社会保険労務士の過去問
第55回(令和5年度)
厚生年金保険法 問4

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問題

社労士試験 第55回(令和5年度) 択一式 厚生年金保険法 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

厚生年金保険法に関する次のアからオの記述のうち、正しいものはいくつあるか。

ア  被保険者期間を計算する場合には、月によるものとし、被保険者の資格を取得した月からその資格を喪失した月の前月までをこれに算入する。
イ  厚生年金保険の適用事業所で使用される70歳以上の者であっても、厚生年金保険法第12条各号に規定する適用除外に該当する者は、在職老齢年金の仕組みによる老齢厚生年金の支給停止の対象とはならない。
ウ  被保険者が同時に2以上の事業所に使用される場合における各事業主の負担すべき標準賞与額に係る保険料の額は、各事業所についてその月に各事業主が支払った賞与額をその月に当該被保険者が受けた賞与額で除して得た数を当該被保険者の保険料の額に乗じて得た額とされている。
エ  中高齢寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権者である妻が、被保険者又は被保険者であった者の死亡について遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、中高齢寡婦加算は支給が停止される。
オ  経過的寡婦加算が加算された遺族厚生年金の受給権者である妻が、障害基礎年金の受給権を有し、当該障害基礎年金の支給がされているときは、その間、経過的寡婦加算は支給が停止される。
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この過去問の解説 (3件)

01

個数問題です。一般的には難しいとされる類の問題ですが、各肢は基本的な論点です。

選択肢1. 一つ

ア 設問のとおりです。被保険者期間は、「被保険者の資格を取得した月」からその「資格を喪失した月の前月」までを算入します。

選択肢2. 二つ

イ 設問のとおりです。「適用除外に該当する者」は、厚生年金保険の被保険者とはなりませんので、被保険者を対象とする在職老齢年金の仕組みによる老齢厚生年金の支給停止は行われません。

選択肢3. 三つ

ウ 「保険料の額に乗じて得た額」の部分が誤りです。通常、保険料は事業主と被保険者の折半負担となりますが、被保険者が2以上の事業所に使用される場合には、各事業主が支払った賞与額に基づき、事業主負担分を按分することとなります。

選択肢4. 四つ

エ 設問のとおりです。中高齢寡婦加算が加算された遺族厚生年金は、その受給権者である妻が国民年金法による遺族基礎年金の支給を受けることができるときは、その間、中高齢寡婦加算は支給が停止されます。

選択肢5. 五つ

オ 設問のとおりです。遺族厚生年金の受給権者が、障害基礎年金の受給権を有する場合(全額につき支給を停止されているときを除く。)には、その間、経過的寡婦加算相当部分の支給は停止されます。

まとめ

以上のとおり、正しい肢は4つです。

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02

基本的な論点からの出題ですので、十分に得点できるでしょう。

確実に得点しましょう。

選択肢1. 一つ

ア 設問の通り正しい。

ポイントは「月から前月まで」です。

これは、他の科目でもほぼ共通ですので確実押さえておきましょう。

例として、5月15日に資格を取得し9月1日に資格を喪失した場合は5月から8月までが被保険者期間となります。

選択肢2. 二つ

イ 設問の通り正しい。

別の選択肢でも似たような論点が出題されていましたが、在職老齢年金の仕組みによる老齢厚生年金の支給停止の対象になるのはあくまで「適用除外に該当しない者」です。

そもそも、適用除外となるものは「70歳以上の使用されるもの」には該当しませんので設問の通りです。

選択肢3. 三つ

ウ 誤り。

2以上の事業所に使用される者の保険料の計算についてですが、設問では標準賞与額について問われています。この場合は「各事業所についてその月に各事業主が支払った賞与額をその月に当該被保険者が受けた賞与額で除して得た数を当該被保険者の保険料の半額に乗じて得た額」となります2つの事業所で働いているから半額を乗じるというようなイメージで良いでしょう。

選択肢4. 四つ

エ 設問の通り正しい。

中高齢寡婦加算が加算された遺族厚生年金と遺族基礎年金を受給する場合というのは一般的に、妻に18歳年度末までの子もしくは20歳未満で障害等級1級または2級に該当する子がいる場合ですが、この場合は中高齢寡婦加算は支給停止されます。なおその後、子が18歳年度末到達(障害等級1級または2級に該当する子の場合は20歳到達)により、遺族基礎年金が失権した時点で妻が65歳未満であれば、中高齢寡婦の停止が解除されます。

選択肢5. 五つ

オ 設問の通り正しい。

厚生年金保険法には〇〇加算というのが幾つか登場しますが、それぞれ整理できているでしょうか?

経過的寡婦加算とは、中高齢寡婦加算が加算されていた妻が65歳なった後に妻の生年月日によって遺族厚生年金の金額に加算されるものです。この経過的寡婦加算は妻が障害基礎年金の支給を受ける場合は支給停止されます。

なお、この問題の別の選択肢では中高齢寡婦加算の支給停止についての出題がありますので、あわせて確認しておきましょう。

まとめ

上記のことから、正しい肢は四つです。

後半の2問については遺族厚生年金についての出題ですが、そこまで難しい内容ではないので是非解答したい問題です。中高齢寡婦加算、経過的寡婦加算これらの関係性について押さえておくと良いでしょう。

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03

正しい選択肢の数を回答する、いわゆる個数問題です。全ての選択肢の正誤を判断しなければならない問題形式ですが、本問題の選択肢は全て基本的な事項です。焦らず解きましょう。

選択肢1. 一つ

ア 正しい選択肢です。基本中の基本と言える問題なので、間違わないようにしましょう。

選択肢2. 二つ

イ 正しい選択肢です。在職老齢年金の対象となる70歳以上の使用される者には、適用除外に該当する者は含まれません。

選択肢3. 三つ

ウ 「保険料の額に乗じて得た額」ではなく、「保険料の半額に乗じて得た額」となりますので、誤りです。

選択肢4. 四つ

エ 正しい選択肢です。中高齢寡婦加算の支給停止要件です。

選択肢5. 五つ

オ 正しい選択肢です。

妻が障害基礎年金又は旧国民年金における障害年金の受給権を有するとき(その支給を停止されている場合を除く)又は遺族基礎年金の支給を受けることが出来るときは、その間、支給が停止されます。

まとめ

以上、正しい選択肢は4つとなります。

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