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社労士の過去問 第55回(令和5年度) 労働基準法及び労働安全衛生法 問6

問題

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労働基準法に定める賃金等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
   1 .
労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる直接払の原則は、労働者と無関係の第三者に賃金を支払うことを禁止するものであるから、労働者の親権者その他法定代理人に支払うことは直接払の原則に違反しないが、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは直接払の原則に違反する。
   2 .
いかなる事業場であれ、労働基準法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出された者でないこと、という要件さえ満たせば、労働基準法第24条第1項ただし書に規定する当該事業場の「労働者の過半数を代表する者」に該当する。
   3 .
賃金の所定支払日が休日に当たる場合に、その支払日を繰り上げることを定めることだけでなく、その支払日を繰り下げることを定めることも労働基準法第24条第2項に定めるいわゆる一定期日払に違反しない。
   4 .
使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならないが、その支払いには労働基準法第24条第1項の規定は適用されない。
   5 .
会社に法令違反の疑いがあったことから、労働組合がその改善を要求して部分ストライキを行った場合に、同社がストライキに先立ち、労働組合の要求を一部受け入れ、一応首肯しうる改善案を発表したのに対し、労働組合がもっぱら自らの判断によって当初からの要求の貫徹を目指してストライキを決行したという事情があるとしても、法令違反の疑いによって本件ストライキの発生を招いた点及びストライキを長期化させた点について使用者側に過失があり、同社が労働組合所属のストライキ不参加労働者の労働が社会観念上無価値となったため同労働者に対して命じた休業は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」によるものであるとして、同労働者は同条に定める休業手当を請求することができるとするのが、最高裁判所の判例である。
( 社労士試験 第55回(令和5年度) 択一式 労働基準法及び労働安全衛生法 問6 )
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この過去問の解説 (3件)

5

問題文の中に、かなり考えさせられる内容や難しい表現がやや多いです。

また、長文の問題については深く読み込むというよりは問題として問われている論点を見つけることができれば解答できます。

選択肢1. 労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる直接払の原則は、労働者と無関係の第三者に賃金を支払うことを禁止するものであるから、労働者の親権者その他法定代理人に支払うことは直接払の原則に違反しないが、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは直接払の原則に違反する。

誤りです。労働者の親権者その他法定代理人に支払うことは直接払の原則に違反します。労働基準法では賃金は直接労働者に支払わなければならない(直接払いの原則)とされています。親権者や代理人に支払うことはできません。なお、例外として労働者の使者に支払うことはできます。

選択肢2. いかなる事業場であれ、労働基準法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出された者でないこと、という要件さえ満たせば、労働基準法第24条第1項ただし書に規定する当該事業場の「労働者の過半数を代表する者」に該当する。

誤りです。「いかなる事業場であれ」という記述に迷うかもしれませんが、労働者の過半数を代表するものは管理監督者でないこという要件があります。ただし事業場において該当する労働者がいない場合は設問のように、労働基準法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出された者でないことという要件を満たせば足りるとされており、いかなる事業場でも認められるものではありません。

選択肢3. 賃金の所定支払日が休日に当たる場合に、その支払日を繰り上げることを定めることだけでなく、その支払日を繰り下げることを定めることも労働基準法第24条第2項に定めるいわゆる一定期日払に違反しない。

設問の通り正しい。賃金の一定期日払いには期日を繰り上げ又は繰り下げる場合も認められます。毎月15日に支払うされている場合において15日が祝日の場合14日や16日に支払う場合などですがこれは違法とはされません。

選択肢4. 使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならないが、その支払いには労働基準法第24条第1項の規定は適用されない。

