司法書士の過去問
平成26年度
午後の部 問54
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問題
平成26年度 司法書士試験 午後の部 問54 (訂正依頼・報告はこちら)
次のような登記事項の記録(抜粋)がある不動産に関する下記のアからオまでの記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。
ア Cが抵当権の実行として競売開始決定を得て、その旨の差押えの登記がされた場合において、買戻しの期間が経過しているときは、Cは、Aに代位して、買戻特約の登記の抹消をBと共同して申請することができる。
イ Bの住所について登記記録上の住所から変更があった場合であっても、Bは当該変更があったことを証する情報を提供すれば、その住所についての変更の登記をすることなく、買戻特約の登記の抹消を申請することができる。
ウ Bの買戻権の行使による所有権の移転の登記がされた場合には、Bは、Cの抵当権の登記の抹消を単独で申請することができる。
エ A及びBは、買戻特約の売買代金を1,200万円に変更する旨の合意をした場合には、買戻特約の登記につき当該売買代金を1,200万円とする売買の登記を申請することができる。
オ 買戻特約の売買代金について、真実は1,200万円であったが、申請人の過誤により1,000万円として申請され、登記されている場合には、A及びBは、買戻特約の登記につき当該売買代金を1,200万円とする更正の登記を申請することができる。
ア Cが抵当権の実行として競売開始決定を得て、その旨の差押えの登記がされた場合において、買戻しの期間が経過しているときは、Cは、Aに代位して、買戻特約の登記の抹消をBと共同して申請することができる。
イ Bの住所について登記記録上の住所から変更があった場合であっても、Bは当該変更があったことを証する情報を提供すれば、その住所についての変更の登記をすることなく、買戻特約の登記の抹消を申請することができる。
ウ Bの買戻権の行使による所有権の移転の登記がされた場合には、Bは、Cの抵当権の登記の抹消を単独で申請することができる。
エ A及びBは、買戻特約の売買代金を1,200万円に変更する旨の合意をした場合には、買戻特約の登記につき当該売買代金を1,200万円とする売買の登記を申請することができる。
オ 買戻特約の売買代金について、真実は1,200万円であったが、申請人の過誤により1,000万円として申請され、登記されている場合には、A及びBは、買戻特約の登記につき当該売買代金を1,200万円とする更正の登記を申請することができる。
- アイ
- アオ
- イエ
- ウエ
- ウオ
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この過去問の解説 (3件)
01
誤っている選択肢は、ウとエなので、4が正解です。
各選択肢の解説は、以下のとおりです。
ア. 抵当権の実行として競売が開始されていて、その旨の差押えの登記がされた場合、買戻しの期間が経過していれば、抵当権者は自己の債権を保全するために、所有権者に代位して買戻権者と共同して買戻特約の登記の抹消をすることができます。従って、本選択肢は正しいです。
イ. 先例は、買戻し特約の登記の抹消を申請する場合において、登記義務者である買戻権者の現住所が登記記録上の住所と異なるときは、当該買戻権者の住所について、変更が生じたことを証する情報を提供すれば、抹消登記の前提として、買戻権の登記名義人の表示の変更登記をすることを要しない、としています(平成31年10月17日民甲2370参照)。従って、本選択肢は正しいです。
ウ. 買戻権の行使により不動産の所有権は、元の売買契約時の状態で買戻権者に復帰する。また、買戻特約は登記によって公示されており、買戻権の行使までの間に、買主が当該不動産について設定した用益権、担保権等は、買戻権の行使によって消滅する。この場合の登記の抹消は、共同申請によるべきであり、判決等によらない限り、単独で抹消することはできません(登研448P.18参照)。従って、本選択肢は誤りです。
エ. 先例は、買戻し特約の登記の売買代金を増額する変更の登記は、することができない、としています(昭和43年2月9日民甲3.34参照)。従って、本選択肢は誤りです。
オ. 買戻特約の登記の売買代金の更生の登記は、増額、減額ともに申請することができます(登研249P.64参照)。従って、本選択肢は正しいです。
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02
その通り。差押え後、抵当権者は所有者に代位して買戻特約の登記の抹消ができます。
イ正
所有権者以外の住所変更登記のため抹消登記前に変更登記をする必要はありません。
ウ誤
共同申請によって登記を行います。
エ誤
買戻し特約の登記を増額変更することはできません。
オ正
買戻し特約の登記を増額、減額更生登記はできます。
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03
ア 正しい
抵当権の実行として競売開始決定を得て、その旨の差押えの登記がされた場合において、買戻しの期間が経過しているときは、抵当権者は自己の債権を保全するために、所有権者に代位して、買戻特約の登記の抹消を買戻権者と共同して申請することができます(民法423条1項)。
イ 正しい
先例(昭和31年10月17日民甲2370号)は、「所有権以外の権利の登記の抹消をする場合、その権利の登記名義人の表示が変更しているときは、その変更を証する情報を添付すれば、その登記を省略して抹消の登記をすることができる。」としています。
ウ 誤り
買戻特約は登記によって公示されているため、買戻権が行使されると、それまでに当該不動産に設定された担保権等は消滅します。
この場合、登記の抹消は、原則として、共同申請によるべきであり単独で抹消することはできません。
エ 誤り
先例(昭和43年2月9日民甲三34号)は、「買戻特約の売買代金を増額する変更登記は申請することができない。」としています。
オ 正しい
買戻特約の売買代金について、申請人の過誤により金額が申請され、登記されている場合には、買戻特約の登記につき当該売買代金を増額する更正の登記を申請することができます。
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