社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
健康保険法 問7

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問題

社労士試験 第55回(令和5年度) 択一式 健康保険法 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

健康保険法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 現に海外にいる被保険者からの療養費の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせ、その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わない。
  • 健康保険組合は、毎年度終了後6か月以内に、厚生労働省令で定めるところにより、事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならず、当該報告書は健康保険組合の主たる事務所に備え付けて置かなければならない。
  • 単に保険医の診療が不評だからとの理由によって、保険診療を回避して保険医以外の医師の診療を受けた場合には、療養費の支給は認められない。
  • 一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者は、派遣就業に係る1つの雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約(1か月以上のものに限る。)が確実に見込まれる場合であっても、前回の雇用契約を終了した日の翌日に被保険者資格を喪失する。
  • 適用事業所に臨時に使用される者で、当初の雇用期間が2か月以内の期間を定めて使用される者であっても、就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されていることなどから、2か月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者となる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、健康保険法に関する多様なシナリオを取り上げており、被保険者の状況や保険給付の条件についての理解が必要です。

選択肢は、海外にいる被保険者の療養費支給申請、健康保険組合の報告義務、第三者行為に起因する療養費の支給、登録型派遣労働者の保険資格、臨時雇用者の保険資格などに関する内容を含んでいます。

選択肢1. 現に海外にいる被保険者からの療養費の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせ、その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わない。

正しい

解説:海外にいる被保険者からの療養費申請は、原則として事業主を経由し、事業主が代理で受領します。海外への送金は行われません。

選択肢2. 健康保険組合は、毎年度終了後6か月以内に、厚生労働省令で定めるところにより、事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならず、当該報告書は健康保険組合の主たる事務所に備え付けて置かなければならない。

正しい

解説:健康保険組合は、毎年度終了後6か月以内に事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出し、主たる事務所に備え付ける必要があります。

選択肢3. 単に保険医の診療が不評だからとの理由によって、保険診療を回避して保険医以外の医師の診療を受けた場合には、療養費の支給は認められない。

正しい

解説:第三者の行為による療養費の支給に関しては、被保険者は事故の事実、第三者の情報、被害状況を記載した届書を提出する必要があります。

選択肢4. 一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者は、派遣就業に係る1つの雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約(1か月以上のものに限る。)が確実に見込まれる場合であっても、前回の雇用契約を終了した日の翌日に被保険者資格を喪失する。

誤り

解説:登録型派遣労働者は、1か月以内に次回の雇用契約が確実に見込まれる場合、前回の雇用契約終了後も被保険者資格を維持します。

選択肢5. 適用事業所に臨時に使用される者で、当初の雇用期間が2か月以内の期間を定めて使用される者であっても、就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されていることなどから、2か月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者となる。

正しい

解説:臨時に雇用される者でも、雇用契約が2か月以内に更新される見込みがある場合は、最初の雇用契約開始時から被保険者となります。

まとめ

この問題では、健康保険法に基づく被保険者の資格、療養費の支給、保険組合の義務などに関する知識が問われています。

正しい解答を導くためには、法令に基づく具体的な規定や手続きの理解が重要です。

また、特定のシチュエーションにおける被保険者の権利や義務を正確に把握することが求められます。

選択肢の中には、具体的な法令の条文や手続きの詳細に関する知識が必要なものも含まれており、健康保険法の理解を深める良い機会となります。

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02

一部実務的な設問や、難しい選択肢もありますが全く見たことのない記述ではないと思います。やや、学習の優先度としては下がりますが本試験までには押さえておきましょう。

選択肢1. 現に海外にいる被保険者からの療養費の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせ、その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わない。

設問の通り正しい。

海外にいる被保険者については、事業主が代理受領することとなっており、海外への送金は行われません。

選択肢2. 健康保険組合は、毎年度終了後6か月以内に、厚生労働省令で定めるところにより、事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならず、当該報告書は健康保険組合の主たる事務所に備え付けて置かなければならない。

設問の通り正しい。

健康保険組合は毎年度、報告書を提出しなければなりませんがこの場合は毎年度終了後6か月以内とされています。

選択肢3. 単に保険医の診療が不評だからとの理由によって、保険診療を回避して保険医以外の医師の診療を受けた場合には、療養費の支給は認められない。

設問の通り正しい。

保険医の診療が不評というのは、被保険者の都合であり、この場合療養費の支給は行われません。

選択肢4. 一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者は、派遣就業に係る1つの雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約(1か月以上のものに限る。)が確実に見込まれる場合であっても、前回の雇用契約を終了した日の翌日に被保険者資格を喪失する。

誤り。

登録型派遣の場合、1か月以内に次回の雇用契約が確実に見込まれる場合は被保険者の資格は継続します。ポイントは「1か月以内に確実に見込まれる」です。

選択肢5. 適用事業所に臨時に使用される者で、当初の雇用期間が2か月以内の期間を定めて使用される者であっても、就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されていることなどから、2か月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者となる。

設問の通り正しい。

当初の雇用契約が2か月以内と定められている場合であっても、就業規則などで契約更新が明示されており、2か月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合は「当初から」被保険者となります。

まとめ

一部難しい選択肢がありますので、難易度は普通程度ですが、過去に出題されている問題も含まれています。過去問を中心にしっかり復習しておきましょう。

参考になった数4

03

「被保険者」や「保険給付」といった複数の分野からの出題です。

選択肢1. 現に海外にいる被保険者からの療養費の支給申請は、原則として、事業主等を経由して行わせ、その受領は事業主等が代理して行うものとし、国外への送金は行わない。

正しいです。設問のとおり、療養費の支給方法として、国外への送金は「行わない」こととされています。

選択肢2. 健康保険組合は、毎年度終了後6か月以内に、厚生労働省令で定めるところにより、事業及び決算に関する報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならず、当該報告書は健康保険組合の主たる事務所に備え付けて置かなければならない。

正しいです。健康保険組合は、事業及び決算に関する報告書を作成し提出した後、当該報告書を主たる事務所に「備え付けて」置かなければなりません。

選択肢3. 単に保険医の診療が不評だからとの理由によって、保険診療を回避して保険医以外の医師の診療を受けた場合には、療養費の支給は認められない。

正しいです。設問の場合には、療養費の支給は「認められない」ことになります。

選択肢4. 一般労働者派遣事業の事業所に雇用される登録型派遣労働者は、派遣就業に係る1つの雇用契約の終了後、1か月以内に同一の派遣元事業主のもとでの派遣就業に係る次回の雇用契約(1か月以上のものに限る。)が確実に見込まれる場合であっても、前回の雇用契約を終了した日の翌日に被保険者資格を喪失する。

誤りです。設問の場合には、資格の喪失は「せず」、引き続き、同一の派遣元において被保険者となります。

選択肢5. 適用事業所に臨時に使用される者で、当初の雇用期間が2か月以内の期間を定めて使用される者であっても、就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されていることなどから、2か月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合には、最初の雇用契約期間の開始時から被保険者となる。

正しいです。設問の者であっても、2か月以内の雇用契約が更新されることが「見込まれる」場合には、「最初の雇用契約期間の開始時」から被保険者となります。

まとめ

分野横断の問題ですが、いずれも基本論点ですので、しっかりとおさえて得点に繋げましょう。

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