誤りです。賃金の非常時払の場合においても労働基準法24条第1項の規定は適用されるため。通貨で、全額を、直接労働者に支払われなければなりません。

選択肢5. 会社に法令違反の疑いがあったことから、労働組合がその改善を要求して部分ストライキを行った場合に、同社がストライキに先立ち、労働組合の要求を一部受け入れ、一応首肯しうる改善案を発表したのに対し、労働組合がもっぱら自らの判断によって当初からの要求の貫徹を目指してストライキを決行したという事情があるとしても、法令違反の疑いによって本件ストライキの発生を招いた点及びストライキを長期化させた点について使用者側に過失があり、同社が労働組合所属のストライキ不参加労働者の労働が社会観念上無価値となったため同労働者に対して命じた休業は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」によるものであるとして、同労働者は同条に定める休業手当を請求することができるとするのが、最高裁判所の判例である。

誤りです。長文で判例からの出題のため難しく感じると思いますが、この問題の論点ははストライキによる休業が「使用者の責に帰すべき事由」による休業に該当するかどうかという点です。該当するのであれば当然休業手当の支払いが必要ですが、判例では今回の場合は使用者の責に帰すべき事由には該当しないとされています。したがって使用者に休業手当の支払い義務は発生しません。

まとめ

判例からの出題や長文の問題は単にその選択肢のみで正誤判断が難しい場合があります。その場合は他の選択肢との比較で考えると良いでしょう。

付箋メモを残すことが出来ます。
1

労働基準法における賃金に関する規定は、賃金の直接払い、特定の代表者への支払い、所定支払日の扱い、非常時の賃金支払い、ストライキ時の休業手当などを含んでいます。

これらは、労働者の賃金に関する権利と保護を確保するための重要な規定です。

選択肢1. 労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる直接払の原則は、労働者と無関係の第三者に賃金を支払うことを禁止するものであるから、労働者の親権者その他法定代理人に支払うことは直接払の原則に違反しないが、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは直接払の原則に違反する。

誤り

解説:労働基準法第24条第1項の直接払いの原則は、賃金を労働者本人に直接支払うことを要求します。

しかし、法定代理人への支払いは例外的に許されることがあります。

一方で、任意代理人への支払いは、労働者の明示的な承認があれば可能です。

選択肢2. いかなる事業場であれ、労働基準法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出された者でないこと、という要件さえ満たせば、労働基準法第24条第1項ただし書に規定する当該事業場の「労働者の過半数を代表する者」に該当する。

誤り

解説:第24条第1項ただし書に規定される「労働者の過半数を代表する者」に該当するためには、単に使用者の意向に基づかない選出であることだけでなく、他の要件(管理監督者でないことなど)も満たす必要があります。

選択肢3. 賃金の所定支払日が休日に当たる場合に、その支払日を繰り上げることを定めることだけでなく、その支払日を繰り下げることを定めることも労働基準法第24条第2項に定めるいわゆる一定期日払に違反しない。

正しい

解説:賃金の所定支払日が休日に当たる場合、その支払日を繰り上げるか、または繰り下げることが可能です。

これは、労働基準法第24条第2項の一定期日払いに違反しないと解釈されています。

選択肢4. 使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならないが、その支払いには労働基準法第24条第1項の規定は適用されない。

誤り

解説:非常時における賃金の前払いについては、労働基準法第24条第1項の規定が適用されます。

このため、支払いは直接労働者に対して行われなければならないとされています。

選択肢5. 会社に法令違反の疑いがあったことから、労働組合がその改善を要求して部分ストライキを行った場合に、同社がストライキに先立ち、労働組合の要求を一部受け入れ、一応首肯しうる改善案を発表したのに対し、労働組合がもっぱら自らの判断によって当初からの要求の貫徹を目指してストライキを決行したという事情があるとしても、法令違反の疑いによって本件ストライキの発生を招いた点及びストライキを長期化させた点について使用者側に過失があり、同社が労働組合所属のストライキ不参加労働者の労働が社会観念上無価値となったため同労働者に対して命じた休業は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」によるものであるとして、同労働者は同条に定める休業手当を請求することができるとするのが、最高裁判所の判例である。

