司法書士の過去問
平成25年度
午後の部 問68
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問題
平成25年度 司法書士試験 午後の部 問68 (訂正依頼・報告はこちら)
株式会社の会計監査人の登記に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア 公認会計士である会計監査人の重任による変更の登記の申請書には、当該会計監査人が選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会において別段の決議がされなかったことにより当該株主総会において再任されたものとみなされた場合であっても、公認会計士であることを証する書面を添付しなければならない。
イ 唯一の会計監査人が辞任した場合にする会計監査人の辞任による変更の登記は、新たに選任された会計監査人(一時会計監査人の職務を行うべき者も含む。)の就任による変更の登記と同時に申請しなければならない。
ウ 監査法人である会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、登記すべき事項として、当該監査法人の名称及び当該監査法人が定めた書類等備置場所を記載しなければならない。
エ 監査役会が会計監査人を解任した場合にする会計監査人の解任による変更の登記の申請書には、監査役の全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
オ 会計監査人が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めを設けた場合には、会計監査人と当該契約を締結していないときであっても、会計監査人の責任の制限に関する定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない。
ア 公認会計士である会計監査人の重任による変更の登記の申請書には、当該会計監査人が選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会において別段の決議がされなかったことにより当該株主総会において再任されたものとみなされた場合であっても、公認会計士であることを証する書面を添付しなければならない。
イ 唯一の会計監査人が辞任した場合にする会計監査人の辞任による変更の登記は、新たに選任された会計監査人(一時会計監査人の職務を行うべき者も含む。)の就任による変更の登記と同時に申請しなければならない。
ウ 監査法人である会計監査人の就任による変更の登記の申請書には、登記すべき事項として、当該監査法人の名称及び当該監査法人が定めた書類等備置場所を記載しなければならない。
エ 監査役会が会計監査人を解任した場合にする会計監査人の解任による変更の登記の申請書には、監査役の全員の同意があったことを証する書面を添付しなければならない。
オ 会計監査人が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めを設けた場合には、会計監査人と当該契約を締結していないときであっても、会計監査人の責任の制限に関する定めの設定による変更の登記の申請をしなければならない。
- アエ
- アオ
- イウ
- イオ
- ウエ
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この過去問の解説 (3件)
01
誤っている選択肢はイ及びウなので、3が正解となります。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 会計監査人の重任の登記をする場合には、その会計監査人が法人でない場合には、会計監査人が公認会計士であることを証する書面の添付が必要です。従って、本選択肢は正しいです。
イ. 会計監査人には、権利義務に関する規定は適用されないので、唯一の会計監査人が辞任によって退任した場合で、後任が選任されない場合でも、辞任による会計監査人の退任登記をすることができます。従って、本選択肢は誤りです。
ウ. 計算書類の備置場所が登記事項となるのは、会計参与の登記です。会計監査人の就任による変更の登記申請書における登記すべき事項は、①当該会計監査人の氏名又は名称及び住所②就任年月日、です。従って、本選択肢は誤りです。
エ. 監査役会が、会計監査人を解任したことによる会計監査人の登記申請書には、監査役全員の同意があったことを証する書面の添付が必要です。従って、本選択肢は正しいです。
オ. 会計監査人が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めをした場合には、現に、会計監査人と当該契約を締結していなくても、当該定款の変更の登記を申請することができます。従って、本選択肢は正しいです。
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02
ア 会計監査人が、任期満了に係る定時株主総会で別段の決議がされなかったため重任した場合(会社法338条2項参照)は、就任承諾書の添付は要しませんが(平成18.3.31民商782号)、株主総会議事録及び資格証明書(登記事項証明書)の添付は必要です。したがって、本記述は正しいです。
イ 会計監査人には、権利義務承継の規定の適用はありませんので、唯一の会計監査人が辞任した場合、後任の就任登記と同時でなくても、その辞任登記を申請することができます。したがって、本記述は誤りです。
ウ 会計監査人の登記においては、会計参与と異なり(会社法911条3項16号参照)、書類等備置場所は登記事項となりません。したがって、本記述は誤りです。
エ 会計監査人を監査役(監査役会、監査委員会)が解任した場合の退任による変更登記の申請においては、退任を証する書面(商登法54条4項)として監査役(監査等委員、監査委員)全員の同意を証する書面が添付書面となります。したがって、本記述は正しいです。
オ 株式会社が非業務執行取締役等(社外取締役、会計参与、監査役又は会計監査人)の会社に対する責任の制限に関する定款の規定(会社法427条参照)を設けた場合は、その定めを登記しなければなりません(会社法911条3項25号)。会計監査人と責任限定契約を締結していなくても、定款の定めは登記しなければなりません。したがって、本記述は正しいです。
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03
正解は3。
ア:正
公認会計士である会計監査人の就任の登記の申請書には、その者が公認会計士であることを証する書面を添付しなければなりません(商業登記法54条2項3号)。これは、みなし再任(会社法338条2項)により、会計監査人の重任による変更の登記の場合であっても同様です。
よって、正しい記述です。
イ:誤
会計監査人が辞任した場合には、役員とは異なり、後任者が選任されるまで従前の権利義務を有するという扱いはされていません(会社法346条1項参照)。したがって、新たに会計監査人を選任するか、一時会計監査人の職務を行うべき者を置く必要があります。
このため、会計監査人の辞任の登記は原則通り、辞任による変更の登記としてそれのみを申請することができます。
よって、誤った記述です。
ウ:誤
会計監査人設置会社の登記においては、会計監査人設置会社である旨、会計監査人の氏名または名称が登記事項とされていますが、会計監査人が監査法人である場合も当該監査法人が定めた書類等備置場所については登記すべき事項とはされていません。したがって、これは登記の申請書に記載しなければならない事項にあたりません。
よって、誤った記述です。
エ:正
監査役会は、会計監査人が職務上の義務に違反した場合など会社法340条1項各号の定める場合には、監査役全員の同意により会計監査人を解任することができます(同法340条1項・2項・3項[読み替え規定])。そして、会計監査人が退任による変更の登記の申請書には、これを証する書面を添付しなければならないとされていますが(商業登記法54条4項・1項)、会計監査人の解任について監査人全員の同意があったことを証する書面が、会計監査人の退任を証する書面にあたります。
よって、正しい記述です。
オ:正
会計監査人が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めを設けることができます(会社法427条1項)。これを設けた場合には、当該定めの設定の登記を申請しなければなりません(同法911条3項24号)。これは現に契約を締結しているか、契約を締結する予定の会計監査人がいるかにかかわりません。
よって、正しい記述です。
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