社会保険労務士の過去問
第54回(令和4年度)
国民年金法 問3

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問題

社労士試験 第54回(令和4年度) 択一式 国民年金法 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

国民年金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 付加年金が支給されている老齢基礎年金の受給者(65歳に達している者に限る。)が、老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給される。
  • 第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間が25年以上あり、老齢基礎年金及び障害基礎年金の支給を受けたことがない夫が死亡した場合において、死亡の当時当該夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係が10年以上継続した妻が60歳未満であるときは、寡婦年金の受給権が発生する。
  • 脱退一時金の支給の請求に関し、最後に被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた者は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過するまでに、その支給を請求しなければならない。
  • 国民年金法第107条第2項に規定する障害基礎年金の加算の対象となっている子が、正当な理由がなくて、同項の規定による受診命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の診断を拒んだときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。
  • 老齢基礎年金と付加年金の受給権を有する者が障害基礎年金の受給権を取得し、障害基礎年金を受給することを選択したときは、付加年金は、障害基礎年金を受給する間、その支給が停止される。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくポイントは「付加年金」「寡婦年金」「脱退一時金」「給付制限」についてになります。

選択肢1. 付加年金が支給されている老齢基礎年金の受給者(65歳に達している者に限る。)が、老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給される。

(〇)

老齢基礎年金の受給者(65歳に達している者に限る。)が、老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給されます。付加年金は、老齢基礎年金が支給されると付加年金のある方には必ず支給されます。

選択肢2. 第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間が25年以上あり、老齢基礎年金及び障害基礎年金の支給を受けたことがない夫が死亡した場合において、死亡の当時当該夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係が10年以上継続した妻が60歳未満であるときは、寡婦年金の受給権が発生する。

(〇)

寡婦年金の受給権は、被保険者期間に係る保険料納付済期間が国民年金納付期間(第1号被保険者としての被保険者期間)が10年以上で、老齢年金・障害年金等を受給していない夫が亡くなったときに、その夫と10年以上継続して婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)にあり、死亡の当時にその夫に生計を維持されていた妻に対して、その妻が60歳から65歳になるまでの間支給されます。

選択肢3. 脱退一時金の支給の請求に関し、最後に被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた者は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過するまでに、その支給を請求しなければならない。

(〇)

脱退一時金の支給の請求の時効は、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過すると請求できません。

選択肢4. 国民年金法第107条第2項に規定する障害基礎年金の加算の対象となっている子が、正当な理由がなくて、同項の規定による受診命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の診断を拒んだときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。

(×)

障害基礎年金の加算の対象となっている子が、正当な理由がなくて、受診命令に従わず、又は当該職員の診断を拒んだときは、「年金給付額の全部又は一部につき、その支給を停止することができます」。

選択肢5. 老齢基礎年金と付加年金の受給権を有する者が障害基礎年金の受給権を取得し、障害基礎年金を受給することを選択したときは、付加年金は、障害基礎年金を受給する間、その支給が停止される。

(〇)

障害基礎年金を受給することを選択したときは、付加年金は、障害基礎年金を受給する間、その支給が停止されます。

まとめ

特に「付加年金」と「寡婦年金」の違いを中心に覚えるようにしましょう。

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02

 年金の支給にかかる条件等については、関心が高いテーマだと考えますので、実生活での実例をあてはめて理解していくことで、知識を確固としたものにしていけるようにするとよいでしょう。

選択肢1. 付加年金が支給されている老齢基礎年金の受給者(65歳に達している者に限る。)が、老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給される。

 正しい記述です。

 付加年金は、受給者が国民年金の第1号被保険者であったときに納付した付加保険料に基づき支給されるものであり、老齢厚生年金とはなんら重なる部分がなく、併給調整等はされず本設問文のとおり支給されると理解しておくとよいでしょう。

選択肢2. 第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間が25年以上あり、老齢基礎年金及び障害基礎年金の支給を受けたことがない夫が死亡した場合において、死亡の当時当該夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係が10年以上継続した妻が60歳未満であるときは、寡婦年金の受給権が発生する。

 正しい記述です。

 寡婦年金の支給要件にそのままあてはまる内容であり、本設問文に対し特に異議をはさむ余地はないと判断されます。

 なお、実際に寡婦年金が支給されるのは、当該妻が60歳に達してから、という点についてもあわせて理解しておくとよいでしょう。

選択肢3. 脱退一時金の支給の請求に関し、最後に被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた者は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過するまでに、その支給を請求しなければならない。

 正しい記述です。

 脱退一時金に対しては、いわゆる短期の時効である「2年」が適用される点を理解しておくとよいでしょう。

選択肢4. 国民年金法第107条第2項に規定する障害基礎年金の加算の対象となっている子が、正当な理由がなくて、同項の規定による受診命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の診断を拒んだときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。

