社会保険労務士の過去問
第54回(令和4年度)
国民年金法 問5
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問題
社労士試験 第54回(令和4年度) 択一式 国民年金法 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 障害基礎年金の受給権者が更に障害基礎年金の受給権を取得した場合において、新たに取得した障害基礎年金が国民年金法第36条第1項(障害補償による支給停止)の規定により6年間その支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間、その者に対し同法第31条第1項(併合認定)の規定により前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。
- 障害基礎年金の受給権者が、その権利を取得した日の翌日以後にその者によって生計を維持している65歳未満の配偶者を有するに至ったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、当該障害基礎年金に当該配偶者に係る加算額が加算される。
- 保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例及び納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を合算した期間を23年有している者が、合算対象期間を3年有している場合、遺族基礎年金の支給要件の規定の適用については、「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上であるもの」とみなされる。
- 厚生労働大臣から滞納処分等その他の処分の権限を委任された財務大臣は、その委任された権限を国税庁長官に委任し、国税庁長官はその権限の全部を納付義務者の住所地を管轄する税務署長に委任する。
- 厚生年金保険の被保険者が19歳であって、その被扶養配偶者が18歳である場合において、その被扶養配偶者が第3号被保険者の資格を取得するのは当該被保険者が20歳に達したときである。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題で覚えておくポイントは「障害基礎年金の併合認定」「障害基礎年金の加算対象者」「遺族基礎年金」「遺族基礎年金の受給要件」「被扶養配偶者の年齢」についてになります。
(×)
障害補償による支給停止の規定により6年間その支給を停止すべきものであるときは、その停止すべき期間は「従前の障害基礎年金」が支給されます。
(×)
障害基礎年金では、配偶者の有無によって金額が変わることはありません。
加算があるのは「子の加算」になります。
(〇)
老齢基礎年金の受給権者であった方、または老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したときは、
「合算対象期間を合算した期間」を含み25年以上ある方になります。
(×)
厚生労働大臣から滞納処分等その他の処分の権限を委任は「財務大臣」→「国税庁長官」には、委任されます。
「国税庁長官」→「国税局長」には、「全部または一部を委任することができます」。
「国税局長」→「税務署長」には、全部または一部を委任することができます。
(×)
第3号被保険者の資格を取得するのは当該「被扶養者」が20歳に達したときです。
「被保険者」が20歳に達した時ではありません。
遺族基礎年金の受給要件には、国民年金の被保険者である間、または国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で、日本国内に住所を有していた方が死亡したときは、
死亡日の前日において、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あることも満たす必要があります。
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02
国民年金については、国民皆年金の基礎をなす部分であり、身近なところから徐々に知識を広げて確固としたものにしていけるとよいでしょう。
誤った記述です。
本設問文のうち、「前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金」は「前後の障害を併合する前の従前の障害基礎年金」が正しいです。
以下のように整理すると判断しやすくなると考えます。
1)従前の障害基礎年金を受給
2)新たに障害になり
①新たに障害基礎年金の受給資格を得る
②労働基準法の障害補償の受給資格を得る
2)の場合は、②が優先され①は支給停止になります。(本設問文の前段)
よって、その間は1)が引き続き支給されることになり、1)+2)①が支給されるわけではありません。(本設問文の後段、よって誤り)
誤った記述です。
障害基礎年金には、本設問文にあるような「配偶者に係る加算額」の規定はありません。
障害を事由とする年金については、国民年金(障害基礎年金)・厚生年金保険(障害厚生年金)を横断的に整理し理解しておくとよいでしょう。
・障害基礎年金:「子」にかかる加算あり
・障害厚生年金:「配偶者」にかかる加算あり
正しい記述です。
保険料納付済期間を有する人は、いわゆる「合算対象期間」について、年金の「支給要件」を判断する際には、期間として加算できると理解しておくとよいでしょう。
なお、当然ながら当該「合算対象期間」は、保険料を納付していない期間ですので、年金の「支給額」としては加算・考慮されませんので、あわせて理解しておきましょう。
誤った記述です。
本設問文のうち、「国税庁長官は~」以降の文については、「国税庁長官はその権限の全部又は一部を納付義務者の居住地を管轄する国税局長に委任することができる」が正しいです。
いわゆる国側の権限移譲の問題であり、一般の被保険者・受給権者にとっては、なじみのない(薄い)点であり、学習の優先度を下げてもよいと筆者は考えますが、それでも、本設問文のうち「権限の『全部』を~委任する」点については、極端すぎる(一部を委任できるのが適切ではないか)と考え、誤りではないかと判断することはできてもよいと考えます。
誤った記述です。
本設問文のうち、「第3号被保険者の資格を取得するのは『当該被保険者が』20歳に達したとき」は、「第3号被保険者の資格を取得するのは『当該被扶養配偶者が』20歳に達したとき」が正しいです。
資格の年齢要件については、当該本人で判断する点は、特に問題なく理解できるものと判断します。
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03
正解は「保険料納付済期間又は保険料免除期間(学生納付特例及び納付猶予の規定により納付することを要しないものとされた保険料に係るものを除く。)を合算した期間を23年有している者が、合算対象期間を3年有している場合、遺族基礎年金の支給要件の規定の適用については、「保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が25年以上であるもの」とみなされる。」です。
誤
・・・その者に対し同法第31条第1項(併合認定)の規定により前後の障害を併合した障害の程度による障害基礎年金を支給する。
支給停止が解除されるまでは併合認定は行われません。
法32条2項
・・・その者に対し従前の障害基礎年金を支給します。
誤
・・・65歳未満の配偶者を有するに至ったときは、当該配偶者を有するに至った日の属する月の翌月から、当該障害基礎年金に当該配偶者に係る加算額が加算される。
国民年金法の障害基礎年金の加算は子が対象となり、配偶者について加算はありません。
正
保険料納付済期間+保険料免除期間<25年であっても、保険料納付済期間、
保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が25年以上となるなら、遺族基礎年金の死亡日要件を満たします。合算対象期間だけで25年では満たしません。
法37条、附則9条1項
(老齢基礎年金等の支給要件の特例)
・・・保険料納付済期間等を有する者のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が二十五年に満たない者であつて保険料納付済期間、保険料免除期間及び合算対象期間を合算した期間が二十五年以上であるものは、第三十七条(第三号及び第四号に限る。)の規定の適用については、保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が二十五年以上であるものとみなす。
誤
厚生労働大臣から滞納処分等その他の処分の権限を委任された財務大臣は、その委任された権限を国税庁長官に委任し、国税庁長官はその権限の全部を納付義務者の住所地を管轄する税務署長に委任する。
「全部」ではなく「全部又は一部」をです。
法109条の5
(中略)
5 財務大臣は、第一項の規定により委任された権限、第二項の規定による権限及び第三項において準用する前条第五項の規定による権限を国税庁長官に委任する。
6 国税庁長官は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の全部又は一部を納付義務者の居住地を管轄する国税局長に委任することができる。
7 国税局長は、政令で定めるところにより、前項の規定により委任された権限の全部又は一部を納付義務者の居住地を管轄する税務署長に委任することができる。
誤
・・・その被扶養配偶者が第3号被保険者の資格を取得するのは当該被保険者が20歳に達したときである。
当該被扶養配偶者が正しいです。第3号被保険者は第2号被保険者の配偶者のうち、20歳以上60歳未満の者です。
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