社会保険労務士の過去問
第54回(令和4年度)
厚生年金保険法 問4

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

社労士試験 第54回(令和4年度) 択一式 厚生年金保険法 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

次のアからオの記述のうち、厚生年金保険法第85条の規定により、保険料を保険料の納期前であっても、すべて徴収することができる場合として正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。

ア  法人たる納付義務者が法人税の重加算税を課されたとき。
イ  納付義務者が強制執行を受けるとき。
ウ  納付義務者について破産手続開始の申立てがなされたとき。
エ  法人たる納付義務者の代表者が死亡したとき。
オ  被保険者の使用される事業所が廃止されたとき。
  • (アとウ)
  • (アとエ)
  • (イとウ)
  • (イとオ)
  • (ウとオ)

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

保険料の繰上徴収の条文からの出題です。破産手続きの開始は本条文の中に文言が含まれており、正誤判断に迷いそうです。

正誤判断が難しい問題と思われます。

選択肢4. (イとオ)

ア:誤

重加算税の対象となっても繰上徴収事由には該当しません。

(保険料の繰上徴収)

第八十五条 保険料は、次の各号に掲げる場合においては、納期前であつても、すべて徴収することができる。

一 納付義務者が、次のいずれかに該当する場合

イ 国税、地方税その他の公課の滞納によつて、滞納処分を受けるとき。

ロ 強制執行を受けるとき。

ハ 破産手続開始の決定を受けたとき。

ニ 企業担保権の実行手続の開始があつたとき。

ホ 競売の開始があつたとき。

二 法人たる納付義務者が、解散をした場合

三 被保険者の使用される事業所が、廃止された場合

四 被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があつた場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至つた場合

イ:正

納付義務者が強制執行を受けるとき。

(保険料の繰上徴収)

第八十五条 保険料は、次の各号に掲げる場合においては、納期前であつても、すべて徴収することができる。

一 納付義務者が、次のいずれかに該当する場合

イ 国税、地方税その他の公課の滞納によつて、滞納処分を受けるとき。

ロ 強制執行を受けるとき。

ハ 破産手続開始の決定を受けたとき。

ニ 企業担保権の実行手続の開始があつたとき。

ホ 競売の開始があつたとき。

二 法人たる納付義務者が、解散をした場合

三 被保険者の使用される事業所が、廃止された場合

四 被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があつた場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至つた場合

ウ:誤

破産手続開始の決定がされた場合は繰上徴収事由に該当しますが、本肢では「開始の申立て」がなされたときとあり、繰上徴収事由に該当しません。

(保険料の繰上徴収)

第八十五条 保険料は、次の各号に掲げる場合においては、納期前であつても、すべて徴収することができる。

一 納付義務者が、次のいずれかに該当する場合

イ 国税、地方税その他の公課の滞納によつて、滞納処分を受けるとき。

ロ 強制執行を受けるとき。

ハ 破産手続開始の決定を受けたとき。

ニ 企業担保権の実行手続の開始があつたとき。

ホ 競売の開始があつたとき。

二 法人たる納付義務者が、解散をした場合

三 被保険者の使用される事業所が、廃止された場合

四 被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があつた場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至つた場合

エ:誤

代表者が死亡は繰上徴収事由に該当しません。

(保険料の繰上徴収)

第八十五条 保険料は、次の各号に掲げる場合においては、納期前であつても、すべて徴収することができる。

一 納付義務者が、次のいずれかに該当する場合

イ 国税、地方税その他の公課の滞納によつて、滞納処分を受けるとき。

ロ 強制執行を受けるとき。

ハ 破産手続開始の決定を受けたとき。

ニ 企業担保権の実行手続の開始があつたとき。

ホ 競売の開始があつたとき。

二 法人たる納付義務者が、解散をした場合

三 被保険者の使用される事業所が、廃止された場合

四 被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があつた場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至つた場合

