社会保険労務士の過去問
第54回(令和4年度)
厚生年金保険法 問3

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問題

社労士試験 第54回(令和4年度) 選択式 厚生年金保険法 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文中の[ C ]の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

1  厚生年金保険法第81条の2の2第1項の規定によると、産前産後休業をしている被保険者が使用される事業所の事業主が、主務省令で定めるところにより実施機関に申出をしたときは、同法第81条第2項の規定にかかわらず当該被保険者に係る保険料であってその産前産後休業を[ A ]からその産前産後休業が[ B ]までの期間に係るものの徴収は行わないとされている。
2  厚生年金保険の被保険者であるX(50歳)は、妻であるY(45歳)及びYとYの先夫との子であるZ(10歳)と生活を共にしていた。XとZは養子縁組をしていないが、事実上の親子関係にあった。また、Xは、Xの先妻であるV(50歳)及びXとVとの子であるW(15歳)にも養育費を支払っていた。V及びWは、Xとは別の都道府県に在住している。この状況で、Xが死亡した場合、遺族厚生年金が最初に支給されるのは、[ C ]である。なお、遺族厚生年金に係る保険料納付要件及び生計維持要件は満たされているものとする。
3  令和4年4月から、65歳未満の在職老齢年金制度が見直されている。令和4年度では、総報酬月額相当額が41万円、老齢厚生年金の基本月額が10万円の場合、支給停止額は[ D ]となる。
4  厚生年金保険法第47条の2によると、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病に係る初診日において被保険者であった者であって、障害認定日において同法第47条第2項に規定する障害等級(以下「障害等級」という。)に該当する程度の障害の状態になかったものが、障害認定日から同日後[ E ]までの間において、その傷病により障害の状態が悪化し、障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至ったときは、その者は、その期間内に障害厚生年金の支給を請求することができる。なお、障害厚生年金に係る保険料納付要件は満たされているものとする。
  • 1年半を経過する日
  • 5年を経過する日
  • 60歳に達する日の前日
  • 65歳に達する日の前日
  • 開始した日の属する月
  • 開始した日の属する月の翌月
  • 開始した日の翌日が属する月
  • 開始した日の翌日が属する月の翌月
  • 月額2万円
  • 月額4万円
  • 月額5万円
  • 月額10万円
  • 終了する日の属する月
  • 終了する日の属する月の前月
  • 終了する日の翌日が属する月
  • 終了する日の翌日が属する月の前月
  • V
  • W
  • Y
  • Z

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この過去問の解説 (3件)

01

A、Bが産前産後休業の期間に関する条文ベースの出題です。

Cは遺族厚生年金の配偶者の支給停止に関する内容でテキストなどに記載がありますが配偶者と子いずれかの回答が容易ではないです。

Dは法改正からの出題で易しい内容、Eも事後重症の定義を問う基本的な内容です。

選択肢18. W

遺族厚生年金の支給停止に関する配偶者の支給停止に関する問です。

・・・XとZは養子縁組をしていないが、事実上の親子関係にあった・・・からX死亡により発生する遺族基礎年金の受給権はZではなく、生計維持関係の関係(養育費の支払)にあるWに発生します。

Yは遺族厚生年金の受給権は発生しますが、子のない配偶者の扱いとなり、遺族基礎年金の受給権は発生しません。

その場合Wに遺族基礎年金、Yに遺族厚生年金を別々に支給するのではなく、一本化して子であるWに遺族基礎年金と遺族厚生年金を支給します。配偶者の遺族厚生年金は支給停止となります。

考え方として以下となります。

・Xの死亡によりYとWに遺族厚生年金の受給権発生

・YはXの子ではないため遺族基礎年金の受給権は発生しない

・Xの死亡によりWに遺族基礎年金の受給権発生

・Yの遺族厚生年金は支給停止

・Wに最初の遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給される

第六十六条 子に対する遺族厚生年金は、配偶者が遺族厚生年金の受給権を有する期間、その支給を停止する。ただし、配偶者に対する遺族厚生年金が前条本文、次項本文又は次条の規定によりその支給を停止されている間は、この限りでない。

2 配偶者に対する遺族厚生年金は、当該被保険者又は被保険者であつた者の死亡について、配偶者が国民年金法による遺族基礎年金の受給権を有しない場合であつて子が当該遺族基礎年金の受給権を有するときは、その間、その支給を停止する。ただし、子に対する遺族厚生年金が次条の規定によりその支給を停止されている間は、この限りでない。

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02

 厚生年金保険法における遺族の範囲と優先順位については、国民年金法における遺族の範囲とあわせて整理して理解しておきましょう。

選択肢18. W

 W が正しい選択肢です。

 実生活でもありうる事例問題です。

 このような文章問題は、図示して関係を正確に把握することで正答に近づけますので、落ち着いて読み解いていくようにするとよいでしょう。

 本設問文の場合、 XとZは養子縁組をしていないため、ZはXの子にならないので、現在の妻であるYは「子のない妻」に該当し、Xの実子であるWより優先順位は下になる点が判断できるとよいでしょう。

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03

遺族厚生年金に関する事例形式の問題です。問題文より、それぞれの者の関係図を明確にすることができれば、解答はそこまで難しくはないものといえます。

選択肢18. W

設問の場合、死亡したXと妻(Y)の連れ子であるZとの間で養子縁組が行われていないため、Yは子のある妻とはならず、遺族基礎年金の受給権は発生しません。また、Xの実子であるWが遺族基礎年金の受給権を有しているため、Yに対する遺族厚生年金についても支給が停止されることになります。

 

そのため、遺族厚生年金の受給できる者はXの実子である「W」となります。

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