社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
労働者災害補償保険法 問1

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問題

社労士試験 第55回(令和5年度) 択一式 労働者災害補償保険法 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(平成23年12月26日付け基発1226第1号)における「業務による心理的負荷の強度の判断」のうち、出来事が複数ある場合の全体評価に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。
  • 複数の出来事のうち、いずれかの出来事が「強」の評価となる場合は、業務による心理的負荷を「強」と判断する。
  • 複数の出来事が関連して生じている場合、「中」である出来事があり、それに関連する別の出来事(それ単独では「中」の評価)が生じた場合には、後発の出来事は先発の出来事の出来事後の状況とみなし、当該後発の出来事の内容、程度により「強」又は「中」として全体を評価する。
  • 単独の出来事の心理的負荷が「中」である複数の出来事が関連なく生じている場合、全体評価は「中」又は「強」となる。
  • 単独の出来事の心理的負荷が「中」である出来事一つと、「弱」である複数の出来事が関連なく生じている場合、原則として全体評価も「中」となる。
  • 単独の出来事の心理的負荷が「弱」である複数の出来事が関連なく生じている場合、原則として全体評価は「中」又は「弱」となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

心理的負荷による精神障害の認定基準についての出題ですが、こちらは令和5年9月1日付け基発0901第2号で新しく基準が示されています。比較的新しい基準ですので出題される可能性がありますので、確認しておくと良いでしょう。

選択肢1. 複数の出来事のうち、いずれかの出来事が「強」の評価となる場合は、業務による心理的負荷を「強」と判断する。

設問の通り正しい。複数の出来事がある場合、そのうちのいずれかが強とあれば

強と評価します。

選択肢2. 複数の出来事が関連して生じている場合、「中」である出来事があり、それに関連する別の出来事(それ単独では「中」の評価)が生じた場合には、後発の出来事は先発の出来事の出来事後の状況とみなし、当該後発の出来事の内容、程度により「強」又は「中」として全体を評価する。

設問の通り正しい。なお同基準においては「同一時点で生じた事象を異なる視点から検討している場合や同一の原因により複数の事象が生じている場合、先発の出来事の結果次の出来事が生じている場合等については、複数の出来事が関連して生じた場合と考えられる。」とされている。

選択肢3. 単独の出来事の心理的負荷が「中」である複数の出来事が関連なく生じている場合、全体評価は「中」又は「強」となる。

設問の通り正しい。複数の出来事が関連なく生じている場合は設問の通りです。

選択肢4. 単独の出来事の心理的負荷が「中」である出来事一つと、「弱」である複数の出来事が関連なく生じている場合、原則として全体評価も「中」となる。

設問の通り正しい。設問の場合は原則として全体評価も「中」とされます。

選択肢5. 単独の出来事の心理的負荷が「弱」である複数の出来事が関連なく生じている場合、原則として全体評価は「中」又は「弱」となる。

誤り。「弱」の出来事が複数生じている場合には原則として全体の総合的な評価も「弱」となる。

まとめ

やや細かい範囲からの出題ですが、法改正があった内容ですので押さえておきたい箇所です。深く読み込む必要はありませんが一読しておくと良いでしょう。

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02

「心理的負荷による精神障害の認定基準」では、労働者が業務上のさまざまな出来事によって受ける心理的負荷の強度を評価し、その結果に基づいて精神障害が認められるかを判断します。

この評価では、出来事の内容やその生じ方に応じて、心理的負荷の強度が「強」「中」「弱」と区分されます。

選択肢1. 複数の出来事のうち、いずれかの出来事が「強」の評価となる場合は、業務による心理的負荷を「強」と判断する。

正しい

解説:複数の出来事の中で、いずれかが「強」と評価される場合、全体の心理的負荷は「強」と評価されます。

これは、最も重い影響を及ぼす出来事が全体の評価に大きく影響するという考え方に基づいています。

選択肢2. 複数の出来事が関連して生じている場合、「中」である出来事があり、それに関連する別の出来事(それ単独では「中」の評価)が生じた場合には、後発の出来事は先発の出来事の出来事後の状況とみなし、当該後発の出来事の内容、程度により「強」又は「中」として全体を評価する。