誤り

解説:ストライキに関連した休業の場合、使用者の責に帰すべき事由による休業か否かは、具体的な事情によって異なります。

ストライキによる休業が使用者の責に帰すべき事由となるかは、個々のケースに応じて判断されるべきであり、一概に休業手当の支払い義務があるとは言えません。

まとめ

労働基準法における賃金に関する規定を理解する際には、労働者の賃金に対する権利とその保護が重要なポイントです。

賃金の直接払いの原則、所定支払日の扱い、非常時の賃金支払い、ストライキ時の休業手当など、各条項の趣旨と具体的な内容を正確に把握することが求められます。

労働基準法の規定は、労働者の賃金が確実かつ公正に支払われることを保証するために設けられています。

例えば、直接払いの原則は、労働者が自らの賃金を受け取る権利を保護するためのものであり、その例外には特定の条件が適用されます。

また、所定支払日の扱いにおいては、休日などの場合における柔軟な対応が認められています。

ストライキに関連した休業の場合、使用者の過失や責任の有無に基づいて休業手当の支払い義務が決定されます。

ここでは、ストライキの原因や事情を詳細に考慮する必要があります。

このように、労働基準法における賃金に関する各条項は、様々な労働状況における労働者の権利と保護を目的としています。

これらの規定を正確に理解し、適用することが労働者の利益を守る上で不可欠です。

1

賃金からの横断的な出題です。

選択肢1. 労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる直接払の原則は、労働者と無関係の第三者に賃金を支払うことを禁止するものであるから、労働者の親権者その他法定代理人に支払うことは直接払の原則に違反しないが、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは直接払の原則に違反する。

誤りです。いわゆる賃金の直接払の原則は、「労働者と無関係の第三者」ではなく「労働者本人以外の者」に賃金を支払うことを禁止するものです。そのため、労働者の代理人に賃金を支払うことは、直接払の原則に違反することとなります。

選択肢2. いかなる事業場であれ、労働基準法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、使用者の意向に基づき選出された者でないこと、という要件さえ満たせば、労働基準法第24条第1項ただし書に規定する当該事業場の「労働者の過半数を代表する者」に該当する。

誤りです。「労働者の過半数を代表する者」に該当するためには、設問の要件のほか、管理監督者でないとの要件も満たす必要があります。

選択肢3. 賃金の所定支払日が休日に当たる場合に、その支払日を繰り上げることを定めることだけでなく、その支払日を繰り下げることを定めることも労働基準法第24条第2項に定めるいわゆる一定期日払に違反しない。

正しいです。賃金の所定支払日が休日に当たる場合に、その支払日を翌営業日に繰り下げることは、労働基準法第24条第2項に定めるいわゆる一定期日払に違反するものではありません。

選択肢4. 使用者は、労働者が出産、疾病、災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であっても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならないが、その支払いには労働基準法第24条第1項の規定は適用されない。

誤りです。非常時払いの場合の賃金についても、労働基準法第24条第1項の規定が適用されますので、通貨で、直接、全額を支払わなければなりません。

選択肢5. 会社に法令違反の疑いがあったことから、労働組合がその改善を要求して部分ストライキを行った場合に、同社がストライキに先立ち、労働組合の要求を一部受け入れ、一応首肯しうる改善案を発表したのに対し、労働組合がもっぱら自らの判断によって当初からの要求の貫徹を目指してストライキを決行したという事情があるとしても、法令違反の疑いによって本件ストライキの発生を招いた点及びストライキを長期化させた点について使用者側に過失があり、同社が労働組合所属のストライキ不参加労働者の労働が社会観念上無価値となったため同労働者に対して命じた休業は、労働基準法第26条の「使用者の責に帰すべき事由」によるものであるとして、同労働者は同条に定める休業手当を請求することができるとするのが、最高裁判所の判例である。

誤りです。ストライキに参加しなかった労働者に対して命じた休業は、「使用者の責に帰すべき事由」によるものであるとはいえず、労働者は、休業手当を請求することができません。

まとめ

賃金は、労働基準法において最重要分野の一つです。本試験においても頻出ですので、内容理解に努めましょう。

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