司法書士の過去問
平成26年度
午前の部 問33
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問題
平成26年度 司法書士試験 午前の部 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
社債管理者に関する次のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
なお、担保付社債信託法の適用は、ないものとする。
ア 会社は、社債の総額を2億円とし、各社債の金額を200万円として社債を発行するときは、社債管理者を定める必要がない。
イ 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
ウ 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受けるために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
エ 社債管理者が社債権者集会を招集するには、裁判所の許可を得なければならない。
オ 社債管理者が社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任する場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。
なお、担保付社債信託法の適用は、ないものとする。
ア 会社は、社債の総額を2億円とし、各社債の金額を200万円として社債を発行するときは、社債管理者を定める必要がない。
イ 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有する。
ウ 社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受けるために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
エ 社債管理者が社債権者集会を招集するには、裁判所の許可を得なければならない。
オ 社債管理者が社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任する場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない。
- アイ
- アエ
- イウ
- ウオ
- エオ
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この過去問の解説 (3件)
01
誤っている選択肢はアとエなので、アエが正解です。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 会社は、原則として、社債を発行する場合には、社債管理者を定めなくてはなりません。ただし、①各社債の金額が1億円以上である場合②その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、社債管理者を定める必要はありません(会社法702条参照)。そして、②の法務省令で定める場合とは、ある種類の社債の総額を当該種類の各社債の金額の最低額を除して得た数が50を下回る場合をいいます(会社法施行規則169条参照)。本選択肢は①及び②の双方に該当しないため、本選択肢は誤りです。
イ. 社債管理者は、社債権者のための社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します(会社法705条1項参照)。従って、本選択肢は正しいです。
ウ. 社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき、会社法705条1項の行為(社債権者のために社債に係る債権の弁済を受け、又は社債に係る債権の実権を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為)をするために必要がある時は、裁判所の許可を受け、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができます(会社法705条4項参照)。従って、本選択肢は正しいです。
エ. 社債権者集会は、原則として、社会発行会社又は社債管理者が招集するが(会社法717条2項参照)、この場合、裁判所の許可を得なければならない、という規定は存在しません。従って、本選択肢は誤りです。
オ. 会社法711条1項では、社債管理者は、社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任する場合において、他に社債管理者がない時は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければならない、と規定しています。従って、本選択肢は正しいです。
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02
ア 誤
会社は社債を発行する際に社債管理者を定めなければなりません。例外として社債総額を各社債の最低額で除した数が50を下回る場合です。本文の場合は該当しません。
イ 正
その通り。社債管理者は必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限があります。
ウ 正
その通り。社債管理者は記述の場合、裁判所の許可を得て社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができる。
エ 誤
原則として社債権者集会の招集に裁判所の許可は不要です。
オ 正
同意を得て社債管理者が辞任をする場合はあらかじめ承継する社債管理者を定めなければなりません。
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03
ア 誤り
会社は、社債を発行する場合には、社債管理者を定め、社債権者のために、弁済の受領、債権の保全その他の社債の管理を行うことを委託しなければなりません(会社法702条本文)。
もっとも、各社債の金額が一億円以上である場合、その他社債権者の保護に欠けるおそれがないものとして法務省令で定める場合には、社債管理者を定める必要はありません(同条但書き)。ここでいう「法務省令で定める場合」とは、ある種類の社債の総額を当該種類の各社債の金額の最低額で除して得た数が50を下回る場合のことをいいます(会社法施行規則169条)。
本肢の場合、いずれの要件も満たしていないため、社債管理者を定めなければなりません。
イ 正しい
社債管理者は、社債権者のために社債に係る債権の実現を保全するために必要な一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します(会社法705条1項)。
ウ 正しい
社債管理者は、その管理の委託を受けた社債につき、社債権者のために社債に係る債権の弁済を受けるために必要があるときは、裁判所の許可を得て、社債発行会社の業務及び財産の状況を調査することができます(会社法705条4項)。
エ 誤り
社債権者集会の招集に裁判所の許可を受ける必要があるのは、社債権者が社債権者集会を招集する場合です(会社法718条3項)。
この場合を除き、社債発行会社又は社債管理者は、裁判所の許可を受けることなく社債権者集会を招集することができます(会社法717条2項)。
オ 正しい
社債管理者は、社債発行会社及び社債権者集会の同意を得て辞任することができます(会社法711条1項前段)。
この場合において、他に社債管理者がないときは、当該社債管理者は、あらかじめ、事務を承継する社債管理者を定めなければなりません(同項後段)。
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