 誤った記述です。

 本設問文の場合、「一時差し止めることができる」は「停止することができる」が正しいです。

 本設問文のように、受診命令に従わないような場合には、該当者のいわゆる「悪意」が認定され、「差し止め」(当該事象が解消した際には、解消されない期間の分もあわせて支給される)ではなく「停止」(当該事象が解消しても、解消されない期間の分は支給されない)となる点を理解しておくとよいでしょう。

選択肢5. 老齢基礎年金と付加年金の受給権を有する者が障害基礎年金の受給権を取得し、障害基礎年金を受給することを選択したときは、付加年金は、障害基礎年金を受給する間、その支給が停止される。

 正しい記述です。

 付加年金は、老齢基礎年金に付帯して支給されるものであり、その全額が支給停止となる本設問文のような場合には、付加年金も停止される点を理解しておきましょう。

 なお、実生活では、老齢年金は課税対象、障害年金は非課税、等の条件もふまえ、付加年金の受給額も考慮し、いずれの支給を受けるのがより多くの年金を受給できるかについては、条件見合いで個々に判断することになります。

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03

給付制限に関する問です。

一時差止や支給停止事由に該当する場合はどのような場合か思い出す必要があります。

その他の問も基本的な内容です。

選択肢1. 付加年金が支給されている老齢基礎年金の受給者(65歳に達している者に限る。)が、老齢厚生年金を受給するときには、付加年金も支給される。

付加年金は併給されます。

(併給の調整)

第二十条 遺族基礎年金又は寡婦年金は、その受給権者が他の年金給付(付加年金を除く。)又は厚生年金保険法による年金たる保険給付(当該年金給付と同一の支給事由に基づいて支給されるものを除く。以下この条において同じ。)を受けることができるときは、その間、その支給を停止する。老齢基礎年金の受給権者が他の年金給付(付加年金を除く。)又は同法による年金たる保険給付(遺族厚生年金を除く。)を受けることができる場合における当該老齢基礎年金及び障害基礎年金の受給権者が他の年金給付(付加年金を除く。)を受けることができる場合における当該障害基礎年金についても、同様とする。

選択肢2. 第1号被保険者としての被保険者期間に係る保険料納付済期間が25年以上あり、老齢基礎年金及び障害基礎年金の支給を受けたことがない夫が死亡した場合において、死亡の当時当該夫によって生計を維持し、かつ、夫との婚姻関係が10年以上継続した妻が60歳未満であるときは、寡婦年金の受給権が発生する。

寡婦年金の支給要件に保険料納付済期間が10年以上とありますが、25年は10年以上であり正しいです。

選択肢3. 脱退一時金の支給の請求に関し、最後に被保険者の資格を喪失した日に日本国内に住所を有していた者は、同日後初めて、日本国内に住所を有しなくなった日から起算して2年を経過するまでに、その支給を請求しなければならない。

法附則9条の3の2

脱退一時金の支給を請求することができない場合の1つに最後に被保険者の資格を喪失した日(同日において日本国内に住所を有していた者にあっては、同日後初めて日本国内に住所を有しなくなった日)から起算して2年を経過しているとき、があります。

選択肢4. 国民年金法第107条第2項に規定する障害基礎年金の加算の対象となっている子が、正当な理由がなくて、同項の規定による受診命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の診断を拒んだときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。

国民年金法第107条第2項に規定する障害基礎年金の加算の対象となっている子が、正当な理由がなくて、同項の規定による受診命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の診断を拒んだときは、年金給付の支払を一時差し止めることができる。

一時差止ではなく、支給停止です。

第七十二条 年金給付は、次の各号のいずれかに該当する場合においては、その額の全部又は一部につき、その支給を停止することができる。

一 受給権者が、正当な理由がなくて、第百七条第一項の規定による命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の質問に応じなかつたとき。

二 障害基礎年金の受給権者又は第百七条第二項に規定する子が、正当な理由がなくて、同項の規定による命令に従わず、又は同項の規定による当該職員の診断を拒んだとき。

選択肢5. 老齢基礎年金と付加年金の受給権を有する者が障害基礎年金の受給権を取得し、障害基礎年金を受給することを選択したときは、付加年金は、障害基礎年金を受給する間、その支給が停止される。

付加年金は老齢基礎年金と一緒に支給されます。

例えば障害年金を選択した場合など老齢基礎年金が全額停止となるため付加年金も停止されます。

(支給停止)

第四十七条 付加年金は、老齢基礎年金がその全額につき支給を停止されているときは、その間、その支給を停止する。

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