誤った記述です。
本設問文の場合、該当の事業主が同意していない限り、任意加入被保険者は自身で保険料を納付する義務があります。
保険料の全額を負担するような場合は、当該全額を負担する人等以外に、当該義務/責任を移管できる余地がないと判断できると、本設問文が誤りであると判断することが可能となるでしょう。
誤った記述です。
本設問文の同意を撤回するためには、当該被保険者の同意を得る必要があります。
保険料の半額負担は、事前に事業主と当該被保険者間の同意により成り立っているため、これを撤回するには、(第三者である厚生労働大臣ではなく、事前に同意をした)当該被保険者の(改めての)同意が必要となる、と理解しておくとよいでしょう。
誤った記述です。
本設問文の場合、保険料納期限の属する月の前月の末日に、被保険者の資格を喪失することになります。
保険料を滞納しており、さらに指定された期限までに納付していないため、本来の納期限(なお保険料の納期限は「翌月末日」です)の「前月」(つまり保険料の対象当月)末日に資格を喪失することになります。
保険料を支払っていない月は当然ながら被保険者期間とはなりえないので、当該要件をふまえ設問文を読み解いていくと、正誤が判断できると考えます。
誤った記述です。
適用事業所に使用される場合は、厚生労働大臣の確認が必要ではありません。
(なお、適用事業所「以外」に使用される場合は、厚生労働大臣の認可が必要です)
既に他の被保険者にかかる厚生年金保険適用事務を行っているため、改めての確認は不要であると理解しておくとよいでしょう。
正しい記述です。
本設問文の場合は、被保険者本人の意思によるものですが、そのほかに「老齢年金の受給権を有するに至ったとき」「適用除外に至ったとき」などがあり、いずれもその「翌日」に資格を喪失する点は理解しておくとよいでしょう。
本設問文は「適用事業所」におけるものでしたが、「適用事業所以外」におけるものを問われる場合もあるので、設問文の条件を確実に把握するようにしましょう。
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02
高齢任意加入被保険者の資格喪失事由及び資格喪失日(法附則4条の3)からの出題です。論点とされやすい内容ではあるものの、ややこしく、国民年金の任意加入、特例による任意加入被保険者の資格喪失日と混ざってしまい、正確に覚えきれておらず得点できない可能性があります。
誤:高齢任意加入被保険者の保険料の負担などの取扱いからの出題です(法附則4条の3第7項)。保険料の負担・納付・諸届は被保険者本人に義務があります。事業主が同意した場合は保険料の負担(半額)、納付、諸届は事業主が行います。
「・・・当該被保険者は保険料の全額を負担するが、保険料の納付義務は当該被保険者が保険料の全額を負担する場合であっても事業主が負う。」
誤:高齢任意加入被保険者の保険料の負担などの取扱いからの出題です(法附則4条の3第7項)。事業主の同意は将来に向かって撤回することができますが、撤回には被保険者の同意が必要です。
同意をした適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を得て、将来に向かって当該同意を撤回することができる。
誤:高齢任意加入被保険者の資格喪失事由及び資格喪失日からの出題です。本肢の場合納期限の属する月の前月の末日です。保険料を納付しなかった月については被保険者期間には含めません。例えば、7月分の保険料の納期限は8月31日です。8月31日までに7月分の保険料を納付しない場合、7月31日に被保険者資格を喪失します。被保険者期間は資格喪失月の前月までのため、6月までは被保険者期間となります。
厚生年金保険法第83条第1項に規定する当該保険料の納期限の属する月の末日に、その被保険者の資格を喪失する。
誤:資格の得喪の確認に関して確認が不要な場合に関する問です。被保険者資格の取得・喪失が認可や申出による場合は確認を必要としません。よって任意単独被保険者や高齢任意加入被保険者、第四種被保険者は確認を必要としません。
「・・・当該被保険者の被保険者資格の取得は、厚生労働大臣の確認によってその効力を生ずる」
正:高齢任意加入被保険者の資格喪失事由及び資格喪失日に関する問です。資格喪失の申出が受理されたとき又は資格喪失の認可があったとき、その翌日に資格を喪失します。国民年金法の特例による任意加入被保険者との対比が有効です。特例による任意加入被保険者は申出が受理された日(その日)に資格を喪失します(すぐに国民年金がもらえるように)。
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03
この問題で覚えておくポイントは「適用事業所に使用される高齢任意加入者被保険者」の条件になります。
事業主が同意した場合を除き、被保険者本人が保険料を全額負担し、納付義務を負います。
被保険者の同意を得れば、厚生労働大臣の認可は必要ありません。将来に向かって撤回することが出来ます。
「納期限の属する月の末日」ではなく「納期限の属する【前月】の末日」に資格を喪失します。
適用事業所に使用される高齢任意加入者被保険者が資格を取得するのは「厚生労働大臣の確認」ではなく「任意加入の申出が受理された日」に資格を取得します。
被保険者資格の喪失の申出をしたときは、当該申出が受理された日の翌日に資格を喪失します。申出の当日は、被保険者のままで翌日に資格を喪失します。
「適用事業所に使用される高齢任意加入者被保険者」と「適用事業所以外の事業所に使用される高齢任意加入者被保険者」の条件を区分けして覚えるようにしましょう。
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