社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
労働基準法及び労働安全衛生法 問2
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問題
社労士試験 第55回(令和5年度) 択一式 労働基準法及び労働安全衛生法 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
労働基準法第34条(以下本問において「本条」という。)に定める休憩時間に関する次のアからオの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア 休憩時間は、本条第2項により原則として一斉に与えなければならないとされているが、道路による貨物の運送の事業、倉庫における貨物の取扱いの事業には、この規定は適用されない。
イ 一昼夜交替制勤務は労働時間の延長ではなく二日間の所定労働時間を継続して勤務する場合であるから、本条の条文の解釈(一日の労働時間に対する休憩と解する)により一日の所定労働時間に対して1時間以上の休憩を与えるべきものと解して、2時間以上の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないとされている。
ウ 休憩時間中の外出について所属長の許可を受けさせるのは、事業場内において自由に休息し得る場合には必ずしも本条第3項(休憩時間の自由利用)に違反しない。
エ 本条第1項に定める「6時間を超える場合においては少くとも45分」とは、一勤務の実労働時間の総計が6時間を超え8時間までの場合は、その労働時間の途中に少なくとも45分の休憩を与えなければならないという意味であり、休憩時間の置かれる位置は問わない。
オ 工場の事務所において、昼食休憩時間に来客当番として待機させた場合、結果的に来客が1人もなかったとしても、休憩時間を与えたことにはならない。
ア 休憩時間は、本条第2項により原則として一斉に与えなければならないとされているが、道路による貨物の運送の事業、倉庫における貨物の取扱いの事業には、この規定は適用されない。
イ 一昼夜交替制勤務は労働時間の延長ではなく二日間の所定労働時間を継続して勤務する場合であるから、本条の条文の解釈(一日の労働時間に対する休憩と解する)により一日の所定労働時間に対して1時間以上の休憩を与えるべきものと解して、2時間以上の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならないとされている。
ウ 休憩時間中の外出について所属長の許可を受けさせるのは、事業場内において自由に休息し得る場合には必ずしも本条第3項(休憩時間の自由利用)に違反しない。
エ 本条第1項に定める「6時間を超える場合においては少くとも45分」とは、一勤務の実労働時間の総計が6時間を超え8時間までの場合は、その労働時間の途中に少なくとも45分の休憩を与えなければならないという意味であり、休憩時間の置かれる位置は問わない。
オ 工場の事務所において、昼食休憩時間に来客当番として待機させた場合、結果的に来客が1人もなかったとしても、休憩時間を与えたことにはならない。
- (ア と イ と ウ)
- (ア と イ と エ)
- (ア と エ と オ)
- (イ と ウ と オ)
- (ウ と エ と オ)
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この過去問の解説 (3件)
01
労働基準法第34条は、労働者の健康を保護し、労働効率を高めることを目的として、一定時間以上の労働に対して必要な休憩時間の確保を定めています。
ア 誤り
解説:労働基準法第34条第2項は、休憩時間を一斉に与えることを原則としています。
しかし、実際の業務運営上、一斉休憩が困難な業種も存在します。
例えば、「道路による貨物の運送」は、業務の性質上、休憩時間を柔軟に設定する必要があります。この場合、一斉休憩の規則は適用されません。
「倉庫における貨物の取扱い」は一斉休憩の規則が適用されるため、設問は誤りです。
イ 誤り
解説:一昼夜交替制勤務において、労働時間が連続して長時間に及ぶ場合、適切な休憩の確保が重要です。
休憩時間は、労働時間の延長ではなく、所定労働時間の一部として扱われます。
労働基準法では、8時間を超える労働に対して少なくとも1時間の休憩が必要ですが、一昼夜交替制勤務の場合でも基本的には同様の規則が適用されます。
ウ 正しい
解説:休憩時間中の外出許可に関する規定は、労働者が休憩時間を自由に利用できるようにするためのものです。
ただし、所属長の許可を必要とする場合でも、事業場内で労働者が自由に休息できる環境が整っていれば、これは本条第3項に違反するものではありません。
エ 正しい
解説:休憩時間の設定に関して、法律は「6時間を超える場合においては少くとも45分」と定めています。
これは、実労働時間が6時間を超える場合には、労働の途中に少なくとも45分の休憩を与えることを意味します。
休憩時間の置かれる位置(労働時間の途中であれば)については特に規定されていません。
オ 正しい
解説:休憩時間は、労働者が労働から完全に離れ、自由に時間を過ごすことができる時間を意味します。
たとえば、工場の事務所で昼食休憩時間に来客当番として待機させる場合、実際に来客がなかったとしても、労働者はいつでも業務に戻る準備が必要です。
このため、実質的に休憩時間とは見なされません。
ついては、正しい選択肢はウ・エ・オとなります。
休憩時間に関する問題を解く際には、労働者の健康と労働効率の両面を考慮し、法律の定める基本的な原則と例外規定を理解することが重要です。
休憩時間の与え方やその自由利用の保障、特定の業務における特例など、各条項の趣旨を踏まえた上で適切な解答を導き出すことが求められます。
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02
休憩時間に関する問題です。
正しい記述は「ウ・エ・オ」です。
ア 誤りです。
「倉庫における貨物の取扱いの事業」に従事する労働者に対しては、一斉に休憩時間を与えなければなりません。
イ 誤りです。
一昼夜交替制勤務の場合であっても、2時間以上の休憩時間を与える必要はなく、1時間以上の休憩時間を与えればよいです。
ウ 正しいです。
休憩時間中の外出について所属長の許可を受けさせることは、休憩時間の自由利用に違反するものではありません。
エ 正しいです。
労働時間の途中に少なくとも45分の休憩があれば、当該休憩時間がどこに設けられているかは問われません。
オ 正しいです。
待機させた時間は手待時間であり、手待時間は労働時間となりますので、休憩時間を与えたことにはなりません。
休憩時間に関する基礎的な問題ですので、得点に繋げたい問題です。
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03
休憩時間に関する問題です。
休憩時間の与え方、一斉休憩の適用除外などについて確認しておきましょう。
ア 誤りです。
「道路による貨物の運送」は一斉休憩の適用除外とされていますが、「倉庫における貨物の取扱い」は適用されます。
イ 誤りです。
休憩時間は8時間を超える場合には少なくとも1時間与えなければなりませんが、一昼夜交代制の場合のように労働時間が長時間にわたる場合や日をまたぐような場合でも基本的に1時間の休憩で良いとされています。(昭和23.5.10 基発1582号)
ウ 設問の通りです。
事業場内で自由に休憩できる場合とは事業場内に休憩室などが設置してあり、労働者がそれを自由に利用できる場合などです。この場合外出について許可制だとしてもそれのみでは違法になりません。(昭和23.10.30 基発1575号)
エ 設問の通りです。
なお、休憩は労働時間の「途中に」与えなければなりませんので労働時間の始めや終わりに与えることはできません。
オ 設問の通りです。
休憩時間とは労働者が権利として労働から離れることが保障されている時間を言います。来客当番として待機させている場合は、もし来客があった場合は対応が必要です。その場合労働から離れることが保障されているとは言えません。
こちらが正解です。
どの論点も過去に問われていますので、全く聞いたことのないような設問はないと思います。
迷った場合はもう一度過去問で確認しておきましょう。
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