社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
健康保険法 問1
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問題
社労士試験 第55回(令和5年度) 択一式 健康保険法 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
健康保険法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 適用業種である事業の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用する事業所は適用事業所とされるが、事業所における従業員の員数の算定においては、適用除外の規定によって被保険者とすることができない者であっても、当該事業所に常時使用されている者は含まれる。
- 厚生労働大臣は、全国健康保険協会(以下本問において「協会」という。)の事業若しくは財産の管理若しくは執行が法令、定款若しくは厚生労働大臣の処分に違反していると認めるときは、期間を定めて、協会又はその役員に対し、その事業若しくは財産の管理若しくは執行について違反の是正又は改善のため必要な措置を採るべき旨を命ずることができる。協会又はその役員が上記の是正・改善命令に違反したときは、厚生労働大臣は協会に対し、期間を定めて、理事長及び当該違反に係る役員の解任を命ずることができる。
- 協会は、役員として、理事長1人、理事6人以内及び監事2人を置く。役員の任期は3年とする。理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、理事の互選により選ばれた者がその職務を代理し、又はその職務を行う。
- 健康保険組合の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者は、健康保険事業に関して職務上知り得た秘密をその理由の如何を問わず漏らしてはならない。
- 食事の提供である療養であって入院療養と併せて行うもの(療養病床への入院及びその療養に伴う世話その他の看護であって、当該療養を受ける際、65歳に達する日の属する月の翌月以後である被保険者に係るものを除く。)は、療養の給付に含まれる。
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この過去問の解説 (3件)
01
本問題は、健康保険法に関する規定の理解を問うものです。
健康保険法は、被保険者の資格取得、保険料の徴収、保険給付、組織の運営などに関する内容を規定しています。
この問題では、これらの規定に関する正誤を判断する形式で出題されています。
正しい
解説:適用業種の事業所で常時5人以上の従業員を使用する場合、それが適用事業所とされます。
従業員数の算定には、適用除外規定によって被保険者とされない者も含まれます。
誤り
解説:厚生労働大臣が全国健康保険協会に対して命令できるのは正しいですが、理事長と役員の解任に関しては、正しくは「当該違反に係る役員の全部又は一部の解任」となります。
誤り
解説:理事長の職務代理については、理事の互選ではなく、あらかじめ理事長が指定した者が行うのが正しいです。
誤り
解説:健康保険組合の役員や職員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならないのは正しいですが、「その理由の如何を問わず」ではなく「正当な理由がない限り」となります。
誤り
解説:食事の提供である療養は、療養の給付には含まれません。
療養の給付に含まれるのは、医療行為に関連するものです。
食事に関しては、入院時食事療養費が支給されます。
健康保険法に関する問題を解く際は、法律の各条文の内容と意味を正確に理解することが重要です。
特に、適用事業所の基準、全国健康保険協会の運営規定、理事長の職務代理、職務上の秘密保持義務、療養の給付範囲などの基本的な規定を押さえる必要があります。
また、健康保険法の規定は他の社会保険法と比較しても複雑なので、慎重に解釈し、正確な知識を基に判断することが求められます。
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02
ここから先は社会保険科目に入りますが、これまでの科目と比べると学習範囲は広くなり、
それなりに時間を掛けて学習する科目です。早い時期から社会保険科目に取り組めると、試験直前期にはある程度知識が定着してきますので、焦らず時間をかけて学習しましょう。
設問の通り正しい。
適用事業所となるか否かの判断においての常時5人以上の算定には被保険者とならない者も含まれます。なお、似た論点として、適用事業所でない事業所が任意適用の認可を受けようとするときは従業員の1/2の同意が必要ですがこの場合は「被保険者となるべきものの1/2の同意」とされています。
誤り。
これはやや、細かい問題です。設問の「理事長及び当該違反に係る役員の解任」は正しくは
「当該違反に係る役員の全部又は一部の解任」です、知らないと解答できない問題ですが、正誤判断ができなくてもさほど気にしなくて良いでしょう。
誤り。
理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは「理事のうちから、あらかじめ理事長が指定する者」が職務を代理し、又はその職務を行うとされています。
そもそも、理事長が職務を行えないということは理事の互選などをしている暇はありませんので、あらかじめ理事長が指定した者が行うと考えましょう。
誤り。
一読すると正しい文章に見えますが、「その理由の如何を問わず」ではなく「正当な理由がなく」です。理由の如何を問わずという表現に違和感を感じることができれば判断できるかもしれませんが少し細かい問題です。
誤り。
設問の場合は、療養の給付ではなく、「入院時食事療養費」が支給されます。
入院時食事療養費とは、療養の給付と併せて受けた食事療養に要した費用について支給されるとされています。
健康保険法は、被保険者、適用、保険給付、費用の負担など出題範囲が広く、他の科目よりボリュームがあります。ゆっくりで構いませんのでテキストや過去問を中心にまずは基本事項の確認から学習していきましょう。
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03
健康保険法上の「保険者」や「保険給付」といった複数の分野からの出題です。
正しいです。「常時5人以上」をカウントする場合、適用除外の規定によって被保険者とすることができない者であっても、当該事業所に常時使用されている者は含まれます。
誤りです。厚生労働大臣が解任を命ずることができるのは、「違反に係る役員の全部又は一部」です。
誤りです。協会の理事長に事故があるとき、又は理事長が欠けたときは、「理事のうちからあらかじめ理事長が指定する者」がその職務を代理し、又はその職務を行うこととなります。
誤りです。健康保険事業に関して職務上知り得た秘密を「正当な理由がなく」漏らしてはならないとされています。
誤りです。「食事療養」は、療養の給付には含まれず、「入院時食事療養費」の対象となります。
分野横断の問題ですが、いずれも基本論点です。しっかりとおさえて得点に繋げましょう。
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