社会保険労務士の過去問
第54回(令和4年度)
国民年金法 問8

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問題

社労士試験 第54回(令和4年度) 択一式 国民年金法 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

国民年金法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 20歳未満の厚生年金保険の被保険者は国民年金の第2号被保険者となるが、当分の間、当該被保険者期間は保険料納付済期間として算入され、老齢基礎年金の額に反映される。
  • 国民年金法による保険料の納付を猶予された期間については、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映されないが、学生納付特例の期間については、保険料が追納されなくても、当該期間は老齢基礎年金の額に反映される。
  • 基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数とされている。
  • 大学卒業後、23歳から民間企業に勤務し65歳までの合計42年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有する者(昭和32年4月10日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は満額となる。なお、当該被保険者は、上記以外の被保険者期間を有していないものとする。
  • 第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失する。また、第1号被保険者又は第3号被保険者が死亡したときは、死亡した日の翌日に被保険者の資格を喪失する。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくポイントは「厚生年金に加入していた期間」「納付の猶予」「基礎年金拠出金」「老齢基礎年金の額」「資格喪失日」についてになります。

選択肢1. 20歳未満の厚生年金保険の被保険者は国民年金の第2号被保険者となるが、当分の間、当該被保険者期間は保険料納付済期間として算入され、老齢基礎年金の額に反映される。

(×)

20歳未満の厚生年金保険の被保険者の当該被保険者期間は「合算対象期間」になります。保険料納付済期間には、算入されません。

選択肢2. 国民年金法による保険料の納付を猶予された期間については、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映されないが、学生納付特例の期間については、保険料が追納されなくても、当該期間は老齢基礎年金の額に反映される。

(×)

学生納付特例の期間についても、保険料が追納されなければ、当該期間は老齢基礎年金の額に反映されません。

選択肢3. 基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数とされている。

(×)

基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数には、「保険料全額免除期間」を有する者は入りません。

選択肢4. 大学卒業後、23歳から民間企業に勤務し65歳までの合計42年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有する者(昭和32年4月10日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は満額となる。なお、当該被保険者は、上記以外の被保険者期間を有していないものとする。

(×)

老齢基礎年金の額の計算に使用する「保険料納付済期間」は、第2号保険者であった期間の内、「20歳から60歳までの被保険者期間」です。

設問の者の第1号厚生年金被保険者期間の内、60歳以降の期間は年金額の計算に含まれませんので満額にはなりません。

選択肢5. 第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失する。また、第1号被保険者又は第3号被保険者が死亡したときは、死亡した日の翌日に被保険者の資格を喪失する。

(〇)

第1号被保険者または第3号被保険者が60歳に達したときは、「60歳に達した日」に被保険者の資格を喪失します。

また、第1号被保険者又は第3号被保険者が死亡したときは、「死亡した日の翌日」に被保険者の資格を喪失します。

まとめ

障害基礎年金や遺族基礎年金の支給要件に係る「保険料納付要件」を見る際には、20歳未満・60歳以降の厚生年金保険の被保険者期間期間も算入します。

参考になった数12

02

 国民年金については、国民皆年金の基礎をなす部分であり、身近なところから徐々に知識を広げて確固としたものにしていけるとよいでしょう。

選択肢1. 20歳未満の厚生年金保険の被保険者は国民年金の第2号被保険者となるが、当分の間、当該被保険者期間は保険料納付済期間として算入され、老齢基礎年金の額に反映される。

 誤った記述です。

 当該被保険者期間は「合算対象期間」とされ、老齢基礎年金の額には反映されません。

 国民年金の被保険者期間は、簡単に言って20歳から60歳までの40年間を全員一律としており、本設問文のような20歳未満の厚生年金保険の被保険者(会社員など)が期間計算にあたり優遇されるような不公平な点を排除していると理解しておくとよいでしょう。

選択肢2. 国民年金法による保険料の納付を猶予された期間については、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映されないが、学生納付特例の期間については、保険料が追納されなくても、当該期間は老齢基礎年金の額に反映される。

