司法書士の過去問
平成28年度
午後の部 問36

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問題

平成28年度 司法書士試験 午後の部 問36 (訂正依頼・報告はこちら)

送達に関する次の1から5までの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものは、どれか。
  • 送達の日時は、送達報告書によってのみ証明することができる。
  • 当事者が第一審の受訴裁判所にした送達を受けるべき場所の届出は、当該裁判所による終局判決の言渡しによって当然にその効力を失い、控訴審においてはその効力を有しない。
  • 交付送達によって送達をすることができなかったときは、裁判所書記官は、書類を書留郵便に付して発送しなければならない。
  • 公示送達の効力は、裁判所の掲示場に掲示を始めた日に生ずる。
  • 訴訟能力を認めることができない未成年者がその父母の共同親権に服している場合、当該未成年者に対する送達は、当該父母のいずれか一人にすれば足りる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 5 です。

正しい選択肢は5なので、5が正解となります。

各選択肢の解説は、以下のとおりです。

ア. 民訴法109条では、送達をした者は、書面を作成し、送達に関する事項を記載して、これを裁判所に提出しなければならない、と規定しています。しかし、送達報告書は、送達実施についての証明方法の1つにすぎず、他の方法で送達の実施を証明することも禁止されているわけではないので、本選択肢は誤りです。

イ. 送達場所の届出がなされた時は、当該届出の効力は全審級を通じて維持されるので、本選択肢は誤りです。

ウ. 民訴法101条では、送達は、特別の定めがある場合を除き、送達を受けるべき者に送達すべき書類を交付してすると規定しています。なお、この方法(交付送達)による送達ができない場合には、補充送達、書留郵便送達、差置送達、公示送達などの方法をとることが可能なので、本選択肢は誤りです。

エ. 公示送達は、民訴法111条の規定による掲示を始めた日から2週間を経過することによって、又は同一の当事者に対する2回目以降の公示送達は、掲示を始めた日の翌日にその効力を生じます(民訴法112条1項参照)。従って、本選択肢は誤りです。

オ. 民訴法102条1項は、訴訟無能力者に対する送達は、その法定代理人にすると規定し、民訴法102条2項は、数人が共同して代理権を行うべき場合には、送達は、その一人にすれば足りると規定しています。従って、本選択肢は正しいです。



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02

5が正しい肢になります。

1. 送達報告書以外のその他の証拠によっても送達の実施を証明することができます。

2. 送達場所の届出は審級が変わってもその効力が持続します。

3. 交付送達ができない場合は書留送達をすることができます。必要的に書留送達をしなければならないわけではありません。

4. 公示送達は掲示を初めて2週間経過時に効力を生じ、2回目の公示送達は掲示を始めた日の翌日に効力を生じます。

5. 訴訟無能力者に対する送達は法定代理人に対してするものとし、数人が共同して代理する場合はそのうちの一人にすれば足ります。

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03

正解は5です。

1.…誤りです。送達報告書は、送達をした者が、送達に関する事項を記載して裁判所に提出するものです(民事訴訟法109条)。送達の日時は、送達報告書以外から証明してもかまわないとされています(通説)。

2.…誤りです。送達を受けるべき場所の届出があった場合には、送達はその届出に係る場所においてなされます(民事訴訟法104条)。しかし、裁判の終局で送達を受けるべき場所が変わるわけではなく、控訴審においても効力が持続するとされています(通説)。

3.…誤りです。送達の原則は交付送達です(民事訴訟法101条)。交付送達ができなかったときは、➀出会送達(105条)、②補充送達および差置送達(106条)、③書留郵便等に付する送達(107条)、④公示送達(110条)、などの手段をとることができます。

4.…誤りです。公示送達は、掲示を始めた日から二週間を経過してその効力を生じます(民事訴訟法112条1項)。ただし、外国に送達すべき場合で、その国に駐在する日本の大使、公使もしくは領事にあてて送達することができない場合には、掲示した日の翌日に効力を生じます(同項ただし書)。

5.…正しいです。訴訟無能力者に対して送達を行う場合、数人が共同して代理権を行う場合には、そのうちの一人に対してすれば足ります(民事訴訟法102条2項)。

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