正しい

解説:複数の出来事が関連して生じる場合、それぞれの出来事の内容や程度に応じて全体の評価を行います。

後発の出来事が先発の出来事に関連している場合、それは先発の出来事の続きとして評価され、「中」または「強」と評価されることがあります。

選択肢3. 単独の出来事の心理的負荷が「中」である複数の出来事が関連なく生じている場合、全体評価は「中」又は「強」となる。

正しい

解説:複数の「中」の心理的負荷をもたらす出来事が関連なく生じた場合、全体評価は「中」または「強」となります。

これは、複数の出来事が累積してより大きな心理的ストレスを引き起こす可能性を考慮しています。

選択肢4. 単独の出来事の心理的負荷が「中」である出来事一つと、「弱」である複数の出来事が関連なく生じている場合、原則として全体評価も「中」となる。

正しい

解説:「中」の負荷をもたらす出来事と「弱」の負荷をもたらす出来事が関連なく生じた場合、全体評価は原則として「中」となります。

これは、複数の出来事の影響が総合されて評価されるためです。

選択肢5. 単独の出来事の心理的負荷が「弱」である複数の出来事が関連なく生じている場合、原則として全体評価は「中」又は「弱」となる。

誤り

解説:複数の「弱」の心理的負荷をもたらす出来事が関連なく生じた場合、全体評価は「弱」となります。

この選択肢が誤りであるのは、「中」または「弱」となるとされている点です。

まとめ

心理的負荷による精神障害の認定においては、個々の出来事の心理的影響を総合的に評価することが重要です。

複数の出来事が関連して生じる場合や、関連なく生じる場合でも、それぞれの出来事の影響の強度と総合的な影響を適切に評価することが必要です。

この評価は、労働者の精神的な健康状態を保護し、職場環境を改善するための基準となります。

重要なのは、個々の出来事が労働者に与えるストレスの程度を理解し、それらが累積してどのような心理的負荷を生じさせるかを判断することです。

例えば、単独では「中」または「弱」の評価であっても、複数の出来事が積み重なることによって、労働者にとってより大きな心理的負荷となる可能性があります。

労働安全衛生法におけるこれらの規定は、労働者の心理的な健康を考慮し、ストレスの原因となる職場環境の問題に対処するために重要です。

労働者の精神的な健康を維持し、生産性の高い安全な職場環境を確保するために、これらの基準に基づく適切な評価と対策が求められます。

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03

「心理的負荷による精神障害の認定基準について」における「業務による心理的負荷の強度の判断」のうち、出来事が複数ある場合の全体評価に関する問題です。

選択肢1. 複数の出来事のうち、いずれかの出来事が「強」の評価となる場合は、業務による心理的負荷を「強」と判断する。

正しいです。設問の場合、全体評価は「強」となります。

選択肢2. 複数の出来事が関連して生じている場合、「中」である出来事があり、それに関連する別の出来事(それ単独では「中」の評価)が生じた場合には、後発の出来事は先発の出来事の出来事後の状況とみなし、当該後発の出来事の内容、程度により「強」又は「中」として全体を評価する。

正しいです。設問の場合、全体評価は「強」又は「中」となります。

選択肢3. 単独の出来事の心理的負荷が「中」である複数の出来事が関連なく生じている場合、全体評価は「中」又は「強」となる。

正しいです。設問の場合、全体評価は「中」又は「強」となります。

選択肢4. 単独の出来事の心理的負荷が「中」である出来事一つと、「弱」である複数の出来事が関連なく生じている場合、原則として全体評価も「中」となる。

正しいです。設問の場合、全体評価は「中」となります。

選択肢5. 単独の出来事の心理的負荷が「弱」である複数の出来事が関連なく生じている場合、原則として全体評価は「中」又は「弱」となる。

誤りです。設問の場合、全体評価が「中」となることはなく、「弱」となります。

まとめ

難しい問題といえます。ただ、こういった細かなポイントについても問われる可能性がありますので、これを機に、一度当該基準を細かく見ておくことをおすすめします。

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