社会保険労務士の過去問
第54回(令和4年度)
国民年金法 問4

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問題

社労士試験 第54回(令和4年度) 択一式 国民年金法 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 保険料半額免除期間(残りの半額の保険料は納付されているものとする。)については、当該期間の月数(480から保険料納付済期間の月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の4分の1に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映される。
  • 20歳前傷病による障害基礎年金及び国民年金法第30条の2の規定による事後重症による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは、その間、その支給が停止される。
  • 厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となった者が付加保険料を納期限までに納付しなかったときは、当該納期限の日に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたものとみなされる。
  • 遺族基礎年金の受給権を取得した夫が60歳未満であるときは、当該遺族基礎年金は、夫が60歳に達するまで、その支給が停止される。
  • 被保険者又は被保険者であった者からの国民年金原簿の訂正請求の受理に関する厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に行わせるものとされている。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくポイントは「年金額」「支給停止の条件」「付加年金」「遺族基礎年金の受給権」「国民年金原簿の訂正」についてになります。

選択肢1. 保険料半額免除期間(残りの半額の保険料は納付されているものとする。)については、当該期間の月数(480から保険料納付済期間の月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の4分の1に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映される。

(×)

保険料半額免除期間は、当該期間の月数の「4分の3」に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映されます。

選択肢2. 20歳前傷病による障害基礎年金及び国民年金法第30条の2の規定による事後重症による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは、その間、その支給が停止される。

(×)

事後重症による障害基礎年金は受給権者が日本国内に住所を有しないときも支給停止されません。

20歳前傷病による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは、その間その支給が停止されます。

選択肢3. 厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となった者が付加保険料を納期限までに納付しなかったときは、当該納期限の日に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたものとみなされる。

(×)

付加保険料を納期限までに納付しなかったときは、通常の保険料と同様に過去2年分まで納付することが出来ます。

選択肢4. 遺族基礎年金の受給権を取得した夫が60歳未満であるときは、当該遺族基礎年金は、夫が60歳に達するまで、その支給が停止される。

(×)

遺族基礎年金の受給権を取得した(子のいる)夫は、年齢に関係なく支給されます。

選択肢5. 被保険者又は被保険者であった者からの国民年金原簿の訂正請求の受理に関する厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に行わせるものとされている。

(〇)

国民年金原簿の訂正請求の受理に関する厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に行わせるものとされています。

まとめ

遺族基礎年金の受給権と遺族厚生年金の受給権の違いを覚えるようにしましょう。

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02

正解は「被保険者又は被保険者であった者からの国民年金原簿の訂正請求の受理に関する厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に行わせるものとされている。」です。

選択肢1. 保険料半額免除期間(残りの半額の保険料は納付されているものとする。)については、当該期間の月数(480から保険料納付済期間の月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の4分の1に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映される。

・・・の4分の1に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映される。

・・・4分の3に相当する月数が反映されます。

よく言われる覚え方としては、8マス書いて4マス分は国庫負担、残りの4マスは保険料とした場合、4分の1免除期間の年金額は6マス分、6/8=>3/4となり、4分の3に相当する月数が反映されます。

選択肢2. 20歳前傷病による障害基礎年金及び国民年金法第30条の2の規定による事後重症による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは、その間、その支給が停止される。

20歳前傷病による障害基礎年金及び国民年金法第30条の2の規定による事後重症による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは、その間、その支給が停止される。

20歳前傷病による障害基礎年金は日本国内に住所を有していないときに支給停止されますが、事後重症による障害基礎年金にそのような停止は行われません。

選択肢3. 厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となった者が付加保険料を納期限までに納付しなかったときは、当該納期限の日に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたものとみなされる。

厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となった者が付加保険料を納期限までに納付しなかったときは、当該納期限の日に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたものとみなされる。

そのようなみなしの規定はありません。納期限までに納付しなかった場合の扱いは、督促が来て、付加保険料の徴収権が時効になるまで納付できます。

選択肢4. 遺族基礎年金の受給権を取得した夫が60歳未満であるときは、当該遺族基礎年金は、夫が60歳に達するまで、その支給が停止される。

そのような規定はありません。遺族厚生年金には夫等の支給停止という規定があり、60歳に達するまでの期間、その支給を停止するというものがあります。

選択肢5. 被保険者又は被保険者であった者からの国民年金原簿の訂正請求の受理に関する厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に行わせるものとされている。

法109条の4に「国民年金原簿の訂正の請求の受理」が日本年金機構への厚生労働大臣の権限に係る事務の委任の規定に含まれています。

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03

 国民年金については、国民皆年金の基礎をなす部分であり、身近なところから徐々に知識を広げて確固としたものにしていけるとよいでしょう。

選択肢1. 保険料半額免除期間(残りの半額の保険料は納付されているものとする。)については、当該期間の月数(480から保険料納付済期間の月数及び保険料4分の1免除期間の月数を合算した月数を控除して得た月数を限度とする。)の4分の1に相当する月数が老齢基礎年金の年金額に反映される。

 誤った記述です。

 本設問文のうち、「4分の1」は「4分の3」が正しいです。

 なお、本設問文は「国庫負担」をテーマにした出題と思われ、過去問にも何回か同様の内容で出題されていますが、過去問を多数学習してきた人には難なく解答できる部分もあると思われるものの、そうではない人にとっては、「国庫負担」の用語が全くない中で解いていくことになり、若干不親切な出題だと筆者は考えます。

 また、保険料の免除区分とそれにかかる国庫負担額については、今後とも変更が入りうると考えられ、また当該負担額は被保険者・受給権者にとっては普段意識する必要がない(必要性が薄い)事項と考えますので、学習の優先度は下げてもよいと筆者は考えています。

選択肢2. 20歳前傷病による障害基礎年金及び国民年金法第30条の2の規定による事後重症による障害基礎年金は、受給権者が日本国内に住所を有しないときは、その間、その支給が停止される。

 誤った記述です。

 受給権者が日本国内に住所を有しないときに障害基礎年金の支給が停止されるのは、20歳前傷病による場合であり、事後重症による障害基礎年金は支給停止されません。

 20歳前傷病による障害基礎年金は、保険料納付の基礎が全くないものであるため、他の障害基礎年金の事象よりも支給停止条件が多い点を理解しておくとよいでしょう。

選択肢3. 厚生労働大臣に申し出て付加保険料を納付する者となった者が付加保険料を納期限までに納付しなかったときは、当該納期限の日に付加保険料を納付する者でなくなる申出をしたものとみなされる。

 誤った記述です。

 付加保険料は被保険者の納付義務要件ではないため、このような申出をしたものとみなされる(つまり納期限までに納付しなかった月以降、付加保険料を納付することができなくなる)規定はありません。

 付加保険料を納付しなかった月はその分の付加年金が支給されず、納付した月分は付加年金として加算される、となります。

選択肢4. 遺族基礎年金の受給権を取得した夫が60歳未満であるときは、当該遺族基礎年金は、夫が60歳に達するまで、その支給が停止される。

 誤った記述です。

 本設問文の夫は、60歳未満であることを理由として遺族基礎年金が支給停止となることはありません。

 なお、遺族厚生年金の場合は、本設問文のような年齢要件があるので、区別・整理して理解しておくとよいでしょう。

選択肢5. 被保険者又は被保険者であった者からの国民年金原簿の訂正請求の受理に関する厚生労働大臣の権限に係る事務は、日本年金機構に行わせるものとされている。

 正しい記述です。

 なお、日本年金機構の役割・業務については、概要レベルでも一度学習して理解しておくとよいでしょう。

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