オ:正

事業所の廃止は保険料の繰上徴収事由に該当します。

(保険料の繰上徴収)

第八十五条 保険料は、次の各号に掲げる場合においては、納期前であつても、すべて徴収することができる。

一 納付義務者が、次のいずれかに該当する場合

イ 国税、地方税その他の公課の滞納によつて、滞納処分を受けるとき。

ロ 強制執行を受けるとき。

ハ 破産手続開始の決定を受けたとき。

ニ 企業担保権の実行手続の開始があつたとき。

ホ 競売の開始があつたとき。

二 法人たる納付義務者が、解散をした場合

三 被保険者の使用される事業所が、廃止された場合

四 被保険者の使用される船舶について船舶所有者の変更があつた場合、又は当該船舶が滅失し、沈没し、若しくは全く運航に堪えなくなるに至つた場合

参考になった数7

02

 厚生年金保険法第85条で規定されている「保険料を保険料の納期前であっても、すべて徴収することができる」場合とは、簡単に言うと「保険料の支払いが将来に向かって危ぶまれる事態が発生した(と客観的に判断できる)場合」であると理解しておきましょう。

選択肢1. (アとウ)

 誤った選択肢です。

・「法人たる納付義務者が法人税の重加算税を課されたとき」は、法令違反によるものであり、直ちに保険料支払いが危ぶまれる事態(一例ですが保険料の滞納)には該当しないと判断され、すべて徴収することができる場合に該当しないと理解しておくとよいでしょう。  

・「納付義務者について破産手続開始の申立てがなされたとき」は、まだ破産手続きは開始されていないため、直ちに保険料支払いが危ぶまれる事態には該当しないと判断され、すべて徴収することができる場合に該当しないと理解しておくとよいでしょう。

選択肢2. (アとエ)

 誤った選択肢です。

・「法人たる納付義務者が法人税の重加算税を課されたとき」は、法令違反によるものであり、直ちに保険料支払いが危ぶまれる事態(一例ですが保険料の滞納)には該当しないと判断され、すべて徴収することができる場合に該当しないと理解しておくとよいでしょう。  

・「法人たる納付義務者の代表者が死亡したとき」であっても、代表者の交代等により直ちに保険料支払いが危ぶまれる事態には該当しないと判断され、すべて徴収することができる場合に該当しないと理解しておくとよいでしょう。

選択肢3. (イとウ)

 誤った選択肢です。

・「納付義務者について破産手続開始の申立てがなされたとき」は、まだ破産手続きは開始されていないため、直ちに保険料支払いが危ぶまれる事態には該当しないと判断され、すべて徴収することができる場合に該当しないと理解しておくとよいでしょう。

選択肢4. (イとオ)

正しい選択肢です。

選択肢5. (ウとオ)

 誤った選択肢です。

・「納付義務者について破産手続開始の申立てがなされたとき」は、まだ破産手続きは開始されていないため、直ちに保険料支払いが危ぶまれる事態には該当しないと判断され、すべて徴収することができる場合に該当しないと理解しておくとよいでしょう。

参考になった数4

03

この問題で覚えておくポイントは「保険料の繰上徴収に該当する事由」になります。

選択肢4. (イとオ)

「納付義務者が強制執行を受けるとき」と「被保険者の使用される事業所が廃止されたとき」が、保険料の繰上徴収の対象になります。

まとめ

「保険料の繰上徴収」になるのは

(1)国税、地方税その他の公課の滞納によって、滞納処分を受けるとき

(2)強制執行を受けるとき

(3)破産手続開始の決定を受けたとき

(4)企業担保権の実行手続の開始があったとき

(5)競売の開始があったとき

(6)法人である納付義務者が、解散をした場合

(7)被保険者の使用される事業所が、廃止された場合

(8)被保険者の使用される船舶が船舶所有者の変更があった場合、または船舶が滅失・沈没し全く運行に堪えなくなるに至った場合

です。

参考になった数2