司法書士の過去問
平成25年度
午後の部 問43

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問題

平成25年度 司法書士試験 午後の部 問43 (訂正依頼・報告はこちら)

司法書士の義務に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。


ア  司法書士は、業務の依頼をしようとする者から求めがあったときは、報酬の基準を示さなければならないが、その求めがなかったときは、当該基準を示すことを要しない。

イ  司法書士は、補助者を置いたときは、遅滞なく、その旨を所属の司法書士会に届け出なければならない。

ウ  司法書士は、法務局又は地方法務局の長に対する登記に関する審査請求の手続について代理することの依頼については、正当な事由がある場合でなくても、拒むことができる。

エ  刑事訴訟における証人として証言する場合には、司法書士であった者は、業務上取り扱った事件について知ることのできた秘密を他に漏らすことが許されるが、司法書士は、当該秘密を他に漏らすことは許されない。

オ  司法書士は、事件簿を調製し、かつ、その閉鎖後5年間保存しなければならない。
※司法書士法改正(令和2年8月1日施行)により、書類等の保存期間が変更になっています。この設問は平成25年(2013年)に出題された設問になります。
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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3(イ、オ)です。

ア 誤り。
 司法書士法22条は「司法書士は、法第三条第一項各号に掲げる事務を受任しようとする場合には、あらかじめ、依頼をしようとする者に対し、報酬額の算定の方法その他の報酬の基準を示さなければならない」と定めています。よって、依頼者からの要求の有無にかかわらず報酬の算定方法等を示す必要があります。

イ 正しい。
 司法書士法施行規則25条2項の規定です(「司法書士は、補助者を置いたときは、遅滞なく、その旨を所属の司法書士会に届け出なければならない。補助者を置かなくなったときも、同様とする」)。

ウ 誤り。
 司法書士法21条には、司法書士は、簡裁訴訟代理等関係業務に関するものを除き、正当な事由がある場合でなければ依頼を拒むことができない旨定められています。
なお、司法書士法施行規則25条においては、司法書士が依頼(簡裁訴訟代理等関係業務に関するものを除く。)を拒んだ場合において、依頼者の請求があるときは、その理由書を交付しなければならないと規定されています。

エ 誤り。
 司法書士法24条は「司法書士又は司法書士であつた者は、正当な事由がある場合でなければ、業務上取り扱った事件について知ることのできた秘密を他に漏らしてはならない。」と定めていますが、刑事訴訟における証人としての証言は同条の正当事由に該当するものとされています。よって、司法書士および司法書士であった者のいずれも証言を妨げられません。


オ 正しい。
 司法書士法施行規則30条2項の規定です(「事件簿は、その閉鎖後五年間保存しなければならない。」令和2年の改正により七年間保存へ変更されています)。

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02

正解は 3 です。

正しい選択肢はイとオであり、3が正解となります。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 司法書士法施行規則22条では「司法書士は法3条1項各号に掲げる事務を受任しようとする場合には、あらかじめ、依頼しようとする者に対し、報酬額の算定方法その他報酬の基準を示さなければならない」と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。

イ. 司法書士法施行規則25条2項では、司法書士は、補助者を置いたときは、遅滞なく、その旨を所属の司法書士会に届け出なければならない。補助者を置かなくなったときも、同様とする」と規定しています。従って、本選択肢は正しいです。

ウ. 司法書士法21条では「司法書士は、正当な事由がある場合でなければ依頼(簡裁訴訟等代理等関係業務に関するものを除く)を拒むことができない」と規定しています。従って、本選択肢は誤りです。

エ. 司法書士法24条では「司法書士又は司法書士であったものは、正当な事由がある場合でなければ、業務上取り扱った事件について知ることができた秘密を他に漏らしてはならない」と規定しています。上記の正当な事由には、刑事事件の証人として証言する場合も含まれます。従って、本選択肢は誤りです。

オ. 司法書士施行規則30条1項では「司法書士は、連合会の定める様式により事件簿を調製しなければならない「と規定しています。同規則同条2項では「事件簿は、その閉鎖後5年間保存しなければならない」と規定しています。従って、本選択肢は正しいです。 (令和2年の改正により7年間保存へ変更されています)

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03

正解はなし(令和2年司法書士法施行規則改正前の規定によれば、正解は3)

ア:誤

司法書士は、司法書士法第3条第1項各号に掲げる事務を受任しようとする場合には、あらかじめ、依頼をしようとする者に対し、報酬額の算定の方法その他の報酬の基準を示さなければなりません(司法書士法施行規則22条)。依頼をしようとする者からの求めがなくとも、報酬の基準を示さなければならないのです。

よって、誤った記述です。

イ:正

「司法書士は、補助者を置いたときは、遅滞なく、その旨を所属の司法書士会に届け出なければならない」と定められています(司法書士法施行規則25条2項前段)。

よって、正しい記述です。

ウ:誤

「司法書士は、正当な事由がある場合でなければ依頼(簡裁訴訟代理等関係業務に関するものを除く。)を拒むことができない」と定められています(司法書士法21条)。

法務局又は地方法務局の長に対する登記に関する審査請求の手続について代理することの依頼は、除外された依頼ではありません。

よって、誤った記述です。

エ:誤

「法書士又は司法書士であつた者は、正当な事由がある場合でなければ、業務上取り扱った事件について知ることのできた秘密を他に漏らしてはならない」と定められています(司法書士法24条)。

この「正当な事由がある場合」には、刑事訴訟における証人として証言する場合が含まれます。

よって、誤った記述です。

オ:誤(令和2年改正前の司法書士法施行規則の規定によれば正)

司法書士は、連合会の定める様式により事件簿を調製しなければならず(司法書士法施行規則30条1項)、また事件簿は、その閉鎖後7年間保存しなければならない(同条2項)と定められています。

よって、誤った記述です。

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