 誤った記述です。

 学生納付特例の期間は、追納されない場合は老齢基礎年金の額に反映されません。

 実生活でも、該当の特例を受けた人は、老齢基礎年金の受給額を満額に近づけるためには、別途追納が必要である点を理解しておきましょう。

選択肢3. 基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数とされている。

 誤った記述です。

 本設問文のうち、「保険料全額免除期間」を有する者は、基礎年金拠出額の算定基礎となる第1号被保険者数に含まれません。

 保険料を全く納付していないので、算定基礎に含まれない(含みようがない)ものと理解しておくとよいでしょう。

選択肢4. 大学卒業後、23歳から民間企業に勤務し65歳までの合計42年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有する者(昭和32年4月10日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は満額となる。なお、当該被保険者は、上記以外の被保険者期間を有していないものとする。

 誤った記述です。

 本設問文の者は、老齢基礎年金の算定基礎期間となる20歳から60歳までの期間における、保険料納付済とされる期間が37年(23歳から60歳まで)となるため、満額の老齢基礎年金は支給されません。

 本設問文の場合、60歳に達した日以後の厚生年金被保険者期間は、国民年金の合算対象期間になり、老齢基礎年金の受給額に反映されません。

選択肢5. 第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失する。また、第1号被保険者又は第3号被保険者が死亡したときは、死亡した日の翌日に被保険者の資格を喪失する。

 正しい記述です。

 資格喪失時期の基本的な事項として理解しておきましょう。

参考になった数6

03

正解は「第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失する。また、第1号被保険者又は第3号被保険者が死亡したときは、死亡した日の翌日に被保険者の資格を喪失する。」です。

選択肢1. 20歳未満の厚生年金保険の被保険者は国民年金の第2号被保険者となるが、当分の間、当該被保険者期間は保険料納付済期間として算入され、老齢基礎年金の額に反映される。

合算対象期間に関する問です。昭60法附則8条4項第2号被保険者としての被保険者期間のうち、20歳未満の期間及び60歳以降の期間は合算対象期間とされ、老齢基礎年金額には反映されませんが、老齢厚生年金額には反映されます。

20歳未満の厚生年金保険の被保険者は国民年金の第2号被保険者となるが、当分の間、当該被保険者期間は保険料納付済期間として算入され、老齢基礎年金の額に反映される。

選択肢2. 国民年金法による保険料の納付を猶予された期間については、当該期間に係る保険料が追納されなければ老齢基礎年金の額には反映されないが、学生納付特例の期間については、保険料が追納されなくても、当該期間は老齢基礎年金の額に反映される。

学生納付特例の期間については、保険料が追納されなくても、当該期間は老齢基礎年金の額に反映される。

学生納付特例の期間については追納がされない限り、老齢基礎年金の額には反映されません。

制度設計として学生納付特例及び納付猶予は後でお金を稼いで納付させることを考えており、国庫負担はなく老齢基礎年金の額には反映されません。

選択肢3. 基礎年金拠出金の額の算定基礎となる第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間を有する者の総数とされている。

基礎年金拠出金の額に関する問です。保険料の負担能力がある者を対象とするため保険料全額免除期間のみの者は除かれます。

例えば、ずっと障害基礎年金を受給している者や未納者は除かれます。

・・・第1号被保険者数は、保険料納付済期間、保険料全額免除期間、保険料4分の3免除期間、保険料半額免除期間及び保険料4分の1免除期間・・・

選択肢4. 大学卒業後、23歳から民間企業に勤務し65歳までの合計42年間、第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有する者(昭和32年4月10日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は満額となる。なお、当該被保険者は、上記以外の被保険者期間を有していないものとする。

満額にはなりません。第1号厚生年金被保険者の保険料納付済期間は37年(23歳~60歳)のため満額に届きません。

・・・第1号厚生年金被保険者としての被保険者期間を有する者(昭和32年4月10日生まれ)が65歳から受給できる老齢基礎年金の額は満額となる。

選択肢5. 第1号被保険者又は第3号被保険者が60歳に達したとき(第2号被保険者に該当するときを除く。)は、60歳に達した日に被保険者の資格を喪失する。また、第1号被保険者又は第3号被保険者が死亡したときは、死亡した日の翌日に被保険者の資格を喪失する。

第1号被保険者と第3号被保険者の60歳年齢到達による資格喪失はその日喪失で、死亡した場合(死亡当日は保護が必要)は翌日喪失